【小田原・箱根】箱根フリーパスで行く!伝統と芸術に触れる旅

東京からのアクセスが良く、美術館などの観光施設も充実している小田原・箱根エリア。名城に富士山に神社と日本らしいスポットも多く、外国人観光客にも人気です。今回は小田急電鉄のお得な乗り物きっぷ「箱根フリーパス」で巡る、マグカルな週末・親子旅をお届けします。
フェルメール・ブルーの列車に乗って

日曜の朝、都内から小田原・箱根へ。
特急ロマンスカー「メトロはこね」は、オランダの画家フェルメールが好んで使っていた光沢のある青、フェルメール・ブルーの車体が美しい特別感のある列車です。東京メトロ千代田線と小田急線・箱根登山線が直通運転しており、北千住・大手町・霞ケ関・表参道から乗車することができます。全席指定なので、EMot(エモット)というチケットサイトで事前に特急券を購入して出かけました。
列車旅ということで、「箱根フリーパス」も今回の必需品。これ1枚で箱根を中心に、小田原・御殿場・三島までぐるりと一周。箱根登山電車、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、芦ノ湖を進む箱根海賊船など8つの乗り物が乗り放題。さらに提示するだけで、美術館など約70の施設で優待や割引サービスが受けられます。
▶箱根フリーパス
公式サイト:こちら
EMot(エモット):デジタルチケットの購入はこちら
【小田原】親子で小田原ちょうちんを作る
2時間ほど列車に揺られて、小田原駅に着きました。
改札を出るとあちらこちらに、日本100名城にも選ばれている「小田原城」が。駅から徒歩10分だそうですが、今回はこの階段で見学したつもりに(笑)。以前、取材をしてからずっとやってみたかった小田原の伝統工芸体験に向かいます。
楽しみにしていたのは、旅行客にも評判の「小田原ちょうちん製作体験」。小田原ちょうちん製作ボランティアの会が、毎月第2・4日曜日に開催しています。親子参加もできると聞いて、私と息子もそれぞれ作ることにしました。図案を選び、骨組みを作って貼りつけて、90分ほどで完成。予約なしで手ぶらで参加して、自作の民芸品をお土産にできるってうれしい。貴重な経験でした。

▶小田原ちょうちん製作体験
イベント紹介:こちら
【元箱根】湖畔の美術館で絶景と芸術に出合う

小田原駅から箱根登山電車と箱根登山バスを乗り継ぎ、50分ほどで元箱根に到着。
「成川美術館」はバス停から徒歩1分の高台に建つ、森と湖に囲まれた美術館です。現代日本画の名品を4,000点収蔵し、四季に合わせて年4回展示替えを行っています。芦ノ湖と箱根神社の「平和の鳥居」、富士山まで一望できる展望ラウンジから、富士山が拝めました。

鑑賞後はティーラウンジ「季節風」で、ガラス作家さんの作品を器に使用したスイーツを。石井康治さんの作品は「アイスクリーム・柚子」、栗原瑠璃華さんの作品は「白玉クリームあんみつ」とベストマッチ。
▶箱根 芦ノ湖 成川美術館
公式サイト:こちら
※箱根フリーパス提示で入館料金 大人200円引き、高校生・大学生200円引き、小学生・中学生100円引き
【元箱根】いにしえより信仰を集める神社を巡る

芦ノ湖畔を歩くこと30分、パワースポットとして知られる神社へ。
「箱根神社」は関東総鎮守箱根大権現と尊崇されてきた名社で、奈良時代の757年に厳しい修行を積んだ万巻(まんがん)上人が箱根大神のご神託により創建しました。開運厄除・心願成就・交通安全・縁結びに御神徳の高い運開きの神様として信仰されていて、国内外から多くの参拝者が訪れます。

「九頭龍神社」は、芦ノ湖の守護神・九頭龍大神(くずりゅうおおかみ)をおまつりする神社です。水をつかさどる神様、霊位の高い龍神として昔から人々に「九頭龍さま」とあがめられました。私たちが参拝したのは、2000年に箱根神社境内に建てられた「九頭龍神社(新宮)」。社殿の前には霊水「龍神水」が湧き出ていて、お水取りをする人も。
▶箱根神社、九頭龍神社
公式サイト:こちら
【元箱根から桃源台】アートな客船で芦ノ湖クルーズ

参拝を終えて、いよいよ芦ノ湖を渡ります。
「箱根海賊船」は、元箱根港・桃源台港・箱根町港を結ぶ観光船。運航中の3隻のうち、今回はゴールドの船体をしたクイーン芦ノ湖に乗りました。元箱根港から桃源台港までは約25分、船内は床から天井まで木材を張りめぐらせたクラシックなデザインで船旅を豪華に演出。3Dアートや海賊のオブジェなどもあり、大人も子どもも楽しめる空間でした。
▶箱根海賊船
公式サイト:こちら
小田原・箱根は見どころ満載
箱根フリーパスが大活躍だった旅。
箱根湯本から強羅・大涌谷を経由して芦ノ湖を目指す、人気の観光スポットが目白押しの王道ルート「箱根ゴールデンコース」が、この秋で開通65周年を迎えます。
今回私たちが選んだのは、小田原・箱根湯本から芦ノ湖・大涌谷・強羅と進む“逆ルート”と呼ばれるコース。旅行客が多いこの時期でも混雑が避けられたので、ゆったりと楽しみたい人におすすめです。箱根フリーパスの有効期間は2日間または3日間なので、次は宿泊して“朝から美術館巡り”もいいなと思っています。次回のマグカルな旅レポートもお楽しみに!
文/志村麻衣(編集ライター)