歴史と文化を感じる工芸品
豊かな自然に包まれ、歴史文化に育まれた神奈川県には、その土地ならではの魅力あふれるさまざまな工芸品があります。今回は神奈川県名産100選に認定されている工芸品から「横須賀のスカジャン」「箱根寄木細工」「湘南七宝焼」をご紹介しましょう。
横須賀のスカジャン
スカジャンの歴史は第二次世界大戦頃にさかのぼるそうです。横須賀に駐留した米兵たちが、母国へのお土産として生地(シルク製のパラシュートマントの残骸)を終戦後に持ち込んで仕立てたジャンパーに、龍や虎や鷲などのオリエンタルな刺繡を施してもらったと言われています。
1960年代以降は若者の間でロカビリーやロックンロールなどのサブカルチャーとして流行し、その後は、デザイナーズブランドなどもスカジャンを起用し、国内外の脚光を浴び「スカジャン」という地位を確立します。
スカジャンにはどのような刺繍が施されたのでしょうか。正直なところ、何でもありですが、富士山、鯉、津波、桜、龍、虎などをモチーフにした模様が特に人気です。また、アニメのキャラクターをモチーフにしたものもあります。
スカジャンを探すなら、スカジャン発祥の地、横須賀にある「どぶ板通り商店街」がおすすめです。横須賀の職人の技術が詰まった刺繍が特徴の「本物のスカジャン」に出会えるはず。
MIKASA
URL: https://dobuita.stores.jp/
住所:神奈川県横須賀市2-7
連絡先: 046-823-0312
営業時間:11時~18時(毎日営業)
※掲載した商品は現在販売していない場合もあります。
詳細は公式ホームページでご確認ください。
箱根寄木細工
幾何学的な芸術の極み、箱根寄木細工。木材の、それぞれが持つ異なった材色や木目を生かしながら寄せ合わせ幾何学模様を作り出し、一定の厚みの板にした後、箱、コースターなどに生まれ変わります。
江戸後期、当時の宿場町であった箱根・畑宿の石川仁兵衛が箱根の山の豊富な木の種類に注目し、お盆を作ったのが寄木細工の始まりだそう。
現在、寄木細工の代表となっている秘密箱は、順番通りに箱の側面をスライドさせると、箱を開けることができます。スライドさせる回数が多くなるほど開ける難易度は高まり、数回で開くものから100回以上の手順で開くものなどさまざまで、工夫や芸術に富んだ魅力的な作品となっています。
秘密箱のほかにも、キーホルダーやお椀など、親しみやすいものもあります。
秘密箱は順番通りに箱の側面をスライドさせると、箱を開けることができます。スライドさせる回数が多くなるほど開ける難易度は高まり、数回で開くものから100回以上のスライドで開くものなどさまざまです。
箱根には、寄木細工の美術館や専門店が数多くあり、自分だけの寄木細工を作ることができる工房もたくさんあります。
箱根丸山物産
URL:https://www.hakonemaruyama.co.jp/
住所:神奈川県足柄下郡箱根町箱根17番地
連絡先:0460-83-6604
営業時間:毎日9時~5時
備考:ワークショップは予約制
湘南七宝焼
金属の土台にガラス釉をかけ、高温で焼成して作り上げる伝統工芸品の「湘南七宝焼」。宝石のような色合いと輝きを持つ美しい伝統工芸品です。
古くは、エジプトが発祥・起源とされていて、なんとツタンカーメンの黄金のマスクなどにもその技法が使われているそうです。日本へは飛鳥・奈良時代(539-794)にシルクロードを通じて伝わり、江戸時代に独自のスタイルを持ち始め、日本の伝統工芸品に発展しました。
現在、七宝焼は、装飾品、アクセサリー、食器、ネームプレートなどに使われ、湘南七宝焼では、自分だけの作品を創る体験もできるなど、多くの人に愛されています。伝統的なものからモダンなものまで、「幸福を運ぶ品物」として幅広く愛される「湘南七宝焼」。インテリアに取り入れてみたいですね。
湘南七宝焼
URL:https://www.shonanshippoyaki.com/
住所:神奈川県茅ヶ崎市甘沼 328-12
電話:0467-51-2050
営業時間:10時~18時
店休日:毎週水曜日、第1・第3火曜日
備考:ワークショップは予約制
神奈川には、まだまだ多くの匠の技が光る工芸品がたくさんあります。それぞれに歴史があり、独自のスタイルを生かしながら現代まで受け継がれた素晴らしい一品です。工芸品の歴史を学び、お気に入りを探してみませんか。
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