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音楽

なにが聴けるかは当日までのお楽しみ!矢野顕子15年ぶりの「音楽堂」ライブ

なにが聴けるかは当日までのお楽しみ!矢野顕子15年ぶりの「音楽堂」ライブ

矢野顕子さんのライブ、特に弾き語りライブはスタッフを含めて”予定調和”ということがない。

「基本的に演目は、コンサートの直前に決めるんですよ。気分で。常に100曲くらいの歌詞カードを持ち歩いていて。開演前にスタッフに客層、例えば “お子さんは多い?”とか “年配の方の割合は?”とか聞いて、“じゃあこの曲入れようか” みたいなこともあるし、急に“この曲弾きたい”ってなることもあるし。バンドスタイルのときは流石に事前に決めますけど、弾き語りは自由度が高くて、それを楽しんでます。」

そのため、音響や照明など裏方スタッフは、毎回が真剣勝負だ。

「予測はしてるみたい。“この流れで行くと、次はこれくるんじゃないか?”って」

的中したときのスタッフのドヤ顔が思い浮かぶと同時に、とんでもない信頼関係がそこにあるのだと感じる。

「長く一緒にやってきているし、プロとしてお客さんに“来てよかった”と思ってもらいたいっていう思いは一緒ですから。」

そんな信頼のおけるスタッフの一人でもあるレコーディングエンジニアの吉野金次氏が、4枚目の弾き語りアルバムの録音現場として推薦したのが、神奈川県立音楽堂だ。

2010年にリリースされたアルバム「音楽堂」は2009年、この音楽堂で収録された。そして2025年の今年、およそ15年ぶりに矢野顕子の弾き語りライブが帰ってくる。
1954年にイギリスのロイヤルフェスティバルホールを参考に建築されたホールは、

「とっても気分よく弾けた印象です。内装もレトロな感じで良かったし。これまでは鎌倉でライブをやることが多かったですけど、ちょっと環境を変えたいと思ったときに、イベンターさんから“音楽堂はどうですか”と提案してもらって、そのときの印象があったから“いいんじゃない”と」

現在ニューヨークを拠点とする矢野さん、年に3回はツアーのために帰国する。今年も音楽堂でのライブの前に全国6か所を廻る「さとがえるツアー」を予定している。こちらはバンドスタイルだが、基本的には今回の弾き語りも、ツアーの流れのなかの一環だという。

「自由度の違いはあるけれど、特にテーマを決めずに、お客さんに喜んでもらうことを基本として、会場ごとに構成は変わります。お客さんにとっては、毎回なにがくるかわからない楽しさと、定番のバランスが聴きどころかな。今回もアルバム“音楽堂”の曲をそのままというわけではないです。何曲かはやるだろうけど。」

音楽堂以外の神奈川・横浜の印象はというと、

「ライブの後に、中華街で食事したんですけど、そこがすごく美味しかったんです。勘で“あっ、ここ!”って入って。そういうとこ結構外さないんです。それもあって、横浜全体の印象はいいですね。今回もライブ後に中華街いけるかなと狙ってます。」

12月の音楽堂でのライブを終え、年が明けるとデビュー50周年の記念イヤーへ突入。今後の予定は、

「新しいアルバムは作ってます。いつ出るかはまだわからないけど。ベストではなく、新しいの。最新の音楽を届けたいとは思ってます。多分、忙しい年にはなるでしょうね。」

ソロやコラボ、バンド、弾き語りと“縦横無尽”と称される活動が50周年を迎え、今後さらに広がっていくよう。そんな中で重要なのが健康管理だ。

「なるべく歩くようにしているとか、あと、怪我をしないように気をつけてますね。ピアノが弾けなくなっちゃうと迷惑かけちゃうし。本当はね、アイスホッケーをやってみたいんですけど、今はちょっと無理かなと。50周年が終わったら考えようかな。」

音楽だけでなく、人生・生活においてもさまざまなチャレンジを楽しむ矢野さん。
彼女の紡ぐ“新しい音楽”はまだまだその広がりを止めないようだ。

矢野顕子リサイタル in 音楽堂 2025
出演:矢野顕子(Vocal & Piano)
日時:2025年12月17日(水)
会場:神奈川県立音楽堂
※チケットは残席僅少となっております。(キャンセル待ちとなることもあります)
コンサート情報:こちら
矢野顕子Official Website:こちら

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