おしゃれに楽しく!生活に自然とエコな選択を
生活雑貨&コスメのセレクトショップ 『minimal living tokyo.』 では、日々の生活の中で“おしゃれに楽しく”エコを選択することが当たり前になってほしい、という思いから環境への優しさや健康にこだわった商品を展開しています。
今回、ショップの代表である赤井エリさんに話を伺いました。
-セレクトショップ『minimal living tokyo.』について教えてください。
エリさん:最近まで日本では、ゼロウェイストを掲げたオーガニックコスメや生活雑貨がとても少なく、扱うお店も多くありませんでした。実際、環境と人に優しい商品をどうやって手に入れたらいいのかわからない、使い心地もわからず自分に合うものを見つけにくい、などの悩みをもつ方もいらっしゃいました。
コスメや雑貨に使われる使い捨てのプラスチックやパッケージのゴミを、自分たちで少しでも減らしたい、改善していきたい。
環境に配慮しながら、使用感の良い商品を楽しく自然に取り入れてほしい。
私たちのフィルターを通して安心して商品を購入してほしい。
その思いから2019年、カナダで出会った友人と共同で、ゼロウェイストをコンセプトにした商品を揃えるセレクトショップを立ち上げました。
-エコを大切にされていらっしゃいますね。環境問題について考えるようになったきっかけは何でしょうか。
エリさん:私はカナダのバンクーバーで14年間暮らしていました。バンクーバーは、グリーンシティと呼ばれていて、街中にゴミが落ちていることはなく、街全体で環境問題に取り組んでいます。買い物も裸売りや量り売りが基本で、食品を購入する際は自分で容器を持参して、使う分だけ、その都度手に入れる。必要なものをじっくり考えて選ぶことも楽しかったですね。そんなサステナブルな生活を当たり前のように送り、さらに学生時代はサスティナブルファッションについて勉強していた私は、帰国時、日本の使い捨てゴミの多さに「逆カルチャーショック」を受けたほどです(笑)。
大きなきっかけとなったのは、2011年にバンクーバー滞在中に起きた東日本大震災です。定期的にチャリティー活動に参加し、震災から1年後には被災地からカナダ海岸に流れ着いた大量の瓦礫の撤去作業にも参加しました。月日が経ち、遠い国にまで到達した大量の瓦礫を目の当たりにし、ショックを受けるとともに海洋汚染について強い関心を持つようになったのです。私たちが「当たり前の生活を続けていくためには、健全な地球環境があってこそ」だと改めて感じました。
-ショップのコンセプトを『ゼロウェイスト』とされていらっしゃいますね。『ゼロウェイスト』とは
エリさん:ゼロウェイストとは、ゴミをゼロにすることは難しいけれど、「ゴミにならない」ようモノを生産する段階から工夫し、見直していくということを意味しています。
私たちが取り扱う商品も、最終的に土に埋めて還せるもの、繰り返し使えるものなど、商品自体が循環性を持ち、環境に配慮したサステナブルなものに特化しています。
-『ゼロウェイスト』という言葉との出会いも教えていただけますか。
エリさん:カナダから日本に帰国後、アメリカ発祥で環境保全を企業理念として掲げるpatagonia横浜店に入社、個人的にカナダの知人と海洋汚染に関する活動をしながら、のちにオープンしたてのpatagoniaバンクーバー店で勤務出来ることになりました。
サスティナブルをコンセプトにしたバンクーバー店では、スタッフがまさにゼロウェイストアクションに取り組んでいました。ここで初めてこの言葉と出会い、それは今も私の根幹となっています。
現地スタッフと日本人スタッフでは日々の業務にギャップがありましたが、それも大切な学びとなり、ゼロウェイストの教えを日本に持ち帰った2年後、横浜店は日本で初めてアパレルのゼロウェイスト認証を取得することができました。現在では全国の店舗でゼロウェイストアクションが広がっています。
-商品をセレクトされる際のこだわりはありますか。
エリさん:基本的にシンプルで環境に優しいものをセレクトしています。
ゼロウェイストを掲げたメーカーのものや、オーガニック原料の比率が高いもの。
環境に負荷をかける原料は不使用のもの。
動物性のものを使用しておらず、動物実験もしていないヴィーガンのもの。
容器にプラスチックは使用せず、土に埋めると還るもの。
商品を通してどんなメッセージを伝えたいのかを知ることも大切にしていますね。
もちろん使用感の良さも重視しており、肌に触れるものは敏感肌の方やお子さんでも安心して使っていただけるよう、半年以上時間をかけてパッチテストをし、クリアしたものだけをセレクトしています。このショップは信頼できるから安心して購入できる!と思っていただけるような商品を揃えています。
-数ある商品の中で、取り入れやすいおすすめの商品を教えていただきたいです。
エリさん:ヴィーガンディッシュブロック(食器用固形洗剤)です!
豊かな泡立ちと洗浄力でリピート率が高く、植物由来で作られたヴィーガン対応の食器用洗剤です。環境や使う方に配慮した洗剤でありながら、レギュラーサイズで約2ヶ月、メガサイズで約7~8ヶ月と、長い期間ご使用いただけます。
セルロースやヘチマスポンジ、植物性のブラシなどと相性が良く、洗剤がより長持ちします。
中でも富山県で40年間、無農薬で育てられたヘチマで作ったスポンジは、安心してお使いいただけます。こちらも長持ちしますし、使えなくなった後は土に埋めて還すことができます。食器用洗剤はほとんどの方が毎日使うものですので、気軽に取り入れていただけると思います。
-patagoniaバンクーバー店のコンセプトでもありました『サステナブル』。最近日本でもサステナブルという言葉を耳にする機会が増え、関心や意識が高まっているように感じます。
エリさん:世の中の方々がサステナブルについて意識するようになったのは、とてもいいことだと思っています。苦労して築き上げたキャリア、夢のマイホーム。成し遂げたいゴールや将来への野望は人の力だけでは叶わない。ベースに良好な環境があってこそだと思います。サステナブルな暮らしをしていくことは、将来の地球環境を考えたら「当たり前のこと」なんですよね。
衣食住全てにおいて、できる限り環境に配慮しつつ、楽しく自分に合った選択をしながら、無理なくハッピーに過ごす。そんな暮らしを「当たり前のこと」で「自然なこと」と思える世の中にしていくことで、環境にやさしいもの=人に優しいと気付いてもらえたらいいなと考えています。
そして、それぞれの考えをオープンに話せる日本社会になっていってほしいと願っています。
-最後に一言お願いします。
エリさん:『minimal living tokyo.』の商品を通して、エコな暮らし・サステナブルな暮らしってこんなに楽しいんだ!こんなに簡単なことなんだ!と気が付いてもらえると嬉しいです。
エコな生活がしたいから買う!ではなく、必要になったら必要な分だけ買う。そして今持っているものを最後まで使いきる!この考え方がとても大切なことだと思っています。
ひとつ知ることによって意識が変わる。そこからまた選ぶものが変わっていく。そういう方が増えていくことが、世の中が変わることに繋がると思っています。
意識を変えることは誰もができる、大きなステップです。
視点が変わる、意識が変わるきっかけになるようなショップであり続けたいですね。