駅から徒歩1分! 世界の水辺を旅するエンターテインメント
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行って、みて、感じるアートの世界
File.29 カワスイ 川崎水族館
井上みゆき(マグカル編集部)
水辺が恋しい季節だ。
水泳が得意なわけではないが、水中を気持ちよさそうに泳ぐ魚たちの姿を眺めているとなんとなく心が落ち着く。
そんな思いを同じくする皆さんをぜひご案内したい水族館がオープンした。場所はJR川崎駅から徒歩1分の商業施設「川崎ルフロン」の中。まずはチケットカウンターのある10階へGO!
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昼と夜の部があり、夜の部は10時まで営業しているので(最終入館は1時間前)仕事帰りにも気軽に立ち寄ることができる。エントランス横のカフェではオリジナルソフトクリームやポップコーン、川崎のクラフトビールなどを販売。館内は飲食OKなので、ビール片手に水辺の散歩を楽しむのも楽しそうだ。
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エントランスから続く“プロローグ”には、チョークアートでモノトーンの熱帯雨林が描かれている。ふと見ると、木々の間からトラが現れ、色鮮やかな鳥が飛び立つので、思わず「うわ〜!」と声をあげてしまった。最先端の照明、音響、映像技術を駆使した演出が魅力的!
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6つのゾーンからなる展示の1つめは「多摩川ゾーン」。そう、地元・川崎を流れている親しい川の生物がテーマなのだ。
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まず目に入ってくる3つの水槽には、上流〜中流〜下流の生物が展示されている。つまり現在の多摩川の生態系をリアルに再現したもの。
一時は水質汚染が深刻だった多摩川だが、近年はアユも遡上するようになったとか。その一方で、いつの間にか棲み着いてしまった外来種も泳いでいるので、人間の生活が川の生態系に与える影響について考えさせられた。
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背面に流れる映像は、実際にドローンを飛ばして撮影した多摩川の風景。緑深い水源地から沢を下り、ビルが建ち並ぶ河口付近まで。多摩川の流れは“旅”なんだなぁ、と感動してしまう。
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続く「オセアニア・アジアゾーン」には、世界最大級のメコンオオナマズなどの淡水魚だけでなく、ミツヅノコノハガエルやフクロモモンガなども展示。
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アフリカは世界最古の大地といわれるだけあって、生き物たちもなんだか個性的。逆さに泳ぐ魚、水がなくても生きていける魚など、生命の不思議を実感する。
ちなみに、展示には説明パネルの代わりにQRコードが設置されている。これをスマホやタブレット端末で読み込むと、展示された生きものの名前や特徴が表示される。
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世界最大の熱帯雨林を育むアマゾン川を擁する南アメリカで注目したいのは、「生物種の宝庫」と呼ばれ、世界遺産に登録された「パンタナルエリア」だ。水槽の背景にはアマゾン川流域で撮影した映像が流れているほか、照明や音響は朝、昼、夕、夜の時間帯によって変化するそうで、とても幻想的。
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40トンの水量をたたえた巨大な水槽は、ネオンテトラなど水中できらめく生き物たち約8,000匹を展示している。コの字型をしているので、真ん中に立つと水の中にいるような気分。
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次のゾーンに進む前に「こもれびカフェ」で一休み。カラフルなオリジナルスイーツや、アマゾンの魚を使った「ピラルクココナッツカレー」など、フォトジェニックなメニューが揃っている。
隣りには「キッズルーム」も完備。
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続いて、200度のダイナミックな広角スクリーンが広がるパノラマスクリーンゾーンへ。そこでは、アマゾン川に棲むカワイルカやマナティが気持ちよさそうに泳いでいた。
デジタル映像ではあるが、スクリーンに近づくとカワイルカが寄ってきて、手を振ったりくるくる回転したりしてくれるではないか! 先端技術、すごい! どんな動きに反応するのかは、イルカの調教師になったつもりで実際に試してみて。
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お次は「レンソイスエリア」。ブラジルに実在する広大な砂丘のことで、雨季の間だけ無数のエメラルドグリーンの湖が現れるのだとか。不思議なのは、湖が出現すると魚も現れるということ。彼らは乾季の間をどのように過ごしているのだろう…? 白い砂に映える美しい魚たちを眺めながら、神秘の世界に思いを馳せてみた。
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水族館の裏側を垣間見られる「アグア・ラボ」は、カワスイならではの企画。飼育備品や予備水槽、アマゾンゾーン用の雨霧ウォーターサーバー、アマゾン雨霧ユニット、ろ過循環ポンプなどの機器が並んでいて、興味をそそられる。今後はバックヤードツアーも予定されているそうなので、お楽しみに。
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「アマゾンゾーン」は、9-10階の吹き抜けを生かした開放感のある空間。木々の茂みの中には生きものたちの水飲み場がつくられ、カピバラが水槽で水浴びする姿も見られる。ジャングルの生きものたちは現在のところ環境に慣れるための準備中だが、展示が始まった暁には、ジャングルに羽ばたく鳥たちの姿も見られそう。カピバラへのえさやり体験などのイベントも予定されている。
*イベント等の開催時期については公式HPをご覧ください。
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5つある水槽には、世界最大の淡水魚ピラルクやピラニアたちが悠々と泳いでいる。
熱帯雨林に降り注ぐスコールや植物を包み込む霧も再現されるそうなので、全身でアマゾンを“体感”したい。
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アマゾンゾーンに限らず、水槽の横にはタッチスクリーンが設置されている。これは、水中カメラ映像をAIがリアルタイムで解析し、水槽内の生きものの種名と解説を自動表示する「LINNÉ LENS Screen(リンネレンズ スクリーン)」(開発・提供:Linne株式会社) という展示システムで、カワスイが世界で初めて導入した最先端技術。
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現在はコロナ対策のためタッチ機能は使用できないが、水槽で泳いでいる生きものの情報をリアルタイムで確認できるなんて、すごく画期的!
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最後のお楽しみは「カワスイ オフィシャルショップ」。
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ユニークなオリジナル商品をはじめ、カワスイならではのこだわりのグッズがてんこ盛り。水族館に入館しない方でも利用できるので、新たな神奈川土産を探しに訪れてみるのも楽しそう。
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カワスイでは「混雑ランプ」(開発・提供:株式会社ロコガイド)サービスを導入し、水族館の混雑状況を「空き」「やや混み」「混み」の三段階で公式ホームページ、カワスイアプリ、「川崎ルフロン」1階LEDスクリーンにリアルタイムで配信。その他にも、新型コロナウイルス感染予防対策を講じます。詳細はカワスイ公式ホームページを参照ください。
*カワスイ公式HP上の「混雑ランプ」表示イメージ