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白井晃演出「夢の劇-ドリーム・プレイ-」からはじまるKAATの2016年度ラインナップを発表!

TEXT:井上明子

KAAT芸術監督白井晃が満を持して送り出す「夢の劇-ドリーム・プレイ-」とは



先日、開館5年目の節目の年を迎えたKAAT神奈川芸術劇場で、2016年度のラインナップ発表と、4月に上演される白井晃演出「夢の劇-ドリーム・プレイ-」の制作発表が行われました。2014年4月から芸術参与としてKAATのプログラムにおいて芸術面からイニシアティブをとってきた白井晃さんが、2016年4月からは「芸術監督」と肩書きを新たにします。その記念すべき第一作目がこの「夢の劇-ドリーム・プレイ-」ということで、脚本に長塚圭史さん、振付に森山開次さん、出演には早見あかりさん、田中圭さん、江口のりこさん、玉置礼央さん、那須佐代子さん、山崎一さんと豪華な顔ぶれが集結しました。



(下段左より) 白井晃、長塚圭史、早見あかり、田中圭、森山開次  (上段左より)那須佐代子、山崎一、江口のりこ、玉置礼央
(下段左より) 白井晃、長塚圭史、早見あかり、田中圭、森山開次  (上段左より)那須佐代子、山崎一、江口のりこ、玉置礼央

原作の「夢の劇」はスウェーデンの作家ストリンドベリが1901年に書いた作品で、神インドラ(白井晃)が、人々の不満や嘆きを見聞きさせるため、娘アグネス(早見あかり)を地上へ送り出したことから物語がはじまり、地上での様々な出会いを経て人間の存在の痛みを経験しながらアグネスが成長して行く姿を描いたもの。ちなみに主役のアグネスは、白井さんの熱望によって早見さんに決定したそう。

制作発表では、舞台初挑戦のプレッシャーからか早見さんが涙をみせる場面があり、グッとこらえて気丈に考えを述べる姿に、白井さんも「泣きながらそこまできちんとしゃべれるならたいしたもんですよね」と笑顔で賞賛し、会場を湧かせていました。俳優陣からは「難しい」との声も多くあがった台本ですが、脚本を手掛けた長塚さんは「難しさは芸術性によって大いに越えられるものだと思っています。さっき泣いちゃった早見さんをみて思ったんですけど、この劇は、どこか彼女が中心にたって荒唐無稽な汚れた人間世界を白馬のように駆け抜けて行ってくれたら、ある種の祝祭になると思うし、人間讃歌、芸術讃歌になれるんじゃないかと思う。」と語りました。



会見中、涙をみせる早見あかりさん
会見中、涙をみせる早見あかりさん


これまで舞台出演は避けてきたと言う早見さんですが、「今まで避けてきたのに、初舞台にどうしてこの作品を選んだの?」とよく聞かれるそうです。「何故この作品を選んだのかは自分でもわからないけれど、舞台のことは右も左もわからない今の自分の不安と、劇中の主人公の何もわからない状況がそっくりで、私も舞台が終わったら何かをつかんで帰ってきたい」と、意気込みを語ってくれました。

演出の白井さんは、「夢のような展開をして脈略なく変化していく作品なので、脚本を読んだだけでは難しいと感じるかもしれないが、演劇として立体化された時に難しさはなくなっていくと思う」と語り、「僕も今は全然わからないけど、わからないところをつくって行くのがおもしろい。結局は1人の人間の人生が滲み出てくればいいなと思っています」と締めくくりました。

KAAT神奈川芸術劇場 白井晃芸術監督、就任後初の作品となる「KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 夢の劇-ドリーム・プレイ-」は、4月12日(火)~30日(土)KAAT神奈川芸術劇場での上演を皮切りに、松本、兵庫にもツアーを予定しています。

公式サイトバナー



気になる、KAATの2016年度ラインナップは?!



さて、「夢の劇-ドリーム・プレイ-」の制作発表と同日に行われたラインナップ発表では、世代もジャンルも様々なアーティストが肩を並べる姿が印象的でした。

白井晃次期芸術監督の初心表明ともとれる冒頭の挨拶では、「演劇のみならず音楽、ダンス、現代美術が混ざりあった表現」「若いクリエーターが経験値を積み力を蓄積していく場」「公共劇場同士の連携」などのキーワードが挙げられました。また、「ベテランの演劇人にも今までできないと思って規制してきた表現があったら、できるだけその殻を破って冒険できるような劇場にもしていきたい」とも語り、当初から掲げてきた”創造する劇場”としてのKAATのあり方を継承しつつ、多ジャンル、そして幅広い世代のアーティストが集う刺激的な創造空間として、さらなる進化が期待できそうです。



冒頭の挨拶をする白井晃さん
冒頭の挨拶をする白井晃さん


4月の「夢の劇-ドリーム・プレイ-」以降、やなぎみわさんが中上健次の「日輪の翼」を作品化し移動舞台車で上演するステージトレーラープロジェクトや、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館出品作家の塩田千春さん凱旋展覧会など、現代美術作家の活躍も目立ってきそうです。また杉原邦生さんや谷賢一さんといった若手クリエイターから、蜷川幸雄さん、串田和美さんというベテラン勢まで幅広い世代の作品も展開され、今回で4作品目となる首藤康之さんのダンスシリーズや、楳図かずおさんのSF作品「わたしは真悟」のミュージカル化など、KAATならではの意欲作が相次いで上演される予定です。詳しくは、KAAT神奈川芸術劇場の公式サイトでご確認ください。



(左から) 長塚圭史 やなぎみわ 塩田千春 首藤康之 谷賢一 杉原邦生 串田和美 白井晃
(左から) 長塚圭史 やなぎみわ 塩田千春 首藤康之 谷賢一 杉原邦生 串田和美 白井晃



(TEXT:井上明子)

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