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伝統芸能

【伝統芸能】創立45周年「相模龍王太鼓保存会」つなぐ和太鼓×龍の舞

【伝統芸能】創立45周年「相模龍王太鼓保存会」つなぐ和太鼓×龍の舞

神奈川県相模原市は、日本に古くから伝わる打楽器・和太鼓の音が響く街。市内を拠点に活動する団体や高校の和太鼓部があります。「相模龍王太鼓保存会」は、創作太鼓と龍の演舞で観客を魅了し続ける歴史あるチーム。今回は2024年6月に3代目会長に就任した久保田匠(くぼたたくみ)さん、前会長で相談役の大西堅幸(おおにしかつゆき)さん、青年部の綿貫稜真(わたぬきりょうま)さんにインタビューしました。

記念コンサートを終えて

創立45周年記念コンサート(提供:相模龍王太鼓保存会)

2024年6月29日、相模龍王太鼓保存会(以下、龍王太鼓)が「創立45周年記念コンサート」を相模原市民会館・大ホールで催しました。

―創立45周年、おめでとうございます。今回、能登半島地震復興支援チャリティー公演とした経緯から聞かせてください。

久保田 私たち龍王太鼓は、5年ごとに節目のコンサートを開催しています。今回は日ごろ私たちを応援してくれている皆さんと一緒に、災害に見舞われた能登半島にエールが送れたらという思いを込めました。入場無料で公演して、当日1口1,000円の募金を受け付けました。多くの方からご声援とご支援をいただいて感謝しています。

―素晴らしいですね。龍王太鼓は現在、どのようなメンバーで活動しているのですか。

久保田 会員数は40人ほどで、男女比はおよそ4:6。小学生までの「少年部」、中学生からの「青年部」、保護者中心の「鼓楽(こらく)部」、ベテラン組の「鼓友(こゆう)部」の4部構成です。鼓友部を除き、それぞれ週1回・2時間ほど練習しています。

青年部の練習風景(提供:相模龍王太鼓保存会)

久保田 龍王太鼓は周年コンサート以外にも年に数回、大会やコンクールなどのステージを予定しています。夏祭りなどの地域行事やイベントに招かれることもあります。会場や演奏時間で出演者や構成を考えていくのですが、最近は約20人が在籍する青年部の若手メンバーが中心になって取り組んでいます。

45周年記念コンサートはすべて、青年部のリーダーでもある(綿貫)稜真が担当してくれました。「最高だった前回を上回りたい」という意気込みから大変な点も多かったと思いますが、工夫を凝らしたステージに仕上げてくれました。

“大人の太鼓”を響かせる

演奏風景(提供:相模龍王太鼓保存会)

―綿貫さんが感じている、龍王太鼓の魅力とは。

綿貫 3、4歳から和太鼓をやっていて、高校は地元・相模原市で和太鼓部がある光明学園相模原高等学校に進みました。部活動も活発で大会経験も積みましたが、そこはやはり高校生の太鼓。選曲はもちろん、打ち方も違うから「音」が違うんです。

大西 例えるなら、高校生の和太鼓が軽快なポップスで、龍王太鼓が味のある演歌。稜真はうちの長男と同級生、経験も豊富だからそう感じるのだと思います。

―なるほど。大西さんから見て、綿貫さんがプロデュースした45周年記念コンサートはいかがでしたか。

大西 良かったと思います。前回の40周年は私も会長として中心になって取り組んでいましたが、今回は見守る立場で。幼いころから知っている彼らが引っ張っているのが頼もしかったです。稜真はもちろん、会長の(久保田)匠も龍王太鼓で経験を積んでいますから。創立者が彼の大伯父(おおおじ)に当たるんですよ。

綿貫 僕ももう20年ぐらいいるので、見守り側に回ることも増えてきました。青年部メンバーも主力は20歳前後の大学生で、就職や引っ越しなどライフスタイルの変化で入れ替わりがあります。これからはSNSなども活用して、龍王太鼓をより周知していきたいです。

龍とともに力強く未来へ

相模太鼓が所有する三頭の龍(提供:相模龍王太鼓保存会)

―龍王太鼓は和太鼓の演奏に加えて、龍の演舞も評判ですね。

大西 先代が島根県の「石見神楽(いわみかぐら)」の人気演目「大蛇(おろち)」のスケール感に魅せられて、自分たちの創作太鼓と組み合わせたのが始まりです。今ある三頭の大蛇=龍も現地から取り寄せたもので、大切に使っています。

久保田 一人で一頭を動かすのですが、チーム内でその技を習得しているのは3、4人。龍王太鼓らしいダイナミックな演出に欠かせないものなので、龍の扱いも継承していけたらと思います。

2024年10月20日には、「太鼓まつり」(相模原市太鼓連盟主催/相模原市民会館・大ホール/13:00開演)に出演します。龍の見せ場を作ろうか、演出を考えているところなので楽しみにしていてください。

大西 近年、和太鼓を楽しむ人が増えて活気づいてきましたが、プロ団体も多く、龍王太鼓のようなチームが技術を発表する場が限られてきたようにも感じています。若手を中心にSNSで情報発信しながら活動していくと思うので、これからも応援よろしくお願いします。

文/志村麻衣(編集ライター)

相模龍王太鼓保存会
公式Instagram:こちら 

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