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美術・写真

【箱根・ポーラ美術館】アジア最大級所蔵、モネ没後100年の新しい試み

【箱根・ポーラ美術館】アジア最大級所蔵、モネ没後100年の新しい試み

印象派を代表する画家クロード・モネ。彼が1926年12月5日に逝去してから今年で100年。その没後100年の節目として、生誕地のパリを含むフランスを中心に、日本や世界各地で回顧展が行われ、盛況を博している。

そして、アジア最大級のモネ収蔵で知られるポーラ美術館(箱根)でも、モネ没後100年と同館開館25年を記念し、モネの収蔵作品全てを展観する企画展が2026年6月から2027年4月まで開かれることが決まった。

収蔵作品全19点をすべて展観!

クロード・モネ《睡蓮》1907年、ポーラ美術館

ポーラ美術館の収蔵作品は、『印象・日の出』と同年に描かれた『セーヌ河の支流からみたアルジャントゥイユ』(1872年)から始まり、モネにとって最後の制作旅行となったヴェネチアの風景である『サルーテ運河』(1908年)に至るまで、画家としての軌跡を網羅するかのようなコレクションだ。美術への造詣が深くなくとも、耳や目にしたことのあるタイトルが見つかるのではないだろうか。

1世紀を経て新しい「目」で紐解くモネの魅力

中谷芙二子《雨月物語-懸崖の滝》霧の滝 #47670、2008年、展示風景:「横浜トリエンナーレ 2008」2008年、撮影:中谷芙二子

今回の企画展が他の企画展と一線を画しているのは、公開点数だけではない。現代作家の作品を、モネ作品との美術史的比較ではなく、創造的な対話として提示し、世紀を超えてなおその輝きを増すモネ作品の捉えきれない魅力の秘密を解き明かそうとしていることだ。

例えば『睡蓮の池』に対するのは フランス人作家ノエミ・グダルの作品だ。彼女の作品は、舞台背景(書割)のような錯視的な風景を創り出し、それを写真や映像に収めるもの。そして『睡蓮の池』の舞台であるジヴェルニーの庭は、モネが自身の手でつくり上げた人工の庭。つまり、両者とも人工的に整えられた環境を写真・映像/絵画にするという手法で共通している。

愛する人の不在を見つめて作品を作り上げたことが共通項である『セーヌ河の日没、冬』と、フェリックス・ゴンザレス=トレスの作品《「無題」(マルセル・ブリアンの肖像)》。最愛の妻カミーユを失った喪失感を静謐な時間を描くことで表現したモネ。亡くなった恋人や家族の体重と等しい重量のキャンディーでその存在を表現したトレス。今回はそのテーマはもちろん、キャンディーの青をセーヌ河を流れる氷魂に、電球を用いた作品を日没の夕日にと、視覚的にも対をなすような提示がなされている。

また、ルクセンブルク出身のチェロ奏者でもあり、音、映像、彫刻を組み合わせた作品で知られるスーメイ・ツェの作品は、モネが目にした風景を追うような作品を鋭意製作中。その全容はまだ明らかになっていないのだとか。
伝統的な主題や手法に捉われることなく、自由な絵画を生み出した印象派。そしてその礎を築いたモネ。その作品には1世紀の時を経ても普遍的な素晴らしさがあるが、新たな世紀のアーティストの感性は、「目」を交差させて見ると、さらに新たな見え方があることに、我々は驚かされるだろう。

そして個人的には、時に難解な現代アートが、モネとの対話的提示によってその解釈を深められると、資料を読むだけで思えるので、実際に作品と対峙することが楽しみでならない。

その人生自体も世紀をまたいだが、さらに世紀を超え、今また新たな感動を与えてくれるとは。「巨匠」の偉大さを噛みしめる展覧会になりそうだ。

ロビーから屋外まで!開館25周年記念はスケールが違う

フェリックス・ゴンザレス=トレス《「無題」(マルセル・ブリアンの肖像)》1992年、ポーラ美術館

今回の企画展はモネの没後100年だけではなく、ポーラ美術館開館25周年記念展でもある。

特に、2015年からはコレクションの拡充を図っており、世界で活躍する国内外の現代アーティストの作品もコレクションに加わっていて、今回が初公開となる作品も多い。先に紹介したフェリックス・ゴンザレス=トレスの作品も新収蔵品の初公開となる。

展示の規模も、ロビーから森の遊歩道まで広範囲にわたる規模で、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなどが展開される。

アートによる感動とともに、自然に囲まれた美術館ならではの趣向が楽しめ、癒される特別展。休日の予定にぜひ組み込んでみてはどうだろう。すでに別の美術館などで行われたモネ展は軒並み売り切れとなっているようなので、早めに計画を立てることをお勧めする。

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