
ヴァイオリンとはどんな楽器?
第2ヴァイオリン首席奏者・小宮直さんに伺いました
最も高価な楽器と言われるヴァイオリン。高い物は数億円の値がつきます。しかし重さは500gほど。グラムいくらになるのでしょう…。
表板には松、横と裏板には楓が使われています。膠でそれぞれを接着し、表面にはニスが塗られています。ヴァイオリンの弦は4本で、弓で擦ったり指ではじいて音を出します。弓にはフェルナンブコという硬くて強い木が用いられ、馬の尻尾の毛を張り松脂をつけて演奏します。松脂を塗らないと音は出ません!
ヴァイオリンの様に弦を弓で擦る楽器の歴史は古く、ヨーロッパだけでなくアジアやアフリカなど各地にありました。
今のヴァイオリンの形は16世紀半ば頃の北イタリアで考案されたと言われています。17世紀から18世紀にかけて、特にイタリアに多くの名匠が現れて(ストラディバリもその1人)、彼らが作ったヴァイオリンの多くは今も現役として使われています。音域を広げるために指板を長くしたり、音量を増すために駒を高くするなどの改良は施されていますが、バッハの時代に使われていたそのままの楽器を今も弾くことができることにはロマンを感じます。
モーツァルトやベートーヴェン、チャイコフスキーなど多くの作曲家が楽曲を残しています。自身も名ヴァイオリニストだったサラサーテが『チゴイネルワイゼン』を作曲したように、楽器の魅力を知り尽くした人の手による名曲も多く残されています。
小宮直さんの演奏をチラッとお届け!
*J.S.バッハ作曲 無伴奏ヴァイオリン パルティータより
5つの群で構成される弦楽器。それぞれの役割とは?
オーケストラのメンバーの半分以上を占める弦楽器は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの5つの群からなります。
一番高い音域を受け持つのが第1ヴァイオリン。バンドで言えばリードボーカル!美しい旋律をうっとりと奏でる姿は皆の憧れです!!
では同じ楽器でも第2ヴァイオリンは何をしているのか?
時には第1ヴァイオリンと一緒にメロディーを受け持ったり、対旋律でメロディーや和声を補強したり、リズムを刻んでオーケストラ全体を進めていく舵取りの役目も担っています。あちこちに目と気を配る職人集団です。
ヴィオラは第2ヴァイオリンと役割りを共にする事が多いのですが、中音域の甘く柔らかな音色は、メロディーを弾いても他にない魅力を発揮します。
そして低音の魅力のチェロとコントラバス。音楽を建物に喩えるなら土台や柱になるパート。ここがふらついては建物全体が崩れてしまいます。
これら5つのパートが力を合わせてオーケストラの骨格を形作っています。