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神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」。ミュージカル・音楽・演劇・映画など県内のアート情報を発信します。

日産アートアワード2015|特設ページ

2015.11.30公開

横浜市、BankART Studio NYKにて2回目となる「日産アートアワード2015」が開催中です。
気になる今回のファイナリストは、秋山さやか、久門剛史、石田尚志、岩崎貴宏、ミヤギフトシ、毛利悠子、米田知子の7名。本ページでは写真を交えて展覧会の様子をご紹介し、見事グランプリを受賞された毛利悠子さんへのインタビューも追加で公開予定です!

横浜市、BankART Studio NYKにて2回目となる「日産アートアワード2015」が開催中です。
「日産アートアワード」は、次代を担う日本人アーティストに贈られるもので、アートプロフェッショナルにより推薦された33名のアーティストの中から、5名の国際審査委員が7名のファイナリストを選出し、会場での最終審査を経て、グランプリが決定します。また、グランプリを受賞したアーティストには賞金300万円と、二ヶ月のロンドン滞在の機会が与えられるなど、国内では類を見ない規模のアートアワードとして大きな注目を集めています。気になる今回のファイナリストは、秋山さやか、久門剛史、石田尚志、岩崎貴宏、ミヤギフトシ、毛利悠子、米田知子の7名。本ページでは写真を交えて展覧会の様子をご紹介し、見事グランプリを受賞された毛利悠子さんへのインタビューも追加で公開予定です!



【NEW】毛利悠子さんのインタビューを公開いたしました! 毛利悠子さんのインタビュー

ファイナリストの展示作品を紹介



一部ではありますが写真を交えて出品作家と、展示作品についてご紹介させていただきます。※以下テキストは、会場で配布されている展示作品リストより引用。



秋山さやか|Sayaka Akiyama
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/01/

秋山はさまざまな土地で生活し、あるき、その軌跡を1針1針縫い付け、「時間のあしあと」を探ってゆく作品を制作しています。本展の新作に向けて、秋山は二ヶ月半に渡り横浜に滞在し、BankARTにて制作をおこないました。半透明の布で出来た部屋のような作品には、秋山があるいた関内、馬車道、BankARTでの地図がプリントされています。さまざまな色彩や形の糸、日常で見つけたものによって縫い込まれた「線」からは、秋山が過ごした土地での発見や日々のささやかな喜び、葛藤などの心理的な変化があらわれています。展示室の壁や窓には、秋山がつづった日記のような言葉が道のように描かれ、窓の外に拡がる横浜の風景と溶け合い、一つの世界を紡ぎ出しています。今後の活動として、2016年9月に開幕する国際展「さいたまトリエンナーレ 2016」への参加が決まっています。



《浸食す 9.1 19 29 10.3 11.7 8 13》2015
《浸食す 9.1 19 29 10.3 11.7 8 13》2015
横浜で出逢ったさまざまな物いろいろな糸、布、顔料/サイズ可変(中央作品:3500×3600×3600mm)※写真は制作時のもの


《浸食す 9.1 19 29 10.3 11.7 8 13》部分
《浸食す 9.1 19 29 10.3 11.7 8 13》部分


久門剛史|Tsuyoshi Hisakado
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/02/

久門は音や光、立体をつかって、頭の片隅にある記憶の再現を空間全体で創り出しています。空間に足を踏み入れると、鑑賞者は時間の経過とともに、明滅する電球の光や、かすかに揺れるカーテンの動き、そして様々な音の響きに気付かされます。それは、どこかで体験したかのような光景でありながら、その記憶が自分自身のものなのか、誰かが語った記憶なのか、曖昧な感覚や時間となって追体験させられます。BankARTがもつ建築的な要素や周辺の環境から生まれる偶然性と、あらかじめ設定された器械的な要素を融合させることで、久門は、普段私たちが見過ごしがちな場所の歴史や文脈、そこに残る時間や気配などに意識を傾ける場をつくっています。本展以降は、2016年3月に京都での世界初演を皮切りに、世界各国での上演が予定されているチェルフィッチュ新作「部屋に流れる時間の旅」の舞台美術と音を担当するほか、「VOCA展 2016」にノミネートされています。



《Quantize #5》2015
《Quantize #5》2015
サウンド、電球、アルミニウム、真鍮、木、ジョーゼット、紙、時計ムーブメント、シャープペンシルの芯、鏡、電池、他/6000×12000×5000mm



《Quantize #5》部分
《Quantize #5》部分


石田尚志|Takashi Ishida
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/03/

画家および映像作家として活動すると同時に、パフォーマンスも行ってきた石田は、絵を描く身体(からだ)全体の動きに着目し、それをドローイング・アニメーションに展開することで、身体や時間の痕跡を表しています。本展の新作は、エドガー・アラン・ポーのいくつかの短編から構想を得て、石田がこれまでも繰り返し向き合ってきた「窓と壁」、そして「渦」や「反復」といったテーマをさらに探求しています。見ることと描くことを突き詰めた映像からは、躍動する絵画の線や、身体、時間の軌跡がダイナミックに浮かび上がります。今後は、2015年11月神奈川県立近代美術館鎌倉「鎌倉からはじまった。1951-2016 PART3」でのライブ上映や、「あいちトリエンナーレ 2016」への参加が決まっています。  



《正方形の窓》2015/HD video/6分30秒
《正方形の窓》2015/HD video/6分30秒


《正方形の窓》に使用された壁面の一部
《正方形の窓》に使用された壁面の一部


岩崎貴宏|TakahiroIwasaki
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/04/

岩崎は工事現場などの見慣れた風景を日用品で再構成した作品や、歴史的な建築物を、緻密な立体作品として様々なスケールで展開し、私たちの世界を多角的に表現しています。本展では、黒澤明の映画『羅生門』に登場する半壊状態の羅生門をモチーフに、水溜りに映った虚像も合せて立体化させ、虚実が溶けあった新作を発表します。もう一方の髪の毛で作られた鉄塔群の作品は、映画の原作である芥川龍之介の小説『羅生門』に出てくる老婆と髪の毛のシーンを想起させます。それらは、戦乱や災害などにより荒廃した羅生門の世界と、戦後70年経ってもなお、くすぶる争いの影や、未曾有の災害で混迷を極める現代社会が交錯するようにも見えてきます。今後の展示として、現在開催中の、西武池袋本店にリニューアルオープンしたエルメスのウィンドウディスプレイを制作したほか、2016年1月から川崎市民ミュージアムのコレクション展に出品予定です。



写真右《リフレクション・モデル(羅生門エフェクト)》2015 写真右《リフレクション・モデル(羅生門エフェクト)》2015
檜、シナベニア、墨汁、ワイヤー/1800×1850×900mm



《アウト・オブ・ディスオーダー(70年草木は生えなかったか?)》2015

《アウト・オブ・ディスオーダー(70年草木は生えなかったか?)》2015
人毛/600×2400×2400mm


ミヤギフトシ|Futoshi Miyagi
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/05/

ミヤギは自身の記憶や体験に向き合いながら、国籍や人種、アイデンティティといった主題について、写真や映像、オブジェ、テキストなど、多様な表現で作品を発表しています。新作の映像インスタレーションは、ミヤギが2012年より取り組んでいる、沖縄やセクシャルマイノリティーを扱ったリサーチ・プロジェクト「American Boyfriend」の連作となります。新作に向けて、ミヤギは沖縄とアメリカでリサーチやインタビューを行いました。核となる映像作品では、沖縄とアメリカで撮影した風景、物語のなかでヴァイオリン弾きのアメリカ兵と沖縄人ピアニストが演奏する曲とともに、二人が心を通わせる過程、沖縄とアメリカという場所が持つ歴史や複雑な関係性が語られます。今後の活動として、「他人の時間」展がシンガポール美術館(2015年11月~2016年2月)とクイーンズランド州立美術館|現代美術館(2016年6月~9月)に世界巡回するほか、「六本木クロッシング 2016」展(森美術館)があります。



写真左《雨だれについて》2015/シングルチャンネルビデオ(カラー、サウンド)/7分25秒
写真左《雨だれについて》2015/シングルチャンネルビデオ(カラー、サウンド)/7分25秒
写真右《南方からの17通のノート》2015/封筒、ハガキ、切手、デジタルプリント、ファウンドフォト、CD、紙にインク/サイズ可変



《南方からの17通のノート》部分

《南方からの17通のノート》部分


毛利悠子|Yuko Mohri
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/06/

日用品や機械で構成した立体物を環境に寄り合わせ、磁力や重力、光りなど、目に見えない力を感じ取るインスタレーションを制作している毛利は、駅の構内で見かける水漏れ現場に着目し、その対処法を写真のおさめたフィールドワーク・シリーズ「モレモレ東京」を2009年から発表しています。日用品を即興的に組み合わせて水漏れを食い止めようとする駅員たちのプリコラージュ(器用仕事)に「用の美」としての芸術的発想の原点を見る毛利は、本展のために同シリーズを発展させ、横浜にて新作に取り組みました。水漏れを対処する平面構成によって、私たちが目を向けてこなかった都市の相貌をユーモラスかつ批評的なまなざしで捉えます。今後の活動として「THE BEGINNINGS(or Open-Ended)」展(ポットラック・ビルディング・ギャラリー)、 「六本木クロッシング 2016」展(森美術館)に参加予定です。



《モレモレ:与えられた落水#1-3》2015 《モレモレ:与えられた落水#1-3》2015
木材、傘、ホース、ペットボトル、ゴム手袋、バケツ、車輪、雑巾、スポンジ、ポンプ、アクリル樹脂など/各2725×1758×500mm(×3)



《モレモレ:与えられた落水#1-3》部分
《モレモレ:与えられた落水#1-3》部分


米田知子 |Tomoko Yoneda
http://www.nissan-global.com/JP/CITIZENSHIP/NAA/FINALIST/07/

米田は歴史や場所の丁重なリサーチを通して、写真の根本的な役割である「記録」を軸に、現実に見えているものだけではなく、そこに潜む記憶を背景に投影しています。本展で米田は、特に第二次世界大戦の歴史にまつわる風景、人物、物をリサーチし、イギリス、韓国、日本にて、B-29 の墜落現場、朝鮮半島の南北分断の軍事境界線地域、戦争記録画を描き戦後に糾弾された藤田嗣治をモチーフとした新作の撮影を行いました。それらに加え、靖国神社や広島などから構想を得た旧作を一緒に並べることで、さまざまな歴史的断片から、過去といまを見つめ直すシリーズへと発展させました。今後の活動として、今年12月から始まる「ふぞろいなハーモニー」展(広島市現代美術館)のほか、2016年は、台湾關渡美術館での展覧会、また、「REAL DMZ」展(Art Sonje Center、韓国)に参加予定です。



《境界線の向こうに絡まる二本の松(北朝鮮と韓国の北東最前線・ゴセオン・韓国)(「DMZシリーズより」)》《日本統治時代の氷蔵の壁にある砲弾痕(朝鮮戦争の激戦地チェルウォン・非武装地帯近く・韓国)(「DMZシリーズより」)》《藤田嗣治の眼鏡 —日本出国を助けたシャーマンGHQ民政官に送った電報(「Between Visible and Invisible」シリーズより)》
写真左より
《境界線の向こうに絡まる二本の松(北朝鮮と韓国の北東最前線・ゴセオン・韓国)(「DMZシリーズより」)》/2015/発色現像方式印画/830×650mm
《日本統治時代の氷蔵の壁にある砲弾痕(朝鮮戦争の激戦地チェルウォン・非武装地帯近く・韓国)(「DMZシリーズより」)》/2015/発色現像方式印画/650×830mm
《藤田嗣治の眼鏡 —日本出国を助けたシャーマンGHQ民政官に送った電報(「Between Visible and Invisible」シリーズより)》/2015/ゼラチン・シルバー・プリント/1200×1200mm



《ビキニ環礁核実験の写真偵察機だった B-29 墜落事故現場/ピーク・ディストリクト・イギリス》2015/発色現像方式印画 写真左《ビキニ環礁核実験の写真偵察機だった B-29 墜落事故現場/ピーク・ディストリクト・イギリス》2015/発色現像方式印画/1030×1300mm
写真右 米田知子展示風景より


このように、ファイナリストの名にふさわしく、7名による作品すべてが見応え十分!展覧会は入場無料。この機会に是非“日本現代美術のいま”を体験してみてください。    



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