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演劇・ダンス

語りと音楽のコラボレーション – 森うたうさん

語りと音楽のコラボレーション – 森うたうさん

森うたう(もり・うたう)さんは、歴史ある劇団で演劇を学んだ後に舞台俳優となり、2004年に舞台の企画制作を行う「水の輪」を立ち上げました 。2014年からは“語りと音楽”のコラボレーションにも注力し、「水の輪Presents舞奏の和」「語りと音楽と瞑想画NOA」「語りと尺八竹話」など多才なアーティストとユニットを組んで活動されています。神奈川県へ移り住んで4年、2025年3月1日には相模原市でライブを行うなど、県内でも精力的に活動中です。

ある本との出合いから“語り”の世界へ

―うたうさんのこれまでの活動について聞かせてください。

 東京芸術座、前進座で舞台の基礎を学び現在に至っています。演じ続けている中で、「もっとお客さんとの距離を縮めて”臨場感”を持ちたい」という思いが強くなっていた頃、たまたま立ち寄った書店で、『今日は死ぬのにもってこいの日』というナンシー・ウッドさんがネイティブ ・アメリカンと生活を共にする中で書いた、詩と散文の本に出会いました。

ネイティブ・アメリカンの、自然と共存する世界観は私の心を“語り”の世界へと導いてくれました。そして、語り手の息遣いをも感じられる距離感を大切にしようと思い、2014年より”語り”の活動を始めたのです。2016年からは、さねとうあきら作の心温まる創作民話『おこんじょうるり』や日本の昔話『ねずみ経』なども新たな題材として取り上げています。また今年で16年目になる私塾での朗読教室や、施設などで朗読を指導する活動もしています。

―長年幅広く活動されていますね。

 神奈川県とも移住する前からつながりがあり、2004年に横浜開港150周年記念事業の一環として横浜山手西洋館ベーリック・ホールで公演させていただいたことも大変心に残っています。あの空間で芝居を上演したのは、私たちが初めてなんですよ。

さまざまなジャンルとのコラボレーション

「NOA」公演の様子(2024年11月16日 下北沢・アレイホールにて)

―うたうさんの舞台は、“語り” とさまざまなジャンルのアーティストとのコラボレーションが特長ですね。

 いくつかユニットを組んでいます。まずは、ライヴパフォーマンス「NOA」という、ドイツ在住のメディテーションアーティスト(瞑想画家)・のぶこAフースラーゲさんとの2人の会。瞑想の中から生まれる芸術なので、全てが本番次第。その瞬間まで私もラストが分からないんですよ!セッションにおいては音楽が必須なので、アイリッシュハープ、ギター、即興声楽、尺八、ブルースハープなどのミュージシャンをゲストでお招きして、お客様を含めた皆でその日限りのステージを作り上げます。

そして、先日相模原公演を行った「竹話(ちくわ)」というユニットです。始まりは私の“語り”と尺八の風間禅寿さんとの縁だったのですが、新たに若手の津軽三味線奏者・近藤千晶さんが加わったことで、音色に厚みが生まれました。

―先日のライブ、素敵でした。「竹話(ちくわ)」というネーミングも親しみがありますね。

 ありがとうございます。初めての地元公演で私もうれしかったです。“竹”は尺八を、“話”は語りを表しているんですよ!

「竹話」公演の様子(2025年3月1日 相模原・ウェッジウッドクラブにて)

これからの活動について

舞台活動と並行して施設での朗読も行っている

 「JAXA相模原キャンパス」と「相模原市博物館プラネタリウム」ですね。プラネタリウムは現在改修工事中ですが、いつか上演作品と“語り”のコラボレーションをしてみたいです。「北鎌倉 葉祥明美術館」もおすすめです。葉祥明さんの絵本は施設を訪問する朗読でも取り上げさせていただいています。柔らかいタッチの絵で私たちの励みになる内容なので、ぜひ読んでみてください。私も神奈川県に来てまだ4年なので、どんどん開拓していきたいと思っています。

―最後に、これから地元の神奈川県で挑戦してみたいことを聞かせてください。

 まずは「竹話」の神奈川県での公演を増やしていきたいことと、3月に上演した『おこんじょうるり』『ねずみ経』の再演を秋ごろにと考えています。併せて、語りと音楽と瞑想画NOAのパフォーマンスも神奈川県の皆さんにぜひ知っていただけるように準備をしていきたいと思います。より多くの方にご観劇いただきたいです。また、施設での朗読活動もご縁があれば積極的に行っていきたいですね。

―ありがとうございました。今後の活動も楽しみにしております!

「竹話」ではCD制作にも取り組んでいる

神奈川県での活動がますます楽しみな森うたうさん。最新情報は公式サイトをチェック!

森うたう
公式サイト:こちら

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