
かながわ短編戯曲賞2020 大賞:大竹竜平『瞬きのカロリー』
コンペティションに応募したきっかけは?
たまたまTwitterでみかけました。
受賞作『瞬きのカロリー』執筆のきっかけは?
元々『瞬きのカロリー』というタイトルだけアイデアのメモ書きにあったのですが、コンペティションの存在を知って、貧困というテーマと繊細なタイトルが繋がりそうだと思い書き始めました。夜中に路上で菓子パンを食べる人と出くわすシーンや、「私」が歩いた道などは、実際の経験を元に書いています。
テーマ、伝えたかったこととは?
テーマは隣人の貧困を想像することです。
貧困は想像することだけでは解決されませんが、想像もしてこなかった人が、少しでも問題の解決に目を向けてもらえるように、と思い書きました。
大賞受賞に際して、率直な感想をお聞かせください
最終候補に挙がっていた戯曲は全て読みました。
審査会でも言及されましたが、他の候補作と比べて、自分の作品は戯曲の持つダイナミズムや想像力の飛躍が弱いので、受賞は無理だろうと思っていました。ただ、与えられた広いテーマ(SDGs)からいかに絞って30分で伝えるかという点では『瞬きのカロリー』にも分があるかな、と多少は期待していました。
結果的に受賞できたのは、他の候補作とテーマが被らなかったことや、選考をイメージした書き下ろし作品だったことなど、と分析していますが、その場の空気や偶然だとも思います。審査会が1日後だったり、無観客でなかったら別の作品が受賞していた気がします。
声が小さく地味な作品に、目を向けてくれた審査員の方々に感謝しています。
*左から松井周さん(司会)、矢内原美邦さん(審査員)、瀬戸山美咲さん(審査員)、大竹竜平さん、北川陽子さん(審査員)、市原佐都子さん(審査員)
賞金の使い道は?
審査会当日の朝にテレビが壊れたので、テレビを買い換えたいと思っています。
その他、今後の活動予定など自由にアピールしてください!
チーム夜営という団体で定期的に戯曲を書いているのですが、5月8〜10日に新作『ヤツデのころ』を上演します。ヤツデと呼ばれている手が8本ある架空のマイノリティとその同級生たちのお話です。
見過ごされた存在、見ないようにしている存在を舞台上で表現したもので、今回の受賞作とテーマが重なっている部分もあるかと思います。
チーム夜営 vol.7『ヤツデのころ』
[脚本]大竹竜平
[演出]チーム夜営
[出演]鶴田理紗(白昼夢)、高澤聡美、馬場太史(俳優座)、大宮二郎(コンプソンズ)
※新型コロナウィルス感染
詳細 http://team-yaei.com/next-stage/
大竹竜平
グラフィックデザイナー/劇作家。
武蔵野美術大学卒業後、グラフィックデザイナーとして活動中。チーム夜営では劇作家・宣伝美術として参加している。2017年、第5回せんだい短編戯曲賞で大賞受賞。2019年、美術手帳10月号掲載の漫画「TheSpacePotter」で原作を担当 (作画:寺本愛) 。
http://ryuhei-otake.com/
チーム夜営 http://team-yaei.com/
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