神奈川で能楽を楽しむー独自の切り口と文化の融合
「能」「狂言」は、600年以上の長い歴史を持ち、「能」「狂言」を合わせて「能楽」と呼んでいます。継承されている演劇では「世界最古」といわれるほどの舞台芸術で、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
能楽は、これまで庶民で親しまれてきた歌舞音曲や、神に対しての奉納の舞を集め、鎌倉時代末期から室町時代初期に体系化され、公家や室町幕府の庇護、禅宗や水墨画などの影響も受けながら、洗練されてきたと言われています。
演者の無駄を一切省いた芝居や舞、音楽や歌など様々な要素で構成される演劇が、能楽舞台と呼ばれる極めてシンプルな空間で進んでいきます。この極限まで無駄を省いた洗練された美が能楽の最大の特徴ではないでしょうか。
鎌倉能舞台提供:吉野天人(よしのてんにん)
神奈川県には、能楽を楽しめるスポットがいくつかあります。多くの方に能楽の魅力を伝えられるよう、施設ごとに独自の切り口で工夫がされています。
横浜の人気エリア、桜木町に位置する横浜能楽堂は、1875年に設立され、何世紀にもわたり、受け継がれてきた能楽の伝統と歴史を紹介するとともに、日本×カナダ共同制作公演「Susuriwka –willow bridge」など、海外とのコラボレーションにより新しい作品を生みだし世界にもその魅力を伝えています。また、施設の見学や、小中学生向けにワークショップなども開催しています。
[公式ウェブサイト]横浜能楽堂
川崎能楽堂
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JR川崎駅から徒歩5分の場所にある「川崎能楽堂」は、1986年に首都圏で初めて自治体が運営した能楽堂で、能楽を始めとする古典芸能や邦楽等の稽古・発表・鑑賞ができる能楽堂として人気です。収容人数は148席ですが、舞台と客席の距離が近く、間近で鑑賞することができます。初めての方も気軽に参加できる能楽教室や年に5回の能楽公演を行っております。
[公式ウェブサイト]川崎能楽堂
鎌倉能舞台
1970年に設立された鎌倉能舞台は、年間を通して能楽を鑑賞できます。多くの人々が能楽に触れる機会を持っていただけるよう、ポピュラーな演目を、解説・質疑を付け、初めて能楽を鑑賞する方でも分かりやすく気楽に鑑賞できるよう、「能を知る会」を、財団設立以来45年余に渡って主催しており、定期公演「能を知る会®」として開催しています。また、博物館として舞台・能面・能装束等の展示公開もしています。
[公式ウェブサイト]鎌倉能舞台
大山阿夫利神社 能と狂言
大山阿夫利神社は、雄大な大山に位置し、神奈川県で有名な宗教的スポットのひとつです。8月下旬の秋祭りでは、能楽の特別な公演が行われ、神様に捧げられます。また、紀元前97年に建立されたとも伝えられる歴史のある神社では、10月に松明を灯した森の中で能楽を上演する「能楽祭」が開催され、抽選で無料招待券も用意されています。大山と大山阿夫利神社は、自然と、地元の人々や地域社会に息づく芸能文化を体感することができる、神聖で美しい場所となっています。
称名寺の薪能
横浜市金沢区にある称名寺では、能楽の公演が行われています。毎年5月になると、寺は数千人の観客が集まる薪能(松明を灯した屋外で演じる能)の舞台に変わります。幽玄で幻想的な雰囲気の中、来場者は何世紀にもわたって受け継がれてきたこの芸術のニュアンスや楽しさ、そして扇子や衣装、楽器などの複雑な道具を体験することができます。何世紀にもわたって受け継がれてきた幽玄で幻想的な雰囲気を体験することができます。この神秘的で由緒正しい能楽を間近で見ることは、一生に一度の貴重な体験となるでしょう。
日本と西洋の融合―
また、神奈川県では、日本の古典芸能「能楽」のうち「能」と、西洋の舞台芸術「オペラ」を融合させた公演をライブ配信します。能を初めて観る方も、上級者の方も、十分お楽しみいただけるに違いありません。ぜひご覧ください。
「静、愛と死~能とオペラの融合による創作舞台~」 公演概要
[日時]令和3年8月7日(土曜日)15時~17時(ライブ配信)
※後日、アーカイブ配信も予定しております。
[詳細]こちらからご覧ください
[映像配信]特設HPへ