
指揮者とはそもそも何をする人?
常任指揮者・川瀬賢太郎さんに伺いました
指揮者という職業が誕生したのは、そんなに昔の事ではありません。昔は作曲家やコンサートマスターのようなオーケストラのリーダーが指揮者の役割りも兼ねていました。つまりモーツァルトもベートーヴェンも、自分で作曲して自分で指揮をしていたわけです。
指揮を専門に行う職業が誕生したのはせいぜい100年前くらいでしょうか?そんなに経っていないかもしれません。
そもそもオーケストラのメンバーは誰もが腕の立つ料理人で、一人ひとりが素晴らしい料理を作る事ができるのです。しかし料理人が多いと、今日の料理に統一感を出すために、味付けなどの方向性を決める人が必要になってきます。「もっと濃い味にしよう!」とか「もう少し胡椒を振ってみたらどうかな?」とか。ときには「頑張れ!」と鼓舞することも。
そう、指揮者は例えるなら料理長みたいなものかもしれません。腕の立つ料理人たちを信頼し、皆さまに素敵なコース料理を楽しんでいただくために方向性を決める人…なんじゃないかな、と思っています。
川瀬さん愛用の指揮棒を大公開!
指揮棒はざっと数えて50本ほどありました。しかし、50本全てを使い分けているわけでは決してなく、いつも使っているのはせいぜい3本です。なぜこんなに多くの指揮棒を所持しているのかというと、海外に行った時に日本では手に入らないものや、珍しいものを記念に買うからですね。家では指揮棒を花瓶に生けて飾ってますよ。今使っているもの(上の写真)は実は自分で作ったもので、気に入っています。
こだわりは棒が長すぎないこと、軽いこと、そして重心が写真のような位置にあることです。意外と自分に合った指揮棒を探すのは大変なのです。