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美術・写真
2020.01.31

「澄川喜一 そりとむくり」戦後抽象彫刻のパイオニア、澄川喜一の大規模個展

横浜美術館 開催期間:2020.02.15〜2020.05.24
92日後に終了

「澄川喜一 そりとむくり」

 

(TOP画像)
《そりのあるかたち-1》1978年
欅 135×260×45cm
東京都現代美術館蔵
©Sumikawa Kiichi
撮影:村井修

 

横浜美術館で開催される企画展「澄川喜一 そりとむくり」は、戦後日本の抽象彫刻を牽引してきた澄川喜一(すみかわ・きいち/1931年生まれ)の、首都圏の公立美術館で開催される初の大規模個展です。最新作を含む約100点の作品・資料によって、60有余年におよぶ澄川の創作活動の全貌を、あらためて回顧します。

彫刻家をこころざして東京藝術大学に進学した澄川は、塑造(そぞう)を中心とする具象表現の基礎を徹底的に学びました。彫刻専攻科を修了後は藝大で教職につきながら数々の作品を発表、やがて、木や石などの自然素材に対する深い洞察をへて、日本固有の造形美と深く共鳴する抽象彫刻「そりのあるかたち」シリーズに展開します。このテーマは、今なお追究し続ける澄川のライフワークとなっています。

一方で、公共空間における造形の分野でも精力的に作品を発表していきます。東京湾アクアライン川崎人工島「風の塔」や東京スカイツリー®のデザイン監修など、都市の巨大構造物に関わる多彩な仕事でも注目されました。横浜市内においても野外彫刻や多くの公共造形物を手がけ、2013年には横浜文化賞を受賞、横浜市や郷里をはじめとして日本各地で文化貢献に尽くしてきました。

具象彫刻にはじまり、やがて先鋭な抽象彫刻に転じつつ、巨大な野外彫刻や建築分野との協働へと創作の領域をひろげる澄川喜一の決定版ともいえる展覧会です。

 


《木の群れ》1992年
チーク、槐、黒御影石 196×240×42cm
島根県立美術館蔵
©Sumikawa Kiichi

 

《展示構成》
1. 戦後日本の抽象彫刻のパイオニア、首都圏の公立美術館における初の大規模な回顧展
戦後の抽象彫刻のパイオニアとして、公共の大規模プロジェクトを含む多彩な創作を展開してきた澄川喜一。作家としての活動期間は優に60年を超え、今なお創作意欲はおとろえることを知りません。この展覧会は、澄川喜一の創造の原点、展開と到達点を明らかにする首都圏の公立美術館においては初の大規模な回顧展です。
木彫の巨匠・平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)や塑造の第一人者・菊池一雄から彫刻の基本を学び、具象的な造形を出発点としながら、やがて日本の伝統美に深く共鳴する幾何学的な抽象彫刻「そりのあるかたち」シリーズに転じていく、その理知的な展開を検証します。

《S君》1959年
ブロンズ 33×22×27cm
作家蔵(島根県立石見美術館寄託)
©Sumikawa Kiichi
撮影:村井修

 

2. 美の原点としての「そり」と「むくり」
澄川喜一は、思春期から青年期を過ごした山口県岩国市の名橋・錦帯橋(きんたいきょう)に魅了された若き日の体験を、自らの創作活動の起点として、しばしば語ります。戦禍をまぬがれた木造の橋の複雑な構造美と、反(そ)りと起(むく)りのシンプルなかたちは、澄川が感応する美の原点として、その胸裏に潜在することになります。東京藝術大学における具象表現の追究をふまえ、木という自然素材をみつめ、それに向き合う過程で、木のなかに「そり」と「むくり」という澄川にとっての本質的なかたち・美を見出していきました。今も取り組み続けるライフワーク「そりのあるかたち」シリーズに、澄川芸術の洗練されたシンプルな美が遺憾なく表現されています。
「そり」は下に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指し、「むくり」はその逆に上に向かってゆるやかに湾曲する線や面を指します。澄川は「頭の垂れた稲穂の優しい反りや、五重塔など古建築の優美な反りや、緊張感みなぎる日本刀の反り、さらに天空から裾野にかけて霊峰富士が見せる雄大な反り」など、日本の風景や伝統的な造形に見られる多様な「そり」と「むくり」を制作の根底に据えています。

《そりのあるかたち》2018年
杉 215×85×50cm
作家蔵 ©Sumikawa Kiichi
撮影:江崎義一

 

3. 公共空間における巨大な造形
澄川喜一は、1980年代以降、全国各地の野外彫刻を手がけます。環境や景観と切り離すことが出来ない野外彫刻の追究から、やがて建築分野などとの協働による公共空間における造形にも関心をひろげ、都市の巨大構造物に関わる仕事にも精力的に取り組みました。現在では、澄川の屋外彫刻・環境造形の仕事は、北は北海道から南は鹿児島県まで、全国28都道府県120点以上に及びます。ときに自然と対峙し、ときに周辺環境に寄り添い空間の可能性を拓く巨大な造形物も、近年の澄川の創作活動を特徴づけています。

手前:《TO THE SKY》2012年 御影石 東京スカイツリータウン® ©Sumikawa Kiichi/
奥:「東京スカイツリー®」2012年 *デザイン監修
撮影:内海敏晴

 

澄川喜一 そりとむくり
[日時]2月15日(土)〜5月24日(日)10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※5月の金・土曜は20:00まで(入館は19:30まで)
[会場]横浜美術館
[休館日]木曜日
[料金]一般(前売)¥1,300・(当日)¥1,500、大学・高校生(前売)¥700・(当日)¥900、中学生(前売)¥400・(当日)¥600、小学生以下無料
※前売券は2020年2月14日(金)まで販売。
※65歳以上の方の当日料金は¥1,400(要証明書、美術館券売所でのみ販売)。
※毎週土曜日は、高校生以下無料(生徒手帳、学生証をご提示ください)。
※障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1名)は無料。
※観覧当日に限り本展の観覧券で「横浜美術館コレクション展」も観覧可。
※その他の割引料金については別途お問い合わせください。
[問合せ]045-221-0300(横浜美術館)

 

関連イベントもチェック!!
記念対談 澄川喜一 × 深井隆
[日時]2月22日(土)14:00〜15:30(13:30開場)
[会場]横浜美術館 レクチャーホール
[講師]澄川喜一、深井隆(彫刻家、東京藝術大学名誉教授)
[定員]220名(事前申込不要、先着順)
[参加費]無料

 

記念鼎談 澄川喜一×内藤廣×逢坂恵理子
[日時]3月20日(金・祝)14:00〜15:30(13:30開場)
[会場]横浜美術館 レクチャーホール
[講師]澄川喜一、内藤廣(建築家)、逢坂恵理子(横浜美術館館長)
[定員]220名(事前申込不要、先着順)
[参加費]無料

 

澄川喜一によるギャラリートーク
[日時]5月2日(土)14:00〜15:00
[会場]横浜美術館 企画展展示室
[参加費]無料(事前申込不要、当日有効の観覧券が必要)

 

学芸員によるギャラリートーク
[日時]3月7日(土)、4月4日(土)、5月9日(土)14:00〜14:30
[会場]横浜美術館 企画展展示室
[参加費]無料(事前申込不要、当日有効の観覧券が必要)

 

ワークショップ「抽象彫刻の魅力『澄川喜一の世界』」
[日時]2月23日(日・祝)14:00〜16:00
[会場]横浜美術館 市民のアトリエ、企画展展示室
[講師]澄川喜一
[対象]12歳以上
[定員]20名(事前申込、抽選)
[参加費]¥2,500(本展観覧券付)
[申込方法]
申込フォーム
往復はがき
※応募者多数の場合は抽選となります。
[締切]2020年2月3日(月)必着

 

 

  • 地域
    横浜ベイエリア(中区・西区)

    横浜美術館は、1989年11月3日に開館しました。迫力のあるシンメトリーな外観と、吹き抜けの開放的なグランドギャラリーが特徴の当館は、7つの展示室のほか、11万冊を超える蔵書がある美術情報センター、多彩なワークショップを行うアトリエなども揃う、国内でも有数の規模を誇る美術館です。 国際的な港町、横浜にふさわしい美術館として、開港以降の近・現代美術を幅広く鑑賞していただけるほか、年間を通じて、約1万2千点の所蔵品からテーマごとに展示を行うコレクション展、多彩な企画展を開催しています。

     

    (写真左)撮影:笠木靖之
    (写真中央)撮影:笠木靖之
    (写真右)撮影:田中雄一郎

     

    • 住所
      神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
    • 電話
      045-221-0300
    • 営業時間
      10:00〜18:00(入館は17:30まで) 木曜および年末年始は閉館
    • URL

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