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日ノ出町のマンションの一室で花椒のきいた“しびれ”ハイボールを

日ノ出町のマンションの一室で花椒のきいた“しびれ”ハイボールを

オンナヒトリ
Bar
で美しい
一杯を

横浜のバーへ繰り出し美しい一杯との出会いを綴る、オンナお一人様で行くバー連載♡  今回カメラ片手に向かった先は、横浜・日ノ出町。一見、飲食店が入っているとは思えない平戸桜木道路沿いに建つマンションの1階奥。「人づてじゃないと辿り着けない」と聞いていた店「シャノアール」へ。その日はたまたま関内駅近辺で打合せがあったので、てくてく歩いて吉田町を通り、長者橋を渡り、関内駅から徒歩15分ぐらいで目的の店に到着。

ここは、横浜の伝説の娼婦“ハマのメリーさん”と親交のあったシャンソン歌手・永登元次郎さんが開いた店。現在は、お父様が元次郎さんと交流があったという大西さんが跡を継いでいます。まずは入った瞬間、店内の広さにびっくり! ほの暗い空間にバーカウンター、ソファ、テーブルなどが置かれ、さらに奥には紫色のグランドピアノのあるライブステージが! 平日夜はバーとして、週末にはシャンソンに限らずミュージシャンによるライブパフォーマンスが繰り広げられているとのこと。確かに入り口の看板をよ〜く見ると「ライブハウス」の文字もあり、なるほどこの広さにも納得です。

ゆったり座れて居心地よさそうなソファ席。カップルで来ても、音楽好きの友人たちを連れて来ても楽しめること間違いなしです。

テーブル席もたくさん用意されています。

こちらがステージ。伺った日は金曜日だったので、週末に行われるバンドのセットが組まれていました。(写真の左側にピアノがちらりと写っていますが紫色のグランドピアノです。ピアノ単独でうまく撮影できなかったので悪しからず…)


大西さんがお店を再開することになってから新たに作ったというバーカウンターに座り、最初の一杯「ホワジャオハイボール」をいただきました。「ホワジャオ」とは「花椒」のこと。スモーキーなスコッチウイスキー、タリスカーを使った贅沢ハイボールに、ピリリと痺れるような辛さと華やかな香りがあるホワジャオを加えた一杯。爽やかな飲み口でこれからやってくる暑い夏にもぴったりの味わいです。

スコッチウイスキー独特の少しクセのあるピートの香りと、飲んだ後の口に残るホワジャオのかすかな痺れ感を同時に楽しみながら、バーテンダー大西さんに変わりゆく横浜の街並みについてお聞きしました。日ノ出町や黄金町、野毛界隈にあった昭和の風情が少しずつ変わってきているような気がして少し寂しく感じていたのですが「僕は、横浜生まれ・横浜育ちですが、古い横浜も新しい横浜もそれぞれが共存しているこの町が好きなんです。特にここ日ノ出町は新旧横浜が共存する、とてもニュートラルな町だと思っています。確かにお客様の中には『この辺りも変わっちゃったよ…』と嘆く方もいらっしゃいますが、僕はそんなに悲観的にとらえていないんです。時代とともに人だけでなく、町や景色が変化していくのは当然のことですし。もともと港町として、海の向こうから新しい文化が入ってきた『横浜』ですから、それをいい意味で受け入れながら暮らしていきたいですね。」と大西さん。

店のカウンターには大西さんが自分の足で歩いて探しまわっているという、こだわりのヴィンテージウイスキーが顔を並べているのですが、その脇には普通のウイスキーもそろっていて、その大西さんの考えはウイスキーにも似てるな、なんてお話を聞きながら思ったりして。70年代前半のウイスキーも堪能したいし、今私が飲んでいるホワジャオハイボールのような新感覚のウイスキーも楽しみたい。せっかくこの場にいるんだから、両方を楽しめばいい! といったところかしら。。。

ということで、2杯目に突入! 「正式な製造年はわからないのですが、ボトルの状態から判断するとおそらく70年代後半のもの」というヴィンテージウイスキー「レアード・ローガン」を、ハーフショットの“トワイスアップソーダ”というスタイルでいただくことに。トワイスアップとは、氷は入れずに、ほんの少しだけの常温の水(今回はソーダ)を入れたウイスキーの飲み方のことで、度数を落として飲みやすくしつつも、ウイスキーそのものの香りを楽しむことができるのが特長なんだそう。

中央に鎮座するのがそのヴィンテージウイスキー「レアード・ローガン」。


ほぼストレートに近い一杯なので「おいしいけれど強い!」。大西さん曰く「ヴィンテージウイスキーというのは数に限りもあるので、時の経過を感じつつ、ボトルの表情なんかを眺めながら少しずつちびちび飲むのが最高です」とのこと。とっても粋な大人な飲み方だな〜。

「広々とした空間で、しかもこの暗さなので、カウンター席を利用してお一人でいらっしゃる女性のお客様もけっこう多いんです」と大西さん。確かに、初めての人でも、女性一人でも、周りを気にせず心地よく過ごせるのが「シャノアール」の魅力ともいえそうです。接客について心がけていることをお聞きすると「自分の中であえて極端にお客様との距離を近くしようと意識しているわけではないですが、この店を選び、足を運んでいただいたお客様のお話はちゃんと聞いてさしあげたいな、と。自分が尊敬しているバーテンダーの先輩の影響もあるのですが『営業的ではなく、お話をするからにはきちんとその方と向き合いたい』と思っています」。

カウンター後ろの壁に掛けられた「シャノアール(黒猫)」に見守られながら、おいしいウイスキーと心地よい音楽が寄り添う密かな空間で大西さんとの会話を楽しむ。席を立って店を出るとき、この絵の前で「また来たい」本心からそう思いました。

お店の外でも「シャノアール」がお見送り♡ 大西さん、おいしいお酒と素敵なお話…そして楽しい時間をありがとうございました! & ご馳走さまでした!!

お店を出て、大岡川を歩いていたら長者橋がライトアップされていたので記念に。ほろ酔いなのでまだまだ冷たい夜風に当たりながら、新旧入り混じる「横浜」を眺めながら桜木町駅まで歩きました。あ〜いい夜! シアワセな夜でした!!

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