舞台芸術専用劇場「KAAT」ってどんなところ?(2/2)

アートな空間に潜入!
YOKOHAMA ART SPOT FILE
舞台芸術を愛する人たちが通う場所
KAAT
神奈川芸術劇場
今回は、KAATのホール内部の潜入レポートをお届けします。前回ご紹介した、間接照明のある落ち着いた空間ホワイエからすぐ。扉を開けるとKAAT神奈川芸術劇場のメイン会場「ホール」が広がります。


至近距離最大25m、1,200席の「メインホール」は、会場に入った瞬間、赤×黒のシートが並んだなんともドラマティックな空間。私もダンス公演など、プライベートで何度か利用させていただいていますが、毎回この空間に足を踏み入れた瞬間からこれから始まる舞台への期待が高まります! そしてこのホールの特長といえば、なんとこのレッドシート、公演内容によって客席床を昇降させ、客席形状が変化するんです!
まずは、基本の客席がこちら。1F、2F、3F席とはっきり分かれていますよね。
撮影:本多康司
それがダンス公演などでは、ダンサーの足もとがよりよく見えるよう急勾配に変身しちゃいます!
撮影:本多康司
あれ? 2F席がなくなってる! そうです、傾斜をつけることで1F席と2F席をつなげてしまうのです。この変化に今まで気がつかなかった利用者も多いのではないでしょうか?
さらに! 1F前方の椅子を取り外して舞台スペースを広げた平土間パターン。
撮影:本多康司
花道を設置した舞台も。
撮影:本多康司
次回、KAATを利用する際は、どんな席が用意されているのかぜひチェックしてみてください。公演内容に合わせ、よりよくお客様が楽しめる工夫が施されています。
それからホール内には、車椅子を利用されるお客様のためのスペースも用意されています。

私たちが潜入させていただいた当日は、舞台上で大道具や機材を吊ったりするブリッジの保守点検中でした。普段見ることのない“ステージの裏側”を覗くことができてラッキー!
さらに、私たちが座るレッドシートも、一脚一脚丁寧にコンディションをチェックされているんです。
細やかな点検、ありがとうございます!!
さて、そろそろホールから出て、もうひとつのお楽しみの場所を覗いてみましょう。公演前、公演の幕間に利用できる「ホール ビュッフェ」です。
撮影:本多康司
幕間にここで公演の感想を語り合いながらお酒を飲んだり、軽食をつまんだりするのが楽しいんですよね。
ビュッフェでドリンクなどを買った人たちが休憩するビュッフェカウンターも。ゆったり余韻に浸るのにおすすめの空間です。
最後にそのほかのスペースもご紹介しましょう。こちらはメインホールに出演する演者の方たちが利用する楽屋。ここで衣裳替えやメイクなど支度をしているんですね!
座席数220席の小劇場として、演劇やダンス公演、さらにリハーサルスペースとしても利用されている「大スタジオ」。
こちらは「中スタジオ・小スタジオ(A)」。
屋上庭園に面した「アトリエ(小スタジオB)」は、演劇、ダンスなどのための稽古場として使われているそうです。
託児室。KAAT神奈川芸術劇場では、特定の公演の際に託児サービスも設けています。
今回の潜入取材では、偶然ではありましたが、舞台上のブリッジやシートの整備など、丁寧な保守点検の様子なども見ることができました。最高の舞台を創りあげるために、こうやって安全を守ってくれている人たちがいるのですね。みなさんも、赤×黒のドラマティックな空間で、心に残る舞台芸術体験をぜひ!