コンテンツにスキップ
美術・写真アート音楽演劇・ダンス講座・ワークショップ

陶芸も、音楽も、アウトドアも。アートは観るより自分で創る!

陶芸も、音楽も、アウトドアも。アートは観るより自分で創る!

行って、みて、感じるアートの世界
File.18 藤野芸術の家
井上みゆき(マグカル編集部)

神奈川県の北西端に位置する旧藤野町(現・相模原市緑区)は、太平洋戦争中に藤田嗣治、三岸節子などのアーティストが暮らし「大芸術都市構想」を語り合ったといわれる地。そんな縁から生まれた“藤野ふるさと芸術村構想”を背景としてつくられたのが、今回訪れた「藤野芸術の家」だ。

ここを一言で説明するのはちょっと難しい。
まず、建物内には様々なアート体験ができる工房や音楽スタジオなどの設備が充実しており、宿泊施設も完備。自然豊かな野外スペースではバーベキューやキャンプを楽しめる。つまり「好きなことを 好きなだけ」というキャッチフレーズそのままに、やりたいことを思いっきり楽しめるアートスペースなのだ。

相模湖に近い丘陵地に建っているため、入口を入るとそこは3階。床に木のブロックが敷き詰められたロビーは、自然光がたっぷり入る気持ちのよい空間だ。

音楽スタジオにつながる通路は、その名も「音のプロムナード」。なぜだか知りたい方は、ぜひここを歩いてみて。ワクワクするアートな気分が盛り上がるハズだ。
ちなみに、壁面は気軽に利用できるギャラリースペースとして設計されている。最長2週間で、使用料はなんと無料!

音楽スタジオは全部で3つ。グランドピアノやドラムセット、ミキサーなどの設備を備えているので(一部有料)、合唱や室内楽、バンドの練習はもちろん、ダンスの練習やレコーディングまで、幅広い利用が可能だ。

こちらは音楽スタジオ前にある「音のタンス」。木の風合いをいかしたデザインが素敵だな…と思って引き出しを開けてみると、それぞれいろんな音がする仕掛けが…。
これもまた、体験して楽しいアート作品。

クリエーションホールは、ピアノの発表会からコンテンポラリーダンスのステージまで、多目的に使える創造空間。225席の客席は可動式で、舞台と客席を収納すればフラットな空間になるので、武道の稽古場としても利用できる。

1階にある工房は「木の工房」「土の工房」「自由工房」の3つ。いずれも予約の必要がなく、いつでも気軽に利用できるのがうれしい。
期間限定プログラムやワークショップも企画されるので、詳しくはHPをチェック!

まずは「木の工房」からご紹介。ボール盤や糸ノコ盤などの電動工具からノコギリのような手工具、ボンドなども用意されているので、大人も子どもも自由なアート作品づくりに挑戦できる。
*くっつき自由工作 800円〜、木工クラフト 1,000円〜

材料は、様々な形の木材や松ぼっくりなどの天然素材、リボンやビーズ、金属製のワイヤーなど多彩にラインナップ。いろんな素材を組み合わせて自由な作品創りに挑戦してほしい、というスタッフの思いが感じられる。
何をつくるのも自由だけど「何でもあり」って意外と難しい。迷った時のために、クルマや帆船、ドールハウスなど様々なサンプルが用意されている。頼れる指導員さんも常駐しているので、気軽に相談してみて。

こちらは「土の工房」。粘土遊びの感覚で好きなものを作れる陶芸体験は、大人にも子どもにも大人気。お皿やコップ、独創的なオブジェなど好きな形を作ったら、乾燥〜素焼き〜釉掛け〜本焼きの作業は工房にお任せ。完成品は取りに来てもいいし、宅配(着払い)も利用できるので安心だ。
*手びねり 1,000円、絵付け 1,200円、デコアートアクセサリー 800円

こちらは「自由工房」にある機械。砂を吹き付けて模様を削る「サンドブラスト」で、オリジナルのコップなどをつくれる。
*サンドブラスト 800円〜

最後に、広々とした屋外スペースから宿泊棟を見上げてみた。17室・最大100名宿泊できるので、家族旅行からクラブの合宿まで、利用する側のニーズも実に多彩。部屋の窓からは緑豊かな藤野の風景が望めるので、のんびり過ごしたい時にもオススメだ。
周囲の山々は落葉樹も多いので、秋には見事な紅葉が見られそう…と考えているうちに、この自然あふれる空間こそがアートなのだ、と思えてきた。

マガジン