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シュルレアリスムの100年。絵画の実験から束芋の映像まで
美術・写真
2019.12.14

シュルレアリスムの100年。絵画の実験から束芋の映像まで

POLA MUSEUM OF ART 開催期間:2019.12.15〜2020.04.05
0日後に終了

「シュルレアリスムと絵画 ーダリ、エルンストと日本の「シュール」」

 

「シュルレアリスム」は、20世紀の芸術に最も大きな影響をおよぼした芸術運動のひとつで、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが中心となって推し進めたものです。彼らは理性を中心とする近代的な考え方を批判し、理性の支配の及ばない無意識の世界に「超現実」という新たなリアリティを追い求めました。やがてシュルレアリスムは詩や思想だけではなく絵画の分野にも拡大します。ドイツ出身の画家マックス・エルンストは、コラージュやフロッタージュなど実験的な手法を用い、思いがけなイメージを生じさせる作品を生み出していきました。またスペインからこの運動に加わったサルバドール・ダリは「偏執狂的=批判的」方法という独自の理論にもとづいて絵画を制作し、美術だけではなくファッション界をも巻き込む大きな流行を作り出していきます。

こうした動向は同時代の日本にも伝えられ、1930年代を通して「超現実主義」という訳語のもと、最新の前衛美術のスタイルとして一大旋風を巻き起こします。しかし、日本では「無意識の探求」という本来の目的を離れ、現実離れした奇抜で幻想的な芸術として受け入れられます。そして、しだいに東洋的な思想と混ざり合いながら独自の絵画表現や「シュール」という感覚が生まれるに至ります。

本展は、西洋におけるシュルレアリスムの運動からどのようにシュルレアリスム絵画が生まれたのか、さらに超現実主義から、いわゆる「シュール」と呼ばれる独自の表現への展開に焦点をあてる試みです。

 

《ココが見どころ!!》
1. シュルレアリスムの100年の歩み。フランスから日本へ。その歴史と変遷をたどる初めての展覧会。
2019年はシュルレアリスム誕生から100年という節目にあたります。フランスで誕生したシュルレアリスムは、理性を中心とした意識では捉えきれない新しい現実を表現することをめざして始まりました。シュルレアリスム独特の実験的な技法「オートマティスム(自動筆記)」や「コラージュ」が出現したのが1919年です。しかし、日本では現実の外にある幻想的な世界を表現するものとして受け入れられていき、「シュール」という独自の発展を遂げ、映画や漫画にも影響を与えました。この100年におけるシュルレアリスムの変遷と、フランスから日本、そしてアメリカ、アジアにいたるまでのシュルレアリスムの拡大を約100点の絵画、版画によってたどります。

2. デカルコマニー、フロッタージュなどシュルレアリスムから生まれた絵画の技法を紹介。
意識では捉えられない現実の世界を表現するために、画家たちはさまざまな探求をすすめました。主体的な判断や理性が及ばないものを捉えるために、偶然性や即興性を表現に取り入れます。デカルコマニー(転写)やフロッタージュ(こすり出し)、グラッタージュ(削り出し)等にみられるこれらの技法は、美術教育を受けていない人でも容易に取り組むことのできるものでした。難解な目的のために取られた、無意識という領域に迫るためのプリミティブともいえる絵画技法と、日本における絵画表現の変遷にみられるシュルレアリスムの受容のプロセスをひもときます。

3. 絵画だけでなく、映画や漫画にもみられる日本の「シュール」の世界も紹介。
日本のシュルレアリスム絵画は、日本の画家たちが西洋からもたらされた絵画を、独自の表現にまで昇華できた初めてのものといえるでしょう。明治期以降、日本の画家たちは西洋の絵画の水準に到達すべくその受容につとめてきました。しかし1930年頃から、西洋のシュルレアリスム絵画の亜流であることを避け、それを起点としながらも、西洋の画家とは一線を画す、独自の表現を追求する者たちが登場しました。
西洋絵画の手法を画家たちが充分に咀嚼していたことに加え、西洋の芸術の潮流が、リアルタイムで日本に流入していたという環境が、独自の表現の実現に影響したといえます。
本展では、日本の画家が初めて油彩により自由な表現を獲得した日本独自の「シュール」の世界と、それが源泉であると考えられる映像インスタレーションや、特撮映画、漫画など、現代における日本の芸術文化の発展に貢献したさまざまな表現をご紹介します。

 

シュルレアリスムの100年。絵画の実験から束芋の映像まで
古賀春江《白い貝殻》1932年(昭和7) ポーラ美術館蔵

 

シュルレアリスムと絵画
ーダリ、エルンストと日本の「シュール」
[日時]12月15日(日)~2020年4月5日(日)9:00〜17:00(最終入館は16:30)
※会期中無休。
※版画、写真作品をはじめ、入れ替えのある作品がございます。〈前期:12月15日(日)〜2020年2月5日(水)/後期:2020年2月6日(木)〜4月5日(日)〉
[会場]ポーラ美術館
[料金]大人¥1,800、シニア割引(65歳以上)¥1,600、大学・高校生¥1,300、中学生以下無料
[主催]公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
[問合せ]0460-84-2111

 

 

  • ポーラ美術館
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ポーラ美術館は「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、2002年に神奈川県箱根町に開館いたしました。ポーラ美術館のコレクションは、ポーラ創業家2代目の鈴木常司が40数年間にわたり収集したもので、西洋絵画、日本の洋画、日本画、版画、東洋陶磁、ガラス工芸、古今東西の化粧道具など総数1万点にのぼります。箱根の自然と景観に配慮した建物は、高さを地上8mにおさえ、建物の多くを地下に置き、森に溶け込むような形にしています。また、富士箱根伊豆国立公園内という豊かな自然をより楽しんでいただくため、2013年7月に遊歩道をグランドオープンしました。ブナ・ヒメシャラが群生する森で、美術作品とあわせて自然散策もお楽しみ頂けます。

 

モネ、ルノワールなど印象派を中心とした西洋絵画のコレクションは日本最大級。箱根という観光地にありながら、本格的な美術作品をゆったりと鑑賞していただけます。こだわりのひとつとして、展示室の照明は、印象派の作品が美しく鑑賞できるよう「7月のパリの夕暮れ」に設定しています。ほかにも、毎回の企画展テーマにあわせてオリジナルグッズやレストランのコースメニューを刷新するなど、展覧会や季節ごとに訪れても飽きずに楽しんでいただけます。光あふれる建築空間で、豊富なコレクションや、現代で第一線で活躍するアーティストの作品にふれるひとときをお過ごしください。

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