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【神奈川で時間旅行】秋の伝統芸能2023 流鏑馬

【神奈川で時間旅行】秋の伝統芸能2023 流鏑馬

疾走する馬の上から的をめがけて弓を射る、今に伝わる武芸の一つ「流鏑馬(やぶさめ)」。馬を乗りこなす馬術と日本の伝統的な弓術、双方を極めた華麗で勇壮な姿に観衆は魅せられます。今回は神事としても注目したい、神奈川県の流鏑馬3選を紹介します。

鎌倉時代から続く 鶴岡八幡宮の流鏑馬神事

古都・鎌倉の中心部に建つ鶴岡八幡宮で2023年9月16日、秋の例大祭恒例の「流鏑馬(やぶさめ)神事」が4年ぶりに執り行われました。
武士にとって、全力で走る馬にまたがりながら弓を射る技術は欠かせないものでした。鎌倉時代に源頼朝公が流鏑馬による武芸の鍛錬を勧めたことで、武家の式法としての騎射(きしゃ)が確立。さらに天下泰平・国家安穏を祈願し、年に1度の一大行事で御家人たちが御神前や大勢の人の前で弓馬の技を披露できるようにしたことが、武士の精神力と信仰心を高めたと言われています。

例年9月14日から3日間にわたって行われる鶴岡八幡宮の例大祭に欠かせないのが、最終日の流鏑馬神事。観衆が見守る中、鎌倉武士を思わせる狩装束をまとった800年の伝統を受け継ぐ弓馬術礼法小笠原教場の宗家以下一門が奉納します。

馬場の長さは約250メートル、55センチ四方の杉板の的は高さ約1.8メートルの青竹に挟んで3か所に掲げられます。 馬場を颯爽と駆けていく馬の迫力と息遣い、伝統を重んじる小笠原流の作法にのっとった美しい所作で3つの的を射抜く射手(いて)の技は必見です。

【鶴岡八幡宮 流鏑馬神事】
・日時  2023年9月16日(土)13:00~16:00  ※終了しました
・会場 鶴岡八幡宮(境内)〔神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31〕
 


・Webサイト こちら

天下泰平・五穀豊穣を祈念 寒川神社の流鏑馬神事


美しい狩装束を着て弓矢を手にした射手が馬の背にまたがって常歩(なみあし)で進んでいる。

全国唯一の八方除の守護神、相模國一之宮と称される寒川神社でも流鏑馬神事が催されました。天下泰平・五穀豊穣を祈念して、例祭の前日2023年9月19日に斎行された流鏑馬神事を御紹介します。

寒川神社はJR相模線・宮山駅から徒歩5分、相模川に近い海老名と茅ケ崎の間にあります。


出典:寒川神社- YouTubeチャンネル 【寒川神社】空からの寒川神社 令和5年
神々への奉納や祈願のために行われる流鏑馬は、「神事、騎射、神事」など一連の流れがあります。まずは神事に参加する人の心身を、続けて騎射を行う馬場を清めます。


騎射を行うために、神職が馬場を清めながら歩いている。

こちらも歴史は古く、鎌倉時代には行われていたという記録が。流鏑馬の神事を司る「馬太夫」と呼ばれる家筋の方が代々継承していたそうですが、現在は武田流の公益社団法人大日本弓馬会 によって奉納。神職も自ら射手として奉仕されています。


騎射に先立ち馬場を歩く射手と馬。

勇壮で華やかなだけでなく、静寂も見どころ。射手が放つ鏑矢(かぶらや)が的に当たることよりも、的に向かって射ることが重んじられます。


射手が疾駆する馬上から左横に置かれた的を射る。

【寒川神社 流鏑馬神事】
・日時  2023年9月19日(火)14:00~  ※終了しました
・会場 寒川神社(御本殿西側馬場)〔神奈川県高座郡寒川町宮山3916〕
 


・Webサイト こちら 

まだ間に合う! 11月開催の流鏑馬

2023年11月3日、山北町の室生神社の例大祭において、神奈川県指定無形民俗文化財「室生神社の流鏑馬(むろうじんじゃのやぶさめ)」が執り行われます。
起源は源頼朝の石橋山挙兵の際に、平家方に味方したことで領地を没収され、斬刑に処されようとしていた河村義秀が、鎌倉で行われた流鏑馬の妙技により刑を免ぜられたことで、旧領に復帰できたという故事(『新編相模国風土記稿』『吾妻鑑』)によるものとされています。
現在まで、約800年余り続いているとも言われる「室生神社の流鏑馬」。是非、会場で歴史を体感してみてはいかがでしょうか。

【室生神社 流鏑馬】
・日時 2023年11月3日(金・祝)
 14:00~馬場駈け、14:20~流鏑馬開始の式、14:30~馬場入りの儀、
 14:50~垢離(こり)取りの儀、15:00~流鏑馬始式
・会場 室生神社〔神奈川県足柄上郡山北町山北1200〕
 


・Webサイト こちら

文/志村麻衣(編集ライター)

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