行って、みて、感じるアートの世界
File.12 マグカル・パフォーミングアーツ・アカデミー 2019成果発表会
井上みゆき(マグカル編集部)
マグカル・パフォーミングアーツ・アカデミーは、舞台芸術の人材を育てることを目的に2014年に開校。塾長を務める横内謙介氏(劇作家・演出家)をはじめ、深沢桂子氏(作曲・音楽監督)、ラッキー池田氏(振付師)、彩木エリ氏(振付師)など、講師陣には各分野の一流どころがずらりと名を連ねており、ミュージカル好きとしてはその動向から目が離せない。夏に行われる本公演の模様は、昨年、マグカルでもレポートした。
*2018年夏の本公演のレポートはこちら!!
幕開けはもちろん、全員のダンス!
舞台の狭さを感じさせないエネルギッシュなダンスに引き込まれる。
続いてミュージカル「コーラスライン」のナンバーを切々と歌い上げ、夢に向かってもがくアカデミー生の思いが伝わって来るような…。
発表会のステージは、これまでレッスンを重ねてきた様々な歌やダンス、芝居などから構成され、それらが1つの物語のように紡がれていく。アップテンポのダンスがあったかと思えばしっとりと歌い上げるバラードもあって、エンターテイメントとして十分楽しめる。
今回はコントにも初挑戦!
コントの台本・演出を担当したのは、尾米タケル氏(尾米タケル之一座主宰)。“笑いを取る”感覚が一朝一夕で身につくわけはないけれど、とにかく台本が面白い! 会場は笑いの渦に包まれ、アカデミー生の勢いと本気度もビンビン伝わってきた。
そして、昨夏の本公演「バイトショウ-BEST盤-」より、歌って踊るアイドル・ソング『未来クリエイト』。
CDデビューを目指してるって、本当かも?
続いては『クジラからのメッセージ〜めざそうプラごみゼロ!〜』。
2018年8月、鎌倉市由比ガ浜にシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げられ、胃の中からプラスチックごみが発見されるというショッキングなニュースがあった。これに触発され、神奈川県は「かながわプラごみゼロ宣言」を発表。そのメッセージをアカデミー生が歌にして伝えている。
そしてブロードウェイ・ミュージカル「RENT」からは、有名な一場面をセレクト。
最後はやっぱり歌とダンスで盛り上がる!
舞台人として“プロ”と呼ぶには、あと一歩かもしれない。でも、夢をつかむために厳しい現実と戦い続ける若者たちの熱い姿を見ていると、胸がキュンとしてしまう。
自分にもそんな熱い季節があったのかなぁ…。あっても、なくても、一緒に夢を見ている気分にさせてくれるのが幸せかもしれない。
開校から5年。アカデミー生が各方面で活躍する姿も少しずつ見られるようになった。頑張れば報われる世界ではないけれど、挑戦しなくちゃはじまらないのだ。
今夏の本公演では、さらに新しいメンバーが加わるだろう。これまで以上に深化したステージを期待して・・・頑張れ!アカデミー生!