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神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」。
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演劇・ダンス
舘形比呂一のDanceable LIFE Vol.2
2018.08.01

舘形比呂一ワールドを追い求めて
舘形比呂一 (ダンサー・振付家)

 

僕の表現者としてのキャリアは、言うまでもなく「ダンス」から始まったと思っています。
大学で演技を専攻したものの、どうしようもない劣等生。けれど、踊りと出会ったことで、歌やお芝居に対するハードルが低くなり、ためらわずに挑戦できるようになりました。それがなぜかはわかりません。ただ、踊りを通して「表現」に対する自分なりの感覚が築けたことが、大きく影響していると思います。
「自分らしさを表現できる手段」に目覚めることは、こうした世界で生きて行くことを目指す人にとって、大切なプロセスなのかもしれません。今では、歌やお芝居に対する境界線の意識が少なくなりました。

この春に「朗読(クローゼット)ミュージカル」に出演しました。台本を持ちながら語り、歌う舞台です。ミュージカルで活躍されている俳優さんたちに交じって歌うなんて、ものすごいプレッシャーでしたよ(笑)。でも、キレイに聴かせるというより、舞台上の世界を成立させるための歌なので、挑戦のしがいはありました。
僕は不器用なタイプなので、人が1回でできることに倍時間がかかる。人より時間をかけることで、なんとかカタチにしてきました。いつに間にか芸歴は長くなりましたが(笑)、残念ながらそんな不器用さは相変わらずです。

とはいえ、近頃では共演者はもちろん、演出家やプロデューサーが自分より若いケースもしばしばなので、僕は「失敗は許されない、出来て当たり前」という立場になってしまいます。プロとして舞台に立つ以上、当然のことだと思われるかもしれませんが、失敗を恐れて「守り」に入ってしまうのは「つまらない」ことだと思うんです。それは、守りに入った段階で自分が伸びなくなってしまうと思うから。表現者としては「今まで見たことのない自分」を、もっともっと見てみたい。そのためのチャレンジ精神は持ち続けていきたいと思っています。
若い頃には、若さならではの勢いや説得力があります。でも、歳を重ねるごとに表現者としての可能性は広がってゆくはずです。そんな思いから、ひとりで1時間以上踊る「TRY OUT」というシリーズにも挑戦しています。
2016年には福島ビエンナーレ「重陽の芸術祭」に参加。現地の百年の古民家を舞台に公演を行うという、とても貴重な経験をさせていただきました。

そしてこの秋は、『THE CONVOY SHOW』で全国を回ります。エンターテイメントからアートでストイックな作品まで、出演させていただく舞台の振り幅が大きくて自分でも混乱することがありますが(笑)、コンボイは自分の原点のひとつであり、大切なステージです。前衛的な舞台と両方に出演させていただくことで、ずっと成長していけるのだと感じています。
僕が目指しているのは「舘形比呂一ワールド」が色濃く感じられるような表現者になることです。なんでも器用にこなすより、「この人に演らせたい」「この役は舘形だ」と思っていただける存在になりたいですね。