行って、みて、感じるアートの世界
File.4 横浜みなとみらいホール 横浜銀行Presents こども未来ミュージック・プログラム「こどもオルガン・1ドルコンサート」
(井上みゆき/コピーライター)
「オルガン・1ドルコンサート」といえば、横浜みなとみらいホールの人気企画の1つ。文字通り1ドル(または100円)で憧れの大ホールで本格的なオルガン・コンサートが聴けるとあって、毎回、開場前から長い行列ができている。
年8回開催される中で、8月は0歳のちびっこでも入場できる、横浜銀行Presentsこども未来ミュージック・プログラム「こどもオルガン・1ドルコンサート」が行われた。プログラムが「こども向け」というわけではなく大人でも十分楽しめる内容であることと、入場に年齢制限がないことを確認して、出かけてみた。
訪れたのは0歳から入場できる回だったので、エントランスにはベビーカーを押すママたちがずらり。こんなに幼い時から本物の音楽に触れられるとは、なんて幸せな赤ちゃんたち! きっと感性豊かな大人に育ってくれるに違いない。
ちなみに、こどもコンサートではロビーに「ベビーカー駐輪エリア」が用意されているので安心。
入場料は大人も子どもも一律100円。
「1ドルコンサート」なので1ドル紙幣や硬貨での支払いもOKだが、suicaなどICカードでも支払いができる。
©平舘平
いよいよ大ホールへ入場。
開場前から長蛇の列だったのでちょっと心配したけれど、2020席を擁する大ホールはびくともしない。好きな席をゲットするためには早めに並ぶに越したことはないが、開演5分前に到着すれば、ほぼ問題なさそうだ。
ホールの方に伺ったところ、パイプオルガンのコンサートの場合、響きの良さを重視するなら3階席がおすすめだとか。オルガンと同じ高さで楽しみたいなら2階席、間近に見たいならステージサイドの席と、その日の気分に合わせて選ぶのも楽しそう。
©平舘平
大ホールに設置されているオルガンは、アメリカのC.B.フィスク社製。輝くような明るい音色にふさわしく“光”を意味する“ルーシー”という愛称が付けられている。ホール自体、オルガンを響かせることに配慮して建築設計されたため、全体が1つの楽器として共鳴し、客席ではあたかもオルガンの音色に包まれているように感じられるとか。(ホールHPより)
©平舘平
これは、ホンジュラス・マホガニー製のケースに施されたカモメの彫刻。横浜らしいエスプリ溢れるデザインが素敵。中央に並ぶパイプの下、譜面台の上あたりなので、注意して見てみて。
開演まで時間があったので、ドリンクコーナーでのどを潤す。夜のコンサートと違い、ホワイエには明るい日差しがあふれているので、程よく冷えた白ワインが似合う。
ちなみに、ワインはおつまみが付いて1杯400円。これも至福。
そしていよいよコンサートが開演。
学校で習った覚えのあるJ.S.バッハをはじめ、一度は聴いたことのある曲が並んでいるので、安心して楽しめる。
サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「水族館」は、パイプオルガンに組み込まれた「チェレスタ」の鉄琴のような神秘的な音が印象的。「白鳥」では、オルガンらしい素朴な音色に心が癒される…。
そして約40分間のコンサートの最後をしめくくるのは、エルガー『威風堂々』より。多彩な音色を持つパイプオルガンは“1人オーケストラ”と称されることもあるそうだが、その呼称にふさわしい壮大な演奏に「午後も頑張るぞ!」と元気が出てきた。
この日は「こどもオルガン1ドルプラス」として「動物サブレ」のおみやげ販売があった。2日後に開催される「野毛山動物園の謝肉祭」とのコラボ企画らしく、ペンギン、キリン、ライオンのサブレをセットで販売。“今だけ”の特別感に弱いので、当然買って帰る。これもまた、楽しみの1つなのさ♪
横浜みなとみらいホール
《オルガン・1ドルコンサート》
■10月10日(水) 12:10開演 バリント・カロシ
*夜1ドルあり! 19:00開演
■11月28日(水) 12:10開演 原田靖子
2019年
■1月23日(水) 12:10開演 志賀菜穂美
■2月27日(水) 12:10開演 エリック・スーター
■3月20日(水) 12:10開演 川越聡子
《0歳からのオルガン・コンサート》
■9月5日(水) 11:00開演/14:00開演