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音楽

「マグな人々第3回  白井貴子さん」

「マグな人々第3回  白井貴子さん」

―白井さんが、マグカル・テーブルの一員になったきっかけはどんなことからでしょうか?

「マグカル」は、まさに横浜市も含めたオール神奈川の力を結集して、横浜〜神奈川を日本のブロードウェイみたいに賑わうエンターティメントの街にしよう! という黒岩知事の呼びかけで始まりました。だから舞台の方やイベンター・レコード会社・新聞社・テレビ局など本当にさまざまな分野の人達が集まったんです。
その中で、私は2010年に神奈川県で開催された全国植樹祭のテーマソングを制作したり、環境大使としても活動させていただいたりしている経緯があったからでしょうか? 光栄なことにアーティストの代表として呼んでいただきました。

―アーティストの代表として関わっているマグカルにおいて、これまでどのようなことを感じていらっしゃいますか?

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県庁大会議場のステージに立つ白井さん

 最初の立ち上げの部分、全くゼロのところから参加しているので、大変興味深いです。
私は理想主義者というか、かなり夢が多い方なので、会議の場ではかなりハラハラしています。大きな夢、非現実的なことを語りすぎているんじゃないかと。でもそれを実現させていくのがアーティストだと思うので、いつもせめぎ合いです。必ずお金の問題にもぶつかります。夢と現実が混じりあった話も理解した上で、いろいろな役割の人と話し合いをするので、大きなテーブルでひとつのことを決めていくことはなかなか難しいと感じています。
マグカル・テーブルでは、皆さんが様々取り組んでいらっしゃるので「そんなことがあったの?」と、マグカルの発信側なのに、知らずに過ぎ去ってしまったことも沢山ありました。もっともっと参加できたら良かったのですが。忙しくてなかなか参加できなかったのが悔やまれます。
「マグネット・カルチャー」の略である「マグカル」は、なかなか認知されていないと感じています。広く知れ渡っていないなら、もっと知ってもらうきっかけをつくらないといけません。それなら何か起爆剤が必要だろうということで、去年から「タカコフェス」と銘打ちロックフェスをやろうという話が浮上しました。

―タカコフェス? それはマグカルのフェスということですよね。具体的な内容はどのようなものでしょう?

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左からピアニストの樋口あゆ子さん、白井さん、トルン奏者の小栗久美子さん

実は随分前から、私が「女子ロックフェス」を企画していて、女子アーティストにお会いする度にいつも声掛けをしていたんです。そこで「もしやこの企画、マグカルにいいかもしれない?!」と黒岩知事を囲んでの夕食会で皆さんにお話ししてみたところ「それ! いいじゃない!」ということになり、一気に動き出しました。20世紀、男性が牽引してきた世界は、いいことも沢山だったけど、戦争や放射能の問題〜環境のことなど、想像を絶する痛手も沢山産みました。
だから私は女性としての母性本能じゃないけれど、自分の力を平和、環境を守るために拳を挙げるような思いで音楽をやってきたので、ずっとそんな趣旨のフェスをやりたかったんです。
また「若いうちにしかできない」と(笑)思い、4年ほど前から声掛けしていたんですが、マグカルの皆さんに賛成していただき本当にうれしい展開でした。私が温めていた企画にマグカルPR大作戦のタイミングが丁度一致した。幸か不幸か、時代が必要としているように思えました。
マグカルをもっといろんな人に知ってもらうために、この流れの中で、弾みのきっかけとして「マグフェス」をやろうと企画書を書いて、今、話が進んでいます。女子のロック、愛情を土台としたマグカルに相応しい「マグフェス」を再来年までには現実にしたいとみんなで動いています。ただ具体的に今、会場をあちこち探しているのですが、なかなか刺激的で面白そうな場所が見当たらなくて。とにかくドカンといい意味での「打ち上げ花火」を揚げて、神奈川だけじゃなくて日本全体に、もっと言うと世界中の人々に、神奈川の魅力を発信していくことが「マグカル」の大きな使命だと思っています。

―マグカルの知名度が低く、あまり浸透していないのは何故だと思われますか?

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来場者にマイクを向けて一緒に歌う白井さん

今日もベトナムフェスタで「マグカルって知ってますか?」と来場者の皆さんに聞いたら、知っていると手を挙げてくださったのは1割弱でした。知ってもらうって本当に難しい大変な作業なんだと実感しています。
マグカル主導の作品は非常に文化的レベルが高いことは分かっていますが、少しマニアック過ぎるというか、難しいのかな? もっと日常の普通な演目もあってもいいんじゃないかと思います。

―白井さんは横浜市内の小学校校歌を作成し、小田原ふるさと大使にも任命されています。どのような思いから、数多くの地域に密着した活動を行っていらっしゃるのですか?

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私は20代の終わり、ロックに憧れ、夢見ていた地、ロンドンで生活した経験があります。そこで生活してみて、はじめて「私は紛れもなく日本人なんだ」と実感したんです。10代の頃は洋楽の湯船に浸かっていれば大ハッピーな私でしたが、実際に住んでみて「ロンドンのためには命がけにはなれないけど、日本のためなら命がけになれる」と確信して帰国しました。今から思えば、真の日本人になりにいくような時間でした。
私の故郷は日本であり、神奈川県です。私は一人、一度しかない人生を思うと「これはやるべきだ!」と心に響いたときには、どこの場所でも自分の故郷のように頑張れます。
今、京都の大原で畑もやっているんです。昨年、作詞家のきたやまおさむさんと作りあげた「涙河NAMIDAGAWA」というアルバムでは、ジャケットのアートワークも手がけました。京都は、私にとっては中・高と*血気多感な時期の6年間を暮らした、神奈川県の次に故郷と呼べる所であり、日本の中でとても重要な所です。その森の麓にある土を「自分の手」で耕してみたいと思ったんです。
この30年くらいは特に世の中がものすごいスピードで便利になり、人は手を使い、労を惜しんで、汗を流して大切なものを守ることから遠ざかってしまいました。針に糸を通すことさえ難しい。人は手を使わないと進化はないと思うんです。自然いっぱいのところにいてもスマホばっかり見てる若者を見るとがっかりします。気がつけば日本の和服も絶滅危惧種。だから自然とロックの拳があがっちゃうんです!(笑)「こうなれば素敵なのに!」と閃いたことは、なるべく実行したい。そんな自分が向き合うことで得られる発見や体験、感動が歌になり、言葉になって自分の生き方にもつながっています。もうすぐオリンピックの開催もあるので、日本の自然の素晴らしさ、文化を地球サイズで守る日々を大切にしていきたいと思って活動をしています。
*「血気多感」は白井貴子氏の造語です。

―最後に、マグカルに対する今後の展望をお聞かせください。

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2001年に作った21世紀の神奈川県の合唱曲「ふるさとの風になりたい」も第61回全国植樹祭神奈川大会のテーマソング「森へ行こう!」も、これまで故郷への思いを込めて歌を届けてきました。
2019年のラグビーの世界大会や2020年のオリンピックを前に、これまでと同じような気持ちで、マグカルの首脳陣とどんな「マグカル神輿」を担いでいくのか、まだまだ道は険しいかと思いますが、音楽の力で日本の心「平和の和」を、神奈川県の「マグフェス」から発信していけたらと願っています。
開催に向けご賛同をどうぞよろしくお願いします! マグカルのHPも毎日見て応援してくださいね。

私は神奈川県に住んでいるんですから、いつでもどこでも行けます。もっともっとマグカルのことを伝えに行きたいので、是非お声がけをよろしくお願いします!

白井貴子さんの今後の活動予定

2018年3月、小田原できたやまおさむさんと一緒にライブをする予定です。
詳細は、公式ホームページに今後アップされますのでぜひチェックしてください!

TAKAKO SHIRAI THE PEACE ON EARTH – 白井貴子

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