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神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」。ミュージカル・音楽・演劇・映画など県内のアート情報を発信します。

神奈川・立ち呑み文化放談 Vol.1 「悪場所とアングラ」

神奈川・立ち呑み文化放談 vol.1 「悪場所とアングラ」

昨今、密かなブームでもある立ち呑み。

「神奈川・立ち呑み文化放談」は、立ち呑み文化の地域性や時代性も視野にいれつつ、神奈川の立ち呑み事情を探るとともに、そこで繰り広げられるおしゃ べりも楽しんでいただく企画です。

ナビゲーターには、編集者・フリーランサーの藤原ちからさん、そしてゲストには毎回多ジャンルのアーティストをお迎え し、テーマを変えてお送りします。いわゆるアーティストインタビューとはひと味違う脱線あり・ハプニングありの放談と、県内のディープな立ち呑み屋の魅力をお楽しみください。

2014.4.1    Text : 井上明子   Photo : 西野 正将
 
藤原ちから|Chikara FUJIWARA
編集者、批評家、フリーランサー。BricolaQ主宰。1977年高知市生まれ。12歳で単身上京し、東京で一人暮らしを始める。以後転々とし、出版社勤務の後、フリーに。雑誌「エクス・ポ」、武蔵野美術大学広報誌「mauleaf」、世田谷パブリックシアター「キャロマグ」などの編集を担当。辻本力との共編著に『〈建築〉としてのブックガイド』(明月堂書店)。徳永京子との共著に『演劇最強論』(飛鳥新社)。現在は横浜在住。演劇センターFの立ち上げに関わる。
 
気田睦|Mutsumi KETA
静岡市出身。2005年に劇団唐組入団以降、現在まで唐組の全公演に出演。ノゾエ征爾×β×Utervision「マイサンシャイン」、鏡花名月会2012特別公演快読『泉鏡花』戯曲リーディングライブ、ノゾエ征爾×三浦佑介×Utervision「マイサンシャイン」などにも出演。特技は水泳とピアノ。
 
土屋真衣|Mai TSUCHIYA
新潟市出身。明治大学文学部仏文学科卒業。2006年に劇団唐組入団以降、現在まで唐組の全公演に出演。映画出演に「唐十郎と劇団唐組の記録」(監督・大島新)。テレビ出演に「私がこどもだったころ」(監督・倉内均)などがある。特技はピアノとオセロ。

 
 

テーマと説明

 
 
藤原:すいません、生ください!
土屋:わたしもー!
気田:生3つ!!
 
看板娘:はーい。
 
 
藤原:あの子はこの店のアイドルらしいですよ。
 
 
看板娘:おまたせしましたー
 
 
気田:(あ、かわいい♡)
 
 
それはさておき、乾杯〜!!
 
乾杯(記事内)

 
 
ー 酒の神 気田・バッカス・睦 ー

藤原:江戸時代、遊郭と芝居町が郊外に置かれていて、出入りしづらい忌避される場所でもあり、同時に憧れの対象でもあった。それが“悪場所(あくばしょ)”であるわけですが、そこに「芝居」が入っているのは面白いなぁと思います。きっとすごいエネルギーがあったんじゃないかと。そこで今回は、演劇のエネルギーと呑み屋のエネルギーには共通するものがあるのではないか、という強引な仮説をたててはじめてみようと思います。
 
土屋:なるほど。呑み屋と言えば、気田さんは「お酒の神様」って言われてるんですよ。気田さんを出禁にしたお店はすぐ潰れちゃうっていう。
 
藤原:おそろしい・・・気田 バッカス(笑)
 
土屋:気田さんって、絵に描いたような飲んべえで、でも気田さんが神様だと思うのは、酔っぱらった面倒くさい気田さんを世話する他人がいっぱいいるってところなんですよ。
 
気田:お酒大好き♡
 
藤原:笑。 唐十郎さんにもいろいろ武勇伝がありそうですね。それこそ、寺山修司との伝説的な大喧嘩とか。
 
土屋:唐さんは、お酒が入ってるからとかじゃなくて常に面白い人ですよね。
 
気田:うん、常に演劇してる感じ。一度お酒を呑んでて、みんなで歌を歌ってたら怒られたことがあって。「俺はな、真剣に呑んでるんだよ!」って(笑) 
 
一同:
 
気田:「こういう瞬間にも、セリフや言葉、物語が浮かんでくるんだ。だから真剣に呑まなきゃだめなんだよ!」って(笑)わけわかんないけど、そういうふうにいつもドラマティックですよね。でも一方で、すごく繊細で敏感でもあるんですよね。もの凄い研ぎすまされた人なんだろうなって思う。
 
藤原:勝手なイメージですけど、繊細な部分と豪快な部分が同居しているんですかね。
 
土屋:うん、そうですね、ほんとに。劇団員16人に共通して言えるのは、みんなそれぞれが唐さんと関係性を持っているってことなんですよね。唐さんが、そういう関係を持ってくれる。それぞれに唐さんとの思い出があったり、もらう言葉があったり…だからずっと居続けちゃうっていうか。
 
気田:その人のことを、一番下まで観てる。あの魅力は魔法みたいなものです。
 
土屋:うん、みんな魔法にかかっちゃってるんだと思う。
 
 
ー 唐組との出会い ー

気田:僕は19歳の時に唐組の紅テントを初めて観に行ってものすごい衝撃を受けて、芝居をやっていきたいなって思ったんです。でも、すぐには入団せずに何年かプラプラしてたんですよ。その間も唐組の芝居は観てたんですけど、僕が観るときはいつも雨が降ってた。それでテントの前でボロボロのカッパを着て、どろっどろになってる多分劇団員であろう人をみて、5年くらい入るの躊躇してたんですよね(笑)
 
藤原:ドロドロのイメージが強烈だったと(笑)
 
気田:そう。だけど、その間いろんなお芝居を観ても、唐組の衝撃を上回る集団に出会えなかったっていうのが、入団のきっかけになった。「これはもうやるしかない」ってなって。
 
藤原:なるほどね。土屋さんは?
 
土屋:私は小さい頃福岡に住んでいたんですけど、12歳の時に福岡に紅テントが来てたんです。それでお父さんに連れられて初めて観たのが唐さんの芝居だったんです。とにかくあっという間に物凄いことが起きたっていう衝撃があって、よくわからないんですけど、泣いてたんですよね。
 
藤原:泣いたのは、感動で? それとも恐怖で?
 
土屋:感動ですね。すごいキラキラしていて、その衝撃で泣いてたんです。帰ってから「あれはなんだったのか」ってお父さんに聞いても教えてくれなくて、次の日、また同じ場所に1人で行ってみたんです。そうしたら昨日あったテントがなくなっちゃってる。それでその空き地で立ち尽くしちゃったんですね。
 
藤原:なんだったんだあれは!みたいな。
 
土屋:それからずっと自分の中にその衝撃が残っていたんだけど、特に演劇というものに触れてはこなかった。でも大学の時、唐十郎が新宿でまだやっているという話をきいて観に行ってみたんです。そうしたら、当時私が観たそのまんまがそこあったんです。今まで憧れていたものがここにあるんだとしたら、今まで演劇していなかった自分は入らずになんとなる!という気持ちでオーディションをうけたんです。
 
藤原:それ、めっちゃいい話やね。
 
気田:結局僕が10年で、土屋さんが今9年。「いすぎだよーっ」て言われます(笑)
 
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ー アングラ演劇といわれること ー

藤原:資料や伝説から推し量ることしかできないんですけど、唐さんの状況劇場が60年代に「アングラ演劇」と呼ばれて登場した頃にあったであろうエネルギーに関心があります。それは酒場で時々感じるような、一見無駄にも思えるエネルギーに通じているんじゃないか。もちろん演劇が無駄だとは思わないけど、日常の社会生活や商売から少し離れたところにエネルギーの渦巻く場所がある、っていうのは大事かもなって思うんです。時に炸裂するような人間のエネルギーと通じているからこそ、演劇は太古の昔から今まで続いてきたんじゃないかと。
 
気田:「なんで演劇をやってるの?」ってよくきかれますけど、演劇をしてるのかなぁ?ていうのは疑問に思っていて。唐さんが書く世界、それがたまたま演劇だった。だから「演劇好きですか?」って聞かれると「はい!」とは言えない。「アングラですか?」っていわれたら「いや、アングラではなくて、唐十郎の世界をつくることに興味がある。」っていうふうになっちゃう。
 
土屋:例えばシュルレアリスムには、今使われている“シュール”とは違う意味があったりするのと同じで、“アングラ”と言っても、世間一般の人たちが感覚としてもっている言葉とは違うんじゃないかなって思う。そういう意味で「アングラ芝居」っていう枠を考えてやってる人ってあまりいないんじゃないかな。
 
気田:実はね。そのラインにいないのかな。
 
藤原:そこは聞きたかった。もともとは “アングラ”って、当時のジャーナリズムが蔑称として使いはじめた言葉ですよね。つまり最初は自分たちで名乗ったわけではないけども、唐さんたちはあえてその名称を引き受けていくことでシーンをつくっていった。確かに今はもう硬化したイメージになってしまっていて、矮小化してしまう部分があるかもしれないですね。
 
土屋:シュールとはいったい何か、アングラとはいったい何か、その人が何をもってそう言っているのか、そういうところまでは突き詰めて話したくなりますよね。
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藤原:今回「悪場所とアングラ」をテーマにしてあえてぶつけたかったのは、時代や世代を超えて人間のエネルギーを再考したかったというか。例えば、よく呑み屋でおっちゃんに説教とかされるじゃないですか、「俺の若いころはよー」って。
 
土屋:私もよくされます。「お前らの世代は」って。
 
気田:あるある。でも韓国映画でこれいーなーって思うセリフがあって、それが、「くだらない大人はたくさんいる。でも、年齢は人を図るものさしじゃない。だからそれを含めて大人と付き合いなさい。」みたいな。
 
土屋:すいません、脱線して…。気田さん映画大好きで…(笑)
 
気田:映画大っ好き!映画の話をもらったんですよ、最近。これまた話かわっちゃうんですけど・・。
※気田さん出演予定の映画まほろ駅前狂騒曲(監督:大森立嗣) 今秋公開予定!
 
藤原:いやいや、言っちゃいましょう。とりあえず転がってみましょう(笑)
 
 
ー 映画と演劇の共通点・圧倒的コミュニケーションとは ー

気田:演劇10年やってるんですけど、今度出演する映画の現場で、まず最初の質問が「映画って興味ありますか?」だったんですよね。やっぱり映画つくってる人も、僕らは演劇が好きなんだと思っちゃうみたいで。
 
藤原:ちなみにどういう映画観ますか? じゃあ、今ぱっと思いついた好きな映画を三本あげましょう!
 
気田:ぼくはね、えーっと・・・クストリッツァの「黒猫白猫」!
 
藤原:あ、僕も大好きですね、サントラも大好き。
 
気田:てんてんてんててんててん♪
 
藤原:あれは呑んだくれが好きな映画ですよね。
 
気田:お酒飲むときに地面にちょっとお酒たらして「地面と空に感謝」みたいな。あとずーっと呑んでるの、ずーっと。で、音楽と、あのジプシーの・・(以下略
 
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藤原:・・・酒と音楽の世界ですよね(笑)
 
気田:実は、映画でも演劇でも芝居を作るっていうプロセスは同じなんですよね。その状態になれるから、そこに居られるから。
 
土屋:唐組に入って、言葉はしゃべらなくてもそこに居るっていう状態は何なのかということを教えてもらったっていうのはありますね。
 
気田:それは平田オリザさんであっても川村毅さんであっても、みんな同じなんですよ。圧倒的コミュニケーションができるのかどうか。
 
藤原:なるほど。
 
気田:なんか最近、演劇をはじめたきっかけってだいたいみんな同じなのかなって思うようになって。例えば自分じゃない人になる変身願望だったり。僕、演劇ずーっとやってきて思うのは、自分が自分として居て、誰か他の人にしゃべれるのか、ということ。(( 気田さん一回転 ))
 
藤原:今、一回まわりましたね(笑)
 
気田:うん、だからこう、自分がなくなっちゃう状態じゃだめなんですよ。
 
藤原:俳優としての気田さんが居るっていう?
 
気田:うん。気田が藤原さんに言葉をかけられるのかっていうことなんですよ。「こんにちは」といったら「こんにちは」と返してもらえるような「こんにちは」が言えるのか。そこじゃない? 人として居ることなんですよ。
 
土屋:難しいなって思って、どうしても自分って残ってしまうから。
 
藤原:あ、一回演劇的に自分を抜け出るんだけど、でもやっぱり自分として居る、みたいな?
 
気田:妻夫木聡はかっこいいよ、だからその人にやってもらうのが一番いい。おれは妻夫木聡にはなれナイ!ってこと。
 
藤原:・・・気田さん、それはそもそもキャラの系統が違いすぎますよ!(笑)
 
 
ー 酒場でのコミュニケーションのこと ー

気田:僕、昔は人に忘れられたくないっていう意味でお芝居やってたんだけど、最近は何ができなきゃだめかっていうとコミュニケーションだと思う。勝手にお客さんって感じてるんだよね、いい芝居って何?って。それはやっぱりコミュニケーションができているってことなんだと思うんですよ。
 
藤原:やっぱり、そこですよね。物語だけを楽しみたいんだったら小説でいいわけだし。それと関係するけど、こういう飲み屋が好きな人に、酒癖は悪い人はいても、悪い人はいなんじゃないかって。やっぱり人間が好き、家呑みじゃなくて酒場が好き、みたいな。同じ店で呑んでる他人への興味が少なからずあると思うんですよね。
 
土屋:家で呑みたい時ってあるけど、3日もすれば外にでたくなりますよね。やっぱり人と一緒にいたいっていうか。
 
藤原:単にお酒が好きなんだったら家で呑んでる方が安いのに、酒場にいっちゃうわけですよね。なんでですかね。
 
土屋:なんでですかねー。
 
藤原:社交辞令の世界とは違う、こういう場所特有の、人間の熱いものがほとばしってる感じは嫌いではないです。
 
土屋:多分それって、自分の考え以外にこの人何考えてるんだろう、これ同じだな、違うな、っていうところなんじゃないかな。
 
気田:うん、あと僕の場合は圧倒的に寂しい。
 
藤原:あー、その問題大きい(笑)1人で酒場に紛れ込んでるだけでも、なんか救われるじゃないですか。不思議ですよね。
 
気田:僕も外で呑みたいですね。まぁ、そんなに稼いでもないから安いところでっていうのはありますけど。
 
藤原:このお店もすごい安いですよね、だって100円メニューあるんだよ。
 
気田・土屋:ほんとだー。
 
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気田:あ、生ください!
 
土屋:気田さん、呑み過ぎー!
 
 
ー 唐十郎の世界・劇団(集団)にこだわった唐さん ー

気田:一応いっときますけど、僕は唐十郎は日本一かと今まで思ってましたけど、世界一じゃないかなと。
 
藤原:お!
 
土屋:絶対そうだと思う。
 
気田:もうね、魔法がとけてないっていうのがある。
 
土屋:宗教的って言われることかもしれないけど、それだけ信じられる。すごい素敵な世界を生み出してる人だから。
 
気田:もっと見てない人にみてほしい、唐さんの世界を。もしかしたらあんまりだなと思う人もいるだろうけど、それでもいいから観てほしい。今、観にこれるんだから「観にきたほうがいいんだよ!」
 
藤原:強調がはいりました(笑)
 
気田:唐さんの世界って、例えば水たまりに釣り竿をたらして大きな魚が釣れたみたいな、そういう小さな世界からはじまっていくんですよ、蟻を追いかけて行ったら大きな海に出たとか。
 
土屋:日常に物語があるんだよって教えてくれてる気がする。
 
気田:やっぱ唐さんの芝居で注目してほしいのは、小さな小道具。
 
土屋:それは、気田さんが美術担当だからでしょー?
 
気田:違う違う、小さな小道具から物語がうまれるんですよ。こんなちっちゃいカンテン棒から。
 
土屋:今回(の春公演)はカンテン棒なんですよ。  ※劇団唐組「桃太郎の母」公演詳細はコチラ  〈この公演は終了しました。〉
 
桃太郎の母

 
気田:小さなものから物語が大きく広がっていくから、あの空間(テント)じゃなきゃだめなんですよ。あれより大きくなっちゃだめなんです。
 
土屋:忘れ去られて行くものだったり、残さなきゃいけないのにどうしても失われて行ってしまうものを、忘れないでいたいって思いますよね。そこに、自分が関わっているんだったらやっぱり伝えて行きたいし。
 
藤原:うん。あのー、今度ドイツのフェスティバルを観に行こうと思ってるんですけど、それは正直、ヨーロッパの演劇が果たしてなんぼのもんじゃいという気持ちはあって。今、日本に紹介されている作品だけから判断すると、ヨーロッパの現代演劇はかなりコンセプト先行で、政治的なテーマをアクチュアルに取り上げるものが多い。でも例えば、唐さんの戯曲には要約できないナニモノかがあるじゃないですか。市井の人々の情念だったり。それは必ずしも合理主義的に捉えられるものじゃないわけですよね。
 
土屋:うん。私、すごいなと思うのが、体験したこともないのに、読んでると浮かんできちゃうんですよね。戦後の焼け野原とか、目の前に広がる夕焼け空全面にいるギンヤンマの絵とか、公衆トイレの臭い匂いとか。いつ自分が経験したのかもわからない情景が浮かんでくる。もしかしたら遺伝子レベルとか細胞レベルまで引き出してくれてる人なのかな・・ていう気がして。
 
気田:そこに、唐さんがこだわった劇団っていうのがあるのかなと思う。だって、好きな役者呼んでプロデュースでもなんでもやればいいのに、それを何故しなかったのかって考えたら、同じものをみることができる感覚を大事にしているからなんだと思う。同じものをみて、つくって行ける感覚。「まあわかるだろ?」っていう状態で向かって行ける。その状態でお客さんと向かい合える16人の劇団っていうのがあるのかなと思って。
 
藤原:確かに。状況劇場をやめたときに別の方向に舵をとる手もあったはずですよね。
 
気田:多分いろんな話があったと思うんですよ。でもそれを選ばなかった唐さんがいる。
 
 
ー 立ち呑み文化と演劇の親和性について ー

土屋:藤原さんは、なんで演劇観にいこうって思うんですか?
 
気田:あ、それ俺もききたいな。
 
藤原:なんででしょうね、それ意外と聞かれたことなかったですね。まだうまく言葉にしきれないけど、人間にとって大事なものを感じて、惹かれてるんだと思う。今年はもっとそこを探求したいと思ってるんですけど、例えばもしかしたら、ヨーロッパ的な伝統の演劇とは異なる、アジア的なものを発見したいという欲望もあるのかもしれないし。唐さんも早い段階で韓国とかミャンマーとか、アジアに出て行ってますよね。もちろんアジアとひとくちに言っても様々ですけど、合理主義とかではない土着の感覚とか、情念とかあるのかなと。それを言ったら、西洋が合理主義である、という前提も疑ってますけどね。ともあれ、唐さんたちが出て来る前の演劇は、やっぱり西洋からの輸入言語に頼りすぎてたと思うんですよ。
 
土屋:唐さんの戯曲はもっと翻訳されていいものだと思うんです。人類として持ってる記憶というか、そういうものを書いている人なんだろうなって思うんですよ。だから信用できるんじゃないかな。
 
藤原:うん、そうかもしれないですね。十代の頃に阿佐田哲也のギャンブル小説が好きで読んでたんですけど、彼が書いている戦後の上野の風景は、やっぱり唐十郎の『下谷万年町物語』と完全に近いものを感じるし。戦後の焼け野原から再出発しようとした市井の人々の生活とか情念とかがあったはず。でもそれがどんどん綺麗なものに上塗りされて、消えていってしまった。
 
土屋:そう、なくしちゃいけないものがあるってみんな思ってるのに、なんでなくなっていくんですかね。
 
藤原:それをもう一度見出せるかもしれない、というのがこの立ち呑み文化なんですよ。だからちょっと強引にも思えるけど、立ち呑みと演劇には親和性を感じるところがあって。
 
土屋:みんな孤独なんですよね。それを共有できるものを探してるっていうのがあるのかも。
 
 
ー 演劇は不滅だ!( 気田さん酩酊中 ) ー

 
気田:演劇はなくならない、絶対になくならないと思う。どんなに、なんか、蓮舫とかにいわれても。
 
藤原:それって「一番じゃなきゃいけないんですか?」みたいなことでしょ(笑)
 
一同:
 
気田:いい、俺、別に2番でもいいと思う、演劇は。でもなくならない。仕分けされない。
 
藤原:確かに演劇は強い。映画はリュミエール兄弟からはじまり100年ちょっとの歴史で、それも凄いけど、でも演劇は形を変えつつも、太古の昔から存在してきた。テクノロジーにかぎらず、身体があればなんとかなるから。ってことは、人間が身体を失ったときにはなくなるのかもしれないけど、もうそれは人類の終わりですよね。人類の歴史にも等しい。
 
気田:不滅だね、絶対に。
 
藤原:「演劇は不滅です」って言う、終わりの言葉が(笑)
 
土屋:酒の神様、睦の名言!
 
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藤原:唐組春公演、観に行きます。
 
気田・土屋:ありがとうございます!!!
 
 
 
 
店)またお待ちしてまーす。ありがとうございまーす。
 
 
 
 
そして三人は、仲良く平間駅へと帰っていったのでした。
 
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ー ここからはお店の情報です! ー

                                                 

 

今回お世話になったのは「立ち呑み 呑」
http://tabelog.com/kanagawa/A1405/A140504/1403898
 
お店前
 
年中無休
住所:神奈川県川崎市中原区田尻町24 電話:044-544-5441
アクセス:JR南武線 平間駅 平間駅から43m 営業時間:15:00~22:00
 
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今回いただいたお料理
 
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そして、藤原さんオススメメニューはこちら
 
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