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かながわ短編演劇賞2020 グランプリ:モメラス『28時01分』
演劇・ダンス

かながわ短編演劇賞2020 グランプリ:モメラス『28時01分』

コンペティションに応募したきっかけは?

審査員の方々の顔ぶれが魅力的だったからです。是非この方々にモメラスの作品を見ていただきたいと強く感じました。
また、賞金の100万円とスタジオHIKARIの上演権がどうしても欲しかったからです。資金が底を尽きてしまい、このままでは本公演が打てなくなると困っているところだったので、大きなチャンスだと思いました。

受賞作「28時01分」は、どんな作品に仕上がりましたか

初演は2019年1月に行われたフェスティバル「これは演劇ではない」での上演でした。当時ちょうど妊娠中で、様々なストレスを抱えており、毎晩のように奇妙な夢を見ていたので、それをそのまま脚本に反映させました。初演は不条理な会話劇という側面が強かったのですが、今回は妊婦の抱える身体的・精神的負荷を、より感覚的で生々しい表現にできたと思います。

本番を迎えるまでの過程で変わっていった点、熟成された点、ご苦労、面白かったことなどがあれば、お聞かせください

初演に比べてKAATの空間はとても広かったので、パフォーマンスのサイズ感を全員で調整しました。言葉の速さ・声の大きさを数値で測定するなど、試せることは全部やりました。それに伴い、身体の使い方も研究したのですが、これがとても時間がかかりました。踊りながら台詞を吐いてみたり、言葉とは関係ない動きをしてみたり、かなり迷走して着地点を見失いそうになったこともありましたが、不思議と不安はありませんでした。
今振り返ってみると、演技の熟度を上げるには全て必要な作業だったのだと思います。実際、本番でのパフォーマンスは、今までにないクオリティーの高さでした。

今回は無観客での上演となりました。実際に舞台で上演してみた感想、手応えなどをお聞かせください

新型コロナウイルスの影響で、無観客公演に切り替わり、神奈川大学附属高校演劇部が辞退になるなど、残念な出来事もありましたが、LIVE配信という形で観客の皆さんに何とか作品を届けることができて、ほっとしています。
映像を通すと、生では見えにくい俳優の細やかな演技にも気付けるので、また違った楽しみ方ができました。

グランプリ受賞に際して、率直な感想をお聞かせください

受賞の際にもコメントさせていただいたのですが、どうしても欲しい賞でしたので、素直に、本当に嬉しく思います。審査員の方々にも「完成度が高い」と評していただき、感無量の思いです。ありがとうございました。

賞金の使い道は?

全員のギャラと、次回公演の資金になります。賞金をもらえなければ、活動休止せざるを得ない状況でした。次の作品のために、大事に使います。

今後の活動予定など自由にアピールしてください!

恐らく、次の本公演はスタジオHIKARIでの上演だと思いますが、まだ何も決まっていません。今回上演した『28時01分』のロングバージョンもいつか披露したいです。
やりたいことはたくさんあります。とりあえずは、一刻も早く情勢が落ち着き、安心して生活ができるように願っています。

*左から黒川武彦さん、上蓑佳代さん、井神沙恵さん、松村翔子さん

モメラス
劇作・演出担当の松村翔子、俳優の井神沙恵、黒川武彦、上蓑佳代による演劇ユニット。ばらばらな素材をコラージュし融合させ、夢と現実を行き来するような演出が特徴。メーテルリンク作『青い鳥』で「利賀演劇人コンクール2017」優秀演出家賞及び観客賞受賞。『こしらえる』が「第62回岸田國士戯曲賞」最終候補、『反復と循環に付随するぼんやりの冒険』が「第63回岸田國士戯曲賞」最終候補にノミネートされる。
https://momerathsinfo.tumblr.com/

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