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自然光に満たされたアートな空間「杉田劇場」とは?

自然光に満たされたアートな空間「杉田劇場」とは?

アートな空間に潜入!
YOKOHAMA ART SPOT FILE

区民みんなで愛し、集い、育み続ける場所
磯子区民文化センター 杉田劇場

今回は、JR根岸線「新杉田駅」から徒歩3分、らびすた新杉田の4・5階にある文化施設「磯子区民文化センター 杉田劇場」にお邪魔しました。この文化センターの名前の最後についている「杉田劇場」には、地域の人たちの“思い”が込められているってご存知でしたか?(実は私も取材に伺い、知ることができました!)

美空ひばりが“美空和枝”の名前だった8歳の時に、初舞台を踏んだといわれる旧杉田劇場は、富岡方面に向かう16号線とJRの高架下にあり、1946(昭和21)年1月1日にオープンし、1950(昭和25年)10月3日に閉館しました。横浜市の公共施設として「磯子区民文化センター」がオープンするにあたり愛称を区民に公募したところ、その劇場を惜しむ地域の人たちから「杉田劇場」という声が多く集まり、正式に「磯子区民文化センター 杉田劇場」という名前に決定。当時を知る人たちが、思い出の品々を寄付してくださっているそうで、旧杉田劇場の社長の甥御さんだった方から2004年に寄贈してもらったというポスターなども館内に飾られています。


壁に貼られたポスターには、「美空楽団」の文字が! 日本の音楽史上、とても貴重なものですね。

エントランスを抜けると、広々としたロビー。ここに集う地域の人たちによってさまざまな飾り付けが施されています。壁に貼られたポスター、手作りのパンフレットや新聞、さらに季節の誂えなど。


取材時は4月中旬ということで、兜飾りが置かれていました。

ロビーの先には、作品が映える白壁のギャラリーがあります(取材時は写真展が開催されていました)。照明設備も整っていて、写真はもちろん絵画、書道、工芸などさまざまな美術作品の展示に適した空間になっています。

このギャラリーを挟んで左右並びに、リハーサル室と練習室があります。ダンスレッスンが終わったというリハーサル室前で待っていると、汗をかいて気持ちよさそうな地域の人たちがゾロゾロ…。熱気がこもった終了後のリハーサル室内を撮影させていただきました。


板張りのリハーサル室は、かなり広々としていて、動きやすそう! リハーサルや練習としてはもちろんですが、この広さなら小規模な発表会や公演の会場としても使えますね。今回、練習室は2室とも使用中で潜入できなかったのですが、発表会などに向けての歌のレッスンが行われていたようです♪

スタッフの方の案内のもと、メインのホールに向かうことに。その途中で見つけたのが、こちらのKIRINの自販機になんだか見たことのないキャラが…!! お聞きすると、このクマのようなウサギのような耳をもつ女の子は2015年3月に誕生した「ウメニー」ちゃん♪ “杉田大好き梅の妖精”で、磯子区の木である梅にちなんだご当地キャラなんですって。確かに、耳が梅のつぼみの形になってる〜♡

ホールは、階段を上った2階にあります。その前に、この階段(右側がエスカレーターになっています)が素敵なのでご紹介しなくちゃ。利用者にも人気のスポットらしいのですが、この階段、実は吹き抜けになっていまして…

階段を上った先には、こんな現代アートみたいな空間が広がっていたんです。取材に伺った日は快晴というラッキーが重なり、突然「ここ、写真撮ってくださいっ!! 」とカメラマンさんにお願いしちゃったほど。本当に美しい瞬間でした。時間の経過でさまざまな光と影の模様が楽しめるんでしょうね。この日、この時間に訪れることができてLucky Me!!

その先に広がる、ホール前のホワイエ。外はテラス席になっています。ここにも自然光がやさしく差し込んで、とても気持ちいい空間です。


公演のある日は、幕間などにここでドリンクオーダーも。


テラス席で日光浴しながら、コンサートの余韻に浸ったり。

こちらはホールの手前にある「親子室」(4席)。ガラスで仕切られているので、小さなお子さんがぐずったりしても、安心してコンサートなどを鑑賞できます。

さて、ついに、310席ある多目的ホールへ。音楽、演劇、舞踊などジャンルを問わず文化芸術活動の鑑賞・発表の場として利用できます。


車椅子専用シート(4席分)も用意されています。

スタッフの方だけが知る、ホールの“特等席”もお聞きしちゃいました! それがこちら!

ほかの席よりも座席の位置が高いため、前を遮るものがなく、よ〜く舞台が見えるとのこと。全席自由の公演の際は、開場時間に待ってこの席をキープ!!

さらに我ら取材班は、舞台上にもお邪魔させていただきました。舞台から客席はこのように見えます。歌舞伎や日本舞踊などで欠かせない花道を設置することもできるそうです。

そして舞台裏からも客席は“見られています!!”(笑)。こんな覗き窓を使って、ちゃんとお客様が楽しんでいるか、客席の様子を伺うことができるんですね。


舞台総合操作卓もパシャ!! 普段入れない分、バックヤード見学って興奮しちゃいます。

最後に、舞台奥にある楽屋も拝見させていただきました。公演日には、多くの演者さんたちがここに集って、緊張と熱気あふれる空間が広がっているんでしょうね。

コンサートや演劇、展覧会にダンスレッスン…さらに毎年夏に開催される全館あげての夏祭りも人気の「磯子区民文化センター 杉田劇場」。

住み続けたくなるまちづくりに貢献する「区民文化センター」を目指しているだけあって、この日も展覧会へ訪れた人、リハーサル室で汗を流す人、練習室で音楽を楽しむ人…と多くの利用者たちでにぎわいを見せていました。四季折々に、気軽に参加できるさまざまな催しものも行われているそうなので、あたたかな日差しに誘われて、ふらりと足を運んでみてください。アートが、文化が、人々がぐっと身近に感じられる、そんな場所です。

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