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前川建築ならではのスタイリッシュな空間で、音楽とアートを遊んじゃおう!
美術・写真 音楽
2021.01.13

前川建築ならではのスタイリッシュな空間で、音楽とアートを遊んじゃおう!

神奈川県立音楽堂 

 

行って、みて、感じるアートの世界
File.32音楽堂オープンシアター「音楽×建築×アートでお正月♪」
井上みゆき(マグカル編集部)

 

音楽堂をまるっと開放して、入場無料で楽しめちゃう「音楽堂オープンシアター」。音楽ファンはもちろん、音楽より前川建築に興味がる人や就学前のちびっ子も気軽に参加できる、うれしい企画だ。コロナ禍に対応して、今回は「リアル版」と「オンライン版」の両方が開催されるそうなので、まずは1月6日(水)に開催されたリアル版のオープンシアターへGO!

予定されていた「前川建築見学ツアー」は、残念ながら大人版・子ども版ともに中止。このため、開場時間の午後1時を過ぎても入口付近は閑散としている…と思いきや。ガラス壁の向こうから、なにやら楽しげな空気が伝わってくるではないか。そういえば「ライブ・ペインティング」というプログラムがあったっけ。これはぜひライブ感を味わわなければと思い、いざ、音楽堂の中へ!

ライブ・ペインティングを行っていたのは、書と絵のアーティストhanateruさん。逗子・鎌倉を拠点に独自のスタイルで創作活動を行っている方だ。近所を散歩しているときに目にする“何気ないけれど愛おしい景色”から着想を得ることも多いそうだが、今回は、音楽堂のガラス壁をキャンバスに“陰と陽”をイメージした絵を描いていた。
テーマは『光の環』。

せっかくなので、ちょっとだけマスクを外していただいてパチリ!

「皆さんに愛され、大切にされてきた音楽堂は、たくさんの思いが詰まった建物だと感じます。その中で絵を描くなんて、ちょっと勇気がいりましたが(笑)とても気持ちいいですね。
音楽堂の壁は赤、緑、黄などカラフルなので、私の絵はシンプルに仕上げようと思っています」

ふと見ると、ホワイエに不思議な物体が置かれていた。UFO? それとも大きなドラ焼き?

その物体は、もう1つのプログラムで奏でられる「ハンドパン」だった。
ハンドパンは、2000<年頃にスイスで生まれた新しい楽器で、ガムランを想わせる奥行きのある音色が心地よく、ヨーロッパを中心に人気が高まっているそうだ。カリブ海生まれのスティールパンの進化版ともいわれ、ドーム状の金属板を指先ではじいたり叩いたりして音を出す…らしい。

演奏するのは久保田リョウヘイさん。
高校2年生のときにWEBでハンドパンの動画を見かけ「とにかく叩きたい、ハンドパンを叩かないと眠れない!」くらいの衝撃を受けたのだとか。

「当時は日本語の情報がほとんどなくて、ようやく見つけたハンドパンも高校生にとってはかなりの高額でした。それでもベースを買う予定で貯めていたお金を叩き、足りない分は親から前借りして、なんとか手に入れたんです」

それ以来、奏法を教わる先生や教則本もないままに試行錯誤で叩き続け、プレイヤーとしての地位を確立してきたそうだ。
若者の情熱、おそるべし!

前川建築ならではの洗練されたエレガントな空間に、ハンドパンの音色がやわらかに響く。

「音楽堂のホワイエは心地よいリバーブが響いて、音の広がりが素敵ですね。皆さんにハンドパンの生の音を聴いていただくのが楽しみです」

 

ハンドパンの響きに吸い寄せられるように、ホワイエには少しずつお客様が増えてきた。音楽堂のホワイエは広々としているし、窓も一部開放しているので、換気がスムーズでいいな…と思っていたのだが。この時期なので、ホールスタッフによる対策はさらに万全を期したものだった。
見よ! 壁際にずらりと並んだサーキュレーターの頼もしい姿を!

ホワイエのモダンな建築デザインと一体化したオブジェのようにも見えるので、思わず笑顔になってしまう。

そして、ハンドパンの幻想的な音楽が流れる中、hanateruさんは絵を描き続けていた。

3つめのプログラムは、ホールで行われる「ザ・ぷー」の新春ライブ。自由席だったので、コンサートで狙う席とは別の場所に座ってみた。壁や天井まですべて木で造られた美しいホールが一望できて、すがすがしい気持ちになれる。

ザ・ぷーは、街角マチオ(ギター)、街角マチコ(テルミン)、川島さる太郎(パペット)、SONE太郎(プロデューサー)の音楽ユニットで、MUSIC、コント、演劇をミックスしたシュールでスタイリッシュなライブが持ち味だという。
よくわからないけど、とにかく面白そうだ。

興味を引かれたのは、マチコさんが奏でる「テルミン」。世界初の電子楽器といわれるもので、本体には手を触れず、空間の手の位置で音高と音量を調節する…らしい。演奏風景は、踊っているような、手品を見ているような、なんとも不思議な感じ。

約40分のステージは、トークあり、歌あり、笑いありと盛りだくさん。
細かく説明するとネタバレになるので、これはぜひ、後日公開予定の音楽堂チャンネル@YouTubeでご覧ください。

音楽堂のコンサートには足を運んだことがあったけれど、この日の音楽堂は、いつもとはちょっと違う、フレンドリーな空気に包まれていた気がする。
自由な音楽を自由に楽しめるからこそ、音楽堂はこんなに心地よい空間なんだ…。
そんなことを考えながら振り返ると、hanateruさんの絵が間もなく完成しようとしていた。

閉館間近、午後4時頃の絵がこちら。最初の画像と比べてみると、hanateruさんが紡ぎだした柔らかな時間を感じてもらえるのではないか。

 

YouTube「音楽堂チャンネル」では、リアル版のライブ動画だけでなく、オンライン版だけのプログラムも公開されます。ハンドパンの音色を聴いてみたい方、ザ・ぷーのオリジナリティ溢れるステージを楽しみたい方、hanateruさんが描いた絵の全貌をご覧になりたい方、そして前川建築の美しさを堪能したい方も。ぜひアクセスしてみてください!

*音楽堂オープンシアターの映像は1月下旬公開予定です

 

 

神奈川県立音楽堂は、1954年、公立施設としては日本で初めての本格的な音楽専用ホールとして開館しました。ロンドンのロイヤルフェスティバルホールをモデルに、最高の音響効果をあげるように設計されたホールは、開館当時『東洋一の響き』と絶賛され、その響きは今も国内はもちろん海外からも高い評価を受けています。ホールの壁面はすべて「木」で作られており、そのアコースティックな響きは開館から60年を経た今でも人々に感動をあたえつづけています。また、地域に根ざした優れた公共施設として1998年に建設省より「公共建築百選」に選ばれ、加えて1999年には20世紀の重要な文化遺産である建築としてDOCOMOMO(ドコモモ)(近代運動にかかわる建物・環境形成の記録調査および保存のために設立された国際的組織)より「日本におけるモダン・ムーブメントの建築20選」に選ばれました。

  • 住所
    神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9-2
  • 電話
    045-263-2567
  • 営業時間
    公演内容により異なります。 [受付時間]9:00〜17:00 (チケット窓口13:00〜17:00) [休館日]原則として毎週月曜日 および年末年始(12/28〜1/4)
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