【アートと旅する02】夏詣2025 芸術的な御朱印との出会い

「夏詣(なつもうで)」とは、7月1日以降に神社仏閣にお参りする新しい日本の風習。1月に初詣でお参りしてから半年の無事を感謝して、これから半年の平穏を願います。最近はこの時期だけの特別な御朱印を頒布する神社仏閣も増えていると知り、神奈川県内を旅してきました。
【秦野市】出雲大社相模分祠

“関東のいずもさん”こと「出雲大社相模分祠(いずもたいしゃさがみぶんし)」は、1888年に島根県出雲大社より御分霊を賜った出雲大社教の分祠です。社殿は大社造りと権現造りを組み合わせた独自の木造社殿様式で、翼幣殿と呼ばれる長い幣殿も特徴です。参拝方法は出雲大社と同じ、二礼・四拍手・一礼。だいこく様の愛称で親しまれている大国主大神や事代主大神をお祀り しています。

参拝を終えて、今回いただいた御朱印はこちら。
手書きの限定御朱印「夏詣」(初穂料500円)は、夏詣の文字とホオズキをかたどった印が押されたオリジナル。細工が見事な「切絵御朱印」(初穂料1,000円)は、参拝日が書き入れになっています。この他、境内に建つ御嶽神社・八坂神社の御朱印も受けることができました(初穂料は各300円、三社セット1,000円もあり)。
8月7日には社殿の大しめ縄の掛け替えが行われ、島根から運ばれた総重量約120kgの新しいしめ縄になりました。令和8年正月には、古いしめ縄をお焚き上げして土に返す前に参拝者に手で触れてご利益を分かつ特別展示も予定されています。
出雲大社相模分祠
住所:秦野市平沢1221
電話番号:0463-81-1122
公式サイト:こちら
※限定御朱印「夏詣」は8月31日で終了
【藤沢市】江島神社

江の島にある「江島神社」は日本三大弁財天を奉る、格式の高い神社です。田寸津比賣命を祀る 「辺津宮」、 市寸島比賣命を祀る「中津宮」、多紀理比賣命を祀る「奥津宮」の三社詣でで、島をぐるりと一周。海風を感じるスポットも多く、国内外を問わず多くの参拝者が訪れます。

御朱印は全部で10種類、今回はこの2枚にしました。
「江島神社三宮総称御印」(初穂料300円)には、訪問が弁財天奉祀のご縁日「巳の日」だったことから、巳の日参りの朱印を押していただけました。八方除・萬福招来を祈願する「奥津宮天井画 八方睨みの亀御印」(初穂料300円)は、奉書紙での受け取りになります。いずれも墨文字と朱印のコントラストが美しいですね。
江島神社
住所:藤沢市江の島2丁目3番8号
電話番号:0466-22-4020
公式サイト:こちら
【横浜市中区】本牧神社

毎年8月上旬に県指定無形民俗文化財の神事「お馬流し」が執り行われる、「本牧神社」。厄霊(神)をはらう(放流する)行事で、永禄9年の創始から数えてこの夏460回の節目を迎えました。茅を編んで作られる「お馬」は、首から上が馬で体は亀という外見で頭部の羽や長い尾を含めると、50cmから1mほどの大きさ。6体のお馬にあらゆる災厄を託して、本牧の沖合へ運んで海上へ流し去ります。

8月の御朱印はいずれもお馬流し、直書きの御朱印の上に祭礼船などが描かれたオリジナルの薄紙が貼られます。お馬様と古い様式の木造祭礼船が描かれた見開きの「お馬流し」保存協賛記念御朱印 は1口1,000円以上のご協賛に限り授与される特別なもので、初穂料はお馬流しの保存協賛金に充てられます。地域の大切な精神文化を後世に向けて保存する重要性から、9月以降も続けて授与されています。
本牧神社
住所:横浜市中区本牧和田19
電話番号:045-621-7611
公式サイト:こちら
※「季節のご朱印・夏」は8月31日で終了
【横浜市磯子区】根岸八幡神社

「根岸八幡神社」は古くは根岸の海に由来を持つ、地元で愛される八幡様です。神社裏手の鎮守の森は根岸旧海岸線の森として、かながわの美林50選にも選ばれています。
社務所に並ぶ御朱印は、まるでアート。2024年11月にはプロ野球・SMBC日本シリーズ2024を制した横浜DeNAベイスターズ「横浜優勝限定御朱印」も華やかで話題になりました。

今回は7月限定の見開き御朱印「泡沫の彩火」(初穂料500円)と夏詣限定御朱印(初穂料350円)、自動二輪車御朱印(350円)をいただきました。写真のバイク御朱印は9月末まで授与されていて、ツーリングの途中に受けに来る人も。さまざまな理由で神社へのお参りが難しい人には、インターネットで授与品を頒布しています。9月限定の御朱印は公式サイト内の「オンライン授与所」をご覧ください。
根岸八幡神社
住所:横浜市磯子区西町1-1
電話番号:045-753-6666
公式サイト:こちら
※「自動二輪車御朱印」以外は授与終了
今回の夏詣で、うだるような猛暑でもすっと心が澄む時間が持てました。今年はもうしばらく暑い日が続きそうです。秋以降も神社仏閣・御朱印めぐりに出かけてみませんか。
文/志村麻衣(編集ライター)