【アートと旅する01】川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
小田急線とJR南武線が走る、登戸駅。2025年度から駅前の市街地再開発工事も始まり、より便利で魅力的な街へと変化しています。今回訪ねたのは、「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」。登戸駅からワクワクする「まんが」の世界へ、大人も子どもも心が躍るマグカルな週末・親子旅レポートです。
（トップ画像：川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム はらっぱ ©Fujiko-Pro）
「夢」と「ふしぎ」と「遊びゴコロ」
『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』など多くの作品を生み出した、漫画家の藤子・F・不二雄（本名：藤本弘）さん。家族とともに35年間、川崎市多摩区で暮らし、子どもたちのためにまんがを描き続けました。夢や希望、友情、勇気、好奇心、人を愛する優しい気持ちが詰まった作品は、今も世界中のファンを魅了しています。
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムは、1999年に藤本正子夫人から川崎市へ原画公開の意向が伝えられたことをきっかけに新設計画がスタート。貴重な所蔵は約5万点、2011年9月3日の開館以来、総来館者数500万人を超える人気スポットです。
直行のシャトルバスに乗ってミュージアムへ
ミュージアムへは、登戸駅から直行のシャトルバス（有料）を利用するのがおすすめ。10～15分間隔で運行していて、乗車時間は約9分。ラッピングとカラーリングが異なる車両は4台あり、ナンバープレートはドラえもんの誕生年である2112。座席シートや降車ブザーなど、車内にもこだわりが満載です。
バスを降りたら、ミュージアムの入り口はすぐそこ。完全日時指定制なので、予約日時になったら、事前購入後に発行された二次元コードを入場チケットとして提示して入場します。大型連休最終日の訪問でしたが、このシステムのおかげで想定以上の混雑に合うことなく、ゆったりと鑑賞できました。
『ドラえもん』の原画と最新技術がコラボ
フロアは1～3階で、1階には展示Ⅰとミュージアムショップがあります。
展示室Ⅰには、コミックスのカバーなどのために描き下ろされたカラー原画や貴重な資料がずらり。壁面にはカラー原画の特集や、まんが1話分をほぼ丸ごと原画で楽しませる仕掛けがあって大興奮。特に素晴らしかったのが、ドラえもんたちがふしぎな方法でまんがの描き方を教えてくれるコーナーです。まんがが完成するまでの手順や緻密な作業を知ることができました。
2階には、企画展を行う展示室Ⅱと体験エリアが充実しています。
オリジナルショートムービーを上映する「Fシアター」に、ドラえもんが暮らす野比家のミニチュアやフォトスポットがある「みんなのひろば」。まんがコーナーや未就学児限定のキッズスペースなど、子どもたちがのびのび過ごすことができます。
体験型展示「きこりの泉」も、まんがの世界に触れられると人気です。レバーをゆっくり上下させると、ドラえもんのひみつ道具・きこりの泉から“きれいな”ジャイアンが爽やかに登場して来館者の笑顔を誘っていました。
「SF－すこしふしぎー」を楽しむ
2階・展示室Ⅱでは、2024年10月30日～2025年10月26日まで「藤子・F・不二雄が描く チチンプイ！科学と魔法のまんが展」を開催しています。5月21日から、展示原画を入れ替えた後期展示も始まりました。『ドラえもん』の未来のひみつ道具や『チンプイ』に登場するマール星の科法など、科学や魔法をモチーフに描かれた作品を紹介しながら、藤子・F・不二雄さんならではの夢のかなえ方を読み解く期間限定の企画展です。
1階で、藤子・F・不二雄さん愛用の仕事机や巨大な本棚に並んだ膨大な蔵書・資料、秘蔵コレクションを見学した後に見たので、感動もひとしお。藤子・F・不二雄さんの作品への熱量が伝わる、見応えのある内容でした。
展示を鑑賞した後は、3階のミュージアムカフェやギフトコーナー「藤子屋」、生田緑地に隣接した自然を満喫できる屋上スペース「はらっぱ」へ。どこでもドアやおなじみの土管、いろいろなキャラクターたちと写真を撮ることができます。次の休日は、ぶらりとアートな旅を楽しんでみませんか。
文／志村麻衣（編集ライター）
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
住所：神奈川県川崎市多摩区長尾2丁目8番1号
電話番号：0570-055-245
公式サイト：こちら
