
相模川自然の村公園内に移築・復元された「旧青柳寺庫裡(きゅうせいりゅうじくり)」が、古民家園として公開されています。
古民家園の入口は、古民家と雰囲気を合わせて建てられた長屋門。ここをくぐると、江戸時代にタイムスリップした気分です。
旧青柳寺庫裡は江戸時代中期(18世紀初期)に建てられたと推定されます。土間の妻側にも入り口を設けた「妻入り」の形式となっているなど、庫裡(寺院の台所、または住職や家族の居室)独自の要素を保っています。
近世の上層民家と共通する間取りや構造を基本としながら、庫裡独自の特徴を示す貴重な建物として、神奈川県指定重要文化財に指定されています。
床の間には、市内で活動する相模原華道協会の協力により四季折々の花が飾られており、凛とした佇まいが素敵です。
土間と広間には天井がなく、曲がりくねった梁を縦横にかけ渡した梁組を見ることができます。
前回の復元整備から約20年が経過し、茅葺屋根の傷みが大きくなったことから、2018年9月から屋根の全面葺き替えに着手。土間や軒下の補修、建具の修繕なども行いました。
装い新たに公開されたのは、2019年3月。美しく刈り込まれた屋根を間近に見ることができます。
古民家園は「相模川自然の村」の一角。周りには、子どもでも安心して水遊びができる四季の小川や日だまり池が整備されているほか、春にはお花見、夏にはキャンプなども楽しめます。