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アート音楽

神奈川フィルを愛するサポーター、ブルーダルって何者?

神奈川フィルを愛するサポーター、ブルーダルって何者?

ブルーの水玉模様がキュートな犬のキャラクター「ブルーダル」をご存知ですか。神奈川フィルハーモニー管弦楽団(以下、神奈川フィル)のコンサートやHPなどで見かけるので、音楽が好きなことは間違いなさそうです。調べてみると、ブルーダルは2004年、みなとみらい線の開業を機に横浜のデザイン会社・NDCグラフィックスによって生み出され、現在は神奈川フィルの公式キャラクターとしても活躍中なのだとか。なにやら興味深いので、神奈川フィルの広報担当・田賀浩一朗さんとNDCグラフィックス・田中あづささんに、ブルーダルと神奈川フィルの物語を伺いました。

「みなとみらい線の開通を機に、改めて横浜を象徴するシンボルを作ろう、という話が持ち上がりました。アイデアを出し合う中で着目したのが『西洋ではかつて、馬車の先導犬としてダルメシアンが活躍していた』というエピソードです。ここから着想を得て、横浜にいらっしゃるお客様を歓迎するシンボルとしてダルメシアンを選定。行政と地元商店街、百貨店などが一体となって『横浜ブルーダルメシアンプロジェクト』が立ち上がりました」(田中さん)

確かに、俊敏で気品のあるダルメシアンは横浜のイメージにぴったり。そこで、ブルーのドットをまとったダルメシアンが、キャンペーンのキャラクターとして登場したというわけです。ただし、当初はCGで色変換したリアル・ダルメシアンがキービジュアルでした。

その後、NDCグラフィックスがデザイン展を開催するにあたり、改めて「横浜ブランドをアピールするキャラクターを育てたい」という発想が深化。故・中川憲造さんを中心とするデザイナーユニットによって「ブルーダル」というキャラクターが誕生します。
そう、ブルーダルは横浜のイメージカラーである「ブルー」と「ダルメシアン」から付けられた名前だったのです。

長く愛されるキャラクターとして育てていくために、まずは絵本を製作。文字のない絵本には、年齢や国籍を超えて幅広い人に親しんでもらえるように、という思いが込められています。

こちらは神奈川新聞の日曜版に連載されていた4コマ漫画『ブルーダルの日曜日』。2006年4月から昨年秋まで続いた人気シリーズです。
その後、ブルーダルの愛らしいキャラクターと“地域活性化”というコンセプトが神奈川フィル関係者の目にとまり、コラボレーションがスタート。2008年、ブルーダルは神奈川フィルの応援マスコットに就任し、楽器を演奏する神奈川フィル・ヴァージョンのグッズも発売されました。

「神奈川フィルは“地域に密着した音楽文化創造”を使命とするオーケストラです。また、クラシック音楽には楽しく知的なイメージがあるので、神奈川フィルさんのお申し出は、ブルーダルを大切に育てていきたいと考えていた私たちにとっても有難いものでした」(田中さん)

さらに2011年2月、神奈川フィルを支援する「ブルーダル基金」が設立されます。

「公益法人制度改革により、神奈川フィルは2013年11月末までに公益法人へ移行する必要があったのですが、当時の財務内容はとても厳しく、そのままでは存続が難しい状況でした。音楽活動を続けるためには地元の皆さんに支援をお願いするしかないと考え、ブルーダルの名前を冠した基金の開設を検討。中川さんに相談し、ご快諾いただけただけたことから『ブルーダル基金』が設立されました」(田賀さん)

さらに中川さんは、ブルーダル基金の発足をブルーダルの物語として紡ぎ出しました。

ブルーダルの仲間たちがドングリをチューバの中に“寄付”すると、やがてブルーダルが奏でるチューバからキレイな花が咲く、という物語です。
「この物語を受けて、募金箱の代わりに古いチューバをコンサート会場に置いてみては?というアイデアもありました。後でコインを回収するのが大変そうなので実現には至りませんでしたが(笑)、募金活動に対してポジティブに取り組むきっかけになったと思います」(田賀さん)

現在、ブルーダルのグッズはとっても多彩!
横浜赤レンガ倉庫1号館や大さん橋などのほか、こちらでも購入できます。

人気は缶バッチ。オーケストラのメンバーや子供たちの希望に応えるうちに、今やオーケストラの楽器がすべて揃っています。いずれブルーダルによる演奏会が開かれそうな勢いです。
ブルーダルって天才かも?!

こちらは神奈川県企業庁が製造・販売するペットボトル水「神奈川のおいしい水 森のハーモニー」。ボトルにブルーダルがデザインされており、売上の一部が神奈川フィルに寄付されます。
詳しくはこちら!

2020年は神奈川フィル創立50周年のメモリアル・イヤーです。今回のコロナ禍で上半期のコンサートは中止になってしまいましたが、緊急事態宣言の解除を受けて、神奈川フィルも少しずつ動き出しています。
ブルーダルは今を生きる現在進行形のキャラクターなので、きっと神奈川フィルのコンサートを待ちわびていると思いますよ」(田中さん)

コンサートへ行き、自由に音楽を楽しめる日が楽しみですね!

*神奈川フィルハーモニー管弦楽団の最新情報はこちら!

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