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神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」。
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演劇・ダンス
舘形比呂一のDanceable LIFE Vol.3
2018.10.10

ダンサーは身体が資本!
舘形比呂一(ダンサー・振付家)

9月に開幕した『星屑パンプ』は怪我で降板となってしまいました。皆さんには大変ご心配、ご迷惑をおかけいたしましたことを、心よりお詫びいたします。
リハビリに専念した甲斐もあり、おかげさまで怪我の回復は順調です。12月のTHE CONVOY SHOWのステージには元気な姿で皆さんの前に立てるよう頑張っていますので、楽しみに待っていてください!

この機会に、ダンサーとしての身体づくりについて振り返ってみました。
僕は現在、パーソナルトレーナーについて週2回トレーニングを行っています。でも、それは30代後半に入ってからの習慣で、若い頃はこれといった努力をしていませんでした。すごく痩せていて、それがコンプレックスだったにもかかわらず、「自分は筋肉がつかない体質だから仕方ない」と思い込んでいたのです。背の高さのわりに筋肉量が少ないので、故障も多かったのですが、20代の頃は疲れても一晩眠れば元気になるし、怪我の治りも早い。ダンサーは身体が資本だというのに、ダメな話しですよね。

現在のトレーナーに出会ったのは37歳の時です。

「今の状態ではエンジンが小さ過ぎる、つまり稼働している筋肉量が少ないので、このままでは良いパフォーマンスができない」

そう言われたことを覚えています。車と同じで、エンジンを大きくして余裕のあるところで身体を動かしたほうがより繊細なパフォーマンスができる。その考え方に納得できたので、さっそくメニューを作成してもらい、トレーニングを開始しました。

とはいえ、はじめは辛かったですよ。地味なトレーニングを重ねるだけで、目に見える成果や変化はなかなか感じられませんからね。そんな状況が変わり始めたのは、3カ月を過ぎた頃です。目に見えて身体つきが変わってくると自分でも楽しくなるし、日常的に悩まされていた腰の痛みや指のしびれなどから開放されたので、生活が楽になります。

そして何より、怪我をしなくなった。身体を鍛えるとはこういうことなのだ、と痛切に感じました。

それからは、いつも次の作品で要求される筋力や体力を考え、きめ細かなトレーニングメニューをこなしています。ハードに踊るのか、芝居中心なのかによっても、求められるものは違います。
また、今回のように怪我をしてしまった際には、復帰に向けたスケジュールを踏まえてアプローチすることが重要です。驚くなかれ、今回は手術の翌日からリハビリを始めています。もちろん、怪我をした右足をすぐに動かすことはありませんが、左足の筋肉を刺激することで、右足の筋肉の衰えをある程度防ぐことができるんです。本能的に両足の均衡を保とうとするからだというのですが、人間の身体って不思議ですよね。

自分の身体を理解し、任せられるトレーナーと出会えたことで、より自信を持って舞台に立てるようになり、パフォーマンスも向上しました。心と身体はつながっている、という話はよく聞きますが、まさにその通り。たとえば捻挫をしたときも、トレーナーから「しっかりテーピングしてあげるから大丈夫」と言われると、安心して踊りに集中できるんです。

僕の目標は、いくつになっても緊張感溢れる肉体と精神で、存在感ある表現者として舞台の上に立ち続けることです。そのためにはメンテナンスを怠らず、自分の身体としっかり向き合っていかなくては、と思っています。

撮影協力:Don Giovanni
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131705/13154500/