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神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」。ミュージカル・音楽・演劇・映画など県内のアート情報を発信します。

Ryu Mihoの『Woman in Jazz♡』第5回 Minton House (JR石川町駅)

Ryu Mihoの『Woman in Jazz♡』第5回 Minton House (JR石川町駅)

『ドアを開けてみて。きっと癒される今がある』


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1975年創業。横浜中華街にほど近い、山下町の小径にひっそりとたたずむ老舗のジャズバー。エージングされたスピーカーから流れる豊かな響きをゆっくりと味わいながら、癒しのひとときを。



JazzyPopシンガーのRyu Mihoです。
ジャズに夢中のジャズ女子を増やす為、マグカルドットネットにて『Woman in Jazz♡』と題し、様々なジャズスポットへ訪れます。
『Woman in jazz♡』でしか聞けないこと、出来ないことを目指して、女性の皆さんが気軽にジャズハウス、ジャズ喫茶へ行けるよう、また行きたくなるよう努めさせて頂きます!
今回は横浜中華街にほど近い、山下町の小脇にひっそりとたたずむ老舗のジャズバー。
「Minton House」のマスター、おいどんへインタビューさせて頂きました。


Ryu :ドアを開けた瞬間、目に入って来たのはびっしりとラックに並べられたレコード。何枚くらいあるのでしょうか。


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おいどん:今は3500枚くらいあります。1975年オープンの時は200強から始まったのですが、その時代は自由にレコードも手に入りやすかったし、今みたいに無いといういことがあまりなくて、90年代になるとCDになると思うのですがその段階で3500枚くらい揃っていたと思います。

Ryu :レコードはおいどんがセレクトしてから買い集めていらっしゃるのでしょうか。

おいどん:大体そうなのですが、Jazzをやっていると揃えなくちゃいけない定番みたいなものがあるじゃないですか。そういうのを揃えていくというのもあったし、その当時その前のアルバムを揃えている人たちはブルーノートとかスタンダードとかプレスティッジとかリバーサイドだとかそういうものを揃えていたりするので、ヒップホップのようなものはその当時一切なかったので、75年になったら大体がクロスオーバーしたようなアルバムが出るようになって僕はECM系(ECMレコード)を揃えるようになったんですね。スタンダードなものを買い揃えるには時間も労力もお金もかかるのですがチック・コリアとかキース・ジャレットとかハービー・ハンコックとかまたフュージョン系を集めていました。その当時お店に来る人たちは10代、20代のフュージョン世代の人たちだったので、横浜にはJazzのお店が何軒もあって、若い人たちはJazzのお店をハシゴするような形で、コマーシャルも何もしなくても人が集まってくる良い時代でした。

Ryu:お客さんが集まり店内はどんな様子だったのでしょうか。


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おいどん:その当時サントリーの白札をテーブルにひとつ置いて氷と水を置けば、4、5人がテーブルを囲んで席が埋まる感じでした。その当時は作るのも楽でした。ボトルを置けば席が成り立つ。
人がどんなに来て忙しいと思っていても氷桶がテーブルに置かれなくても待っていられる、そういう感じでした75年当時は。

Ryu :お一人ずつが注文されるようになってきたのは最近なんですね。

おいどん:そうなんです。

Ryu :今そのころの時代のようにJazz喫茶で4、5人のグループで来られる事が少なくなっているのと、グループでJazzのお話をされる方が少なくなっているのではいかと思うのですが、どんなお話をされていることが多かったですか。


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おいどん:その当時はボトルを置いて談笑していましたが、極端に話が盛り上がっていると‘はしゃぎ過ぎ’というメモ書きを渡しておくんです。だからある程度お話はしているけど、私用の大声のお話は控えてもらうというかそういう形でした。
その当時の若い人たちはフュージョンにしても日本に話題のアーティストが来れば行くし、Swing Journalとか月刊誌の情報を共有したりそういうことはあったと思います。今は全体の雰囲気を求めて、音もその一部として求めていらっしゃる方が多いです。

Ryu :聴けなくなったレコードやスピーカー、もう自宅ではなかなか見られないものばかりで、やはり音、そして雰囲気を求めてくる方が多いのですね。

おいどん:そうですね。あとはその当時10代後半、20代前半の人たちの年齢が上がって50代〜70代の方々がいらっしゃいます。若い方もたまにいらっしゃいますよね。

Ryu:おいどんはとても若く見えるのですが、皆さんの成長も見られているということなのですね。

おいどん:この店を始めたのは27歳の時で、他の仕事を何も出来なくなって何をしようかなと思っていた時に、以前大学生協で扱う仕事をしていた時にその職場にいた人が月刊Jazzの編集部にもいて、じゃあJazzかぁと思ってJazzを始めました。Jazzじゃなくてもよくてロックでも良かったけれどロックは今という瞬間を写し取るようなアルバムが多いじゃないですか。だったらレコード揃えるだけでも大変だ。Jazzだと50年代、60年代も据えて揃えていけば今という部分と過去という部分を揃えていけば何とかなるそう思ってJazzにしました。

Ryu :そうだったのですね、Jazzを選ばれた理由も分かりました。また‘おいどん’と呼ばれるようになったのはどうしてでしょうか。

おいどん:口下手だし、俯いてしまう性格でちょうど良かったと言えば良かったです。顔を上げて注文を受けて、お帰りになる時にどうもと言えれば成り立つ商売なので。今は話せるようになりましたけど。嘗てはカウンターの中に入れば話しかけられることも無かったですし。
おいどんと呼ばれるようになったのは、マスターと言われるのが嫌だったんです。その当時松本零士の「男おいどん」という漫画があって背が小さくてチューリップ帽子みたいなのを被って顔を隠してて、近くのラーメン屋さんの娘さんがいて、その子が小学生の時に付けてくれたんですけど、
そのおいどんというキャラクターはラーメンライスが好きで四畳半に住んでるっていうキャラクターで、正しくラーメンライスを食べに行ってたりしていたので、おいどんになりました。


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Ryu:皆さんからもおいどんって呼ばれるんですね。
マスターに癒されるという方も多いというお声を沢山聞いていて、実際においどんにお会いしてホッとして笑 ジャズ喫茶は静かにしていなくちゃというイメージを未だに私も持っているのですが、おいどんがこれだけお優しいと安心します。

おいどん:それは良かったです。一つのアルバムに自分の言葉で語っていらっしゃる方がいると凄いなと思いますが、テクニックがあるとか無いとかはわからないのですが、ピアノとかすごいんだなぁとかは思いますが、普通の人と変わらずにいます。
まぁ毎日聴いてるというだけです。

Ryu:それが一番大きいですよね。どんな風に選曲されていますか

おいどん:あまり考えないで、ピアノのソロがあったら、ピアノトリオ、テナーを入れたりトランペットを入れたり、楽器をちょっとずつずらしながらそんな風に選ぶというくらいです。

Ryu:なるほど。いきなり変わってしまうのはお店の雰囲気を壊してしまうからでしょうか。

おいどん:だけど変化は失うものもありますけど、新しく得るものもあるんじゃないかと思う気持ちもあるので。


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Ryu:Woman in Jazzというこのテーマ。女性が一人でもぱっと入れるようにご紹介もしたくて、女性お一人でも来られる方いらっしゃいますか。

おいどん:今は寒いからドアは閉まっていますが、ドアが開いている時は皆さんチラッと店内を見てくれています。ここのドア、とても重いんです。入る勇気を持って重いドアを開けて自分が居心地が良いと思うまで時間がかかると思うんですね。入ったら安心できるんですけど、そこまでの勇気がいると思うんです。だからドアを少し開けて貰えば、皆さんの視線もあったりするのですが、入れば音が守ってくれるので居心地は良いと思うんです。軽い感じのお店では無いんですよということは伝えたいです。

Ryu:そういう事も意図されて作られているんですね。

おいどん:外から見えない場所がとても大切なんだろうなと今は思ってますけどね。四角くてガラスの張りのお店は中から外も見れるけど見て欲しくないようなプライベートな部分を人は持っているからこの見えない席、テーブル席も10代20代の記念というかその人にとって大切な時間だったと思うので、別れであってもなくても重要な部分だったと思うので、残しておこうと思っています。

Ryu:大人になってまた同じ席に座ったら気持ちも変わっているかも知れませんが色んな思い出も甦りますよね。

おいどん:そうですね、実はそのプライベート空間はレンガなのですが、本とかごちゃごちゃしていますが、75年変わっていないんです。ベニヤ版を1枚から切り取って椅子を作っているのですが、それでも変わっていない。寄せ集めて思い込みでやって、開店の前日にSwing Journalのグラビアを勝手に切り取って木炭でデッサンしたり。開店当時から何ひとつ変わってないんです。


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Ryu:そうなのですね!かっこいいです。変わらないお店であり、タイムスリップをしたような気持ちにもなり、歴史を刻んで来られたお店。素晴らしいです。

Ryu :お店のおすすめは何ですか。

おいどん:今はジョニーウォーカーのダブルブラックとフォアローゼズとI.W.ハーパーがボトルキープが安くなってます。

Ryu:また今の時期、Jazzに合うお勧めの飲みものはありますか。

おいどん:寒いので、ホットワインですね。唯一力を入れて作っています。
カフェだとチャイの方が出ていてマグカップでなみなみと注ぎます。甘くするのはご自身でやって頂くので葉っぱにシナモンを入れて牛乳で沸騰させてたっぷりとお出しする、チャイの方が人気です。

Ryu:おいどんにとってこのお店はどんな存在ですか。

おいどん:あなたがここに来るのは例えば1年に1回か、1週間に1回かとするじゃないですか。
僕はここに毎日いるんです。だったら僕が心地が良くなければ僕が先ず逃げ出す。だから僕にとってここは居心地が良い場所。それは唯一の僕が守っていること。僕はお客さんが第一じゃなくて僕が第一にしてるってことでしょうか。じゃなきゃ続かないでしょうし。

Ryu:そうですよね。 おいどんのJazzとは

おいどん:生活すべてなんでしょうか。


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Ryu:最後に女性読者へメッセージをお願いします。

おいどん:女性は自分でどこへ行きたいとか含めて自分で行動していらっしゃる、男性は何も出来ないけれど女性は自分のバイタリティーを持って自由奔放に伸びやかに動き回っていらっしゃるからそれは男性から見れば羨ましいと思います。守るべきものというものが殆どないんじゃないかなっていう行動パターン。それを自由に吹き出して欲しいなという感じです。欲しいなと言っても吹き出していますもんね。やりたいことは今やるのが一番なので、ここを見つけるのに時間かかったということはなくてここに座った瞬間はそれは良いことだからそこから出発すればいいので、遅い事もないし早い事もないし今、生きているということが幸せなことだと思います。幸せは今ここに。
今が一番幸せ。幸せは過去にも未来にも無い。Jazzの演奏、Jazzのボーカル、頑張って下さいね

Ryu:ありがとうございます!私も励まされちゃいました。

いかがでしたか。第5回『Woman in Jazz♡』
今回は横浜中華街にほど近い、山下町の小径にひっそりとたたずむ老舗のジャズバーMinton Houseさんへお邪魔しました。重いドアを開けたらタイムスリップをしながらも音と雰囲気に癒されます。そしておいどんとお話すればもっとリラックスできるのではないでしょうか。

関連するURL
http://jazz-kissa.jp/yokohama-mintonhouse-photo-collection

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