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講座・ワークショップ

行って、みて、体験する!魅惑のステージをつくる舞台技術の世界

行って、みて、体験する!魅惑のステージをつくる舞台技術の世界

行って、みて、感じるアートの世界
File.23 やまと芸術文化ホール『魅惑の舞台技術』
井上みゆき(マグカル編集部)

素晴らしい音楽や心が震える物語。笑いと涙と感動と。舞台の上には世界の全てがある、というのが私の持論だ。
そんな舞台空間を創り出すアーティストは本当に素晴らしい。
でも、アーティストがいっそう輝いてみえるのは、照明や音響、舞台機構操作など技術スタッフの力があってこそ。その一端を垣間見ることができる、ホールのバックステージツアーが人気だ。

横須賀芸術劇場のバックステージツアー体記はこちら>>>

今回注目したのは、そこからさらに一歩踏み込んで、まる1日かけて舞台技術を体験する、やまと芸術文化ホールの企画。その名も「アートマネージメント講座『魅惑の舞台技術』」。
中学生以上であれば、まったくの未経験者でも参加できるそうなのだが、いったい何ができるのか?素朴な疑問を胸に、講座を開催する大和市文化創造拠点 シリウスに行ってみた。

まずは以下の2枚の写真を比べてみて。
*写真:株式会社エスエス 加藤俊彦

1つ目は黒い幕で囲まれた舞台の写真。演劇やダンスを観に行く人には、この風景が馴染んでいると思う。

*写真:株式会社エスエス 加藤俊彦

2つ目の写真は、壁面が客席から舞台上までひと続きになっている。ブラスバンド部員やクラシック・コンサートが好きな人には、これが見慣れた姿だろう。

言うまでもないと思うが、どちらもやまと芸術文化ホールのメインホールである。
2つ目の写真で舞台を取り囲んでいるブロック状の壁は「音響反射板」と呼ばれるもので、生演奏の音を効率よく響かせるために設置される。
ふ〜ん…と聞き流してはいけない。
普段は分割して舞台上に格納されているのだが、間近で見るとものすごく巨大で、なんと総重量約58トン! これをすべて設置するには30分以上かかるそうのだ。
「今回は、反響板があるとき・ないときの、音の響きの違いを体験してもらおうと思っています」と、ホールスタッフの清水さん。その差は歴然で「体験すれば、素人でも絶対わかる」とか。
違いがわかる…なんだか“プロっぽい”気がして興味深い。


*写真:株式会社エスエス 加藤俊彦

舞台に立って上を見上げてみると、こんな風景。重厚な反響板が吊り下がっているのがわかる。安全確保のため、設置作業中はホール職員であってもほとんどホールに立ち入れないという。

今回はそんな大迫力の作業を体験できるかも…という話を聞いて「面白そう」と思ったあなた!
魅惑の舞台技術の世界へようこそ!

*写真:株式会社エスエス 加藤俊彦

こちらは反響板が格納されている、舞台上方の作業スペース。舞台を見下ろす高い位置にあり、照明装置や舞台装置なども多くはここに格納されている。
舞台に関わる仕事ではこうした高所での作業も多く、ちょっとした気の緩みが大事故につながってしまう。作業中は常に緊張の連続なので、キビキビと動くスタッフの姿はカッコいい。

今回の企画では、そんな各分野のプロから指導を受けながら、舞台の設営から後片付け、いわゆる「仕込み」から「バラシ」までを、1日かけて体験できるそうだ。こんなチャンスは滅多にない!

こちらは照明さんの調光室。客席後方の舞台を見下ろす高い位置にある。何度もシリウスのホールを訪れている人でも、ここからみる風景は新鮮に感じるはず。

こちらは音響さんの調整室。最近は客席後方に陣取って操作するケースも増えているのでその仕事ぶりを間近で見られる機会も多い。最新機器が並んでいる風景はとてもカッコいいのだが、もちろん勝手に手を触れてはいけません。
でも今回の講座では、照明や音響の機器に触れることができる。

ご案内いただいたホールの事業担当・大泉賀子さん(右・サントリーパブリシティサービス(株))と統括チーフの清水要さん(左・(株)シグマコミュニケーションズ)に話を聞いた。

「音響や照明、舞台など機械の技術がどんなに進歩しても、生の舞台を支えるプロの仕事の根幹は大きく変わらないと思います。技術者たちが何を考え、どんなことを大切にしているのかを知っていただきたい、と思って企画しました。具体的な内容は企画中ですが、舞台を支えるプロの仕事を知ると、これまでとは違った見方、楽しみ方ができると思います」(大泉さん)

「舞台の可能性は無限大です。時間や予算の制約はもちろんありますが、『こんなことをやってみたい!』と相談していただければ、可能な限りお応えしたいと思っています。講座で体験したことをもとに、みんなで一緒に考えて、楽しい舞台をつくっていきましょう!」(清水さん)

舞台を観るのが好きな人も、舞台に立ってみたい人も。
まずは一歩、踏み出してみて!

★こちらのイベントは終了いたしました。
《アートマネージメント講座「魅惑の舞台技術》
[日時]2020年1月25日(土) 9:00開場/9:15開始 18:00終了予定
[会場]大和市文化創造拠点シリウス 1F 芸術文化ホール メインホール
[講師]株式会社シグマコミュニケーションズ
[演奏協力]大和市立南林間中学校吹奏楽部
[募集対象]中学生以上
[募集人数]*定員になり次第締め切り
①体験あり:舞台・音響・照明それぞれ5~6名程度
②見学のみ:100名程度
[料金]①1,000円(税込、保険料含む)/②無料

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