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伝統芸能

神奈川の文化と歴史に触れる

神奈川の文化と歴史に触れる

鎌倉時代には日本の中心であった神奈川。日本の歴史と文化において重要な役割を担ってきました。神奈川で受け継がれてきた伝統文化や風習を探ってみます。

大乗院での滝行

古来より、山岳は世界各地で精霊,神々,悪魔などの住む場所として畏敬され、祖霊のすみか、天と地を結ぶ軸とも考えられてきました。その深山幽谷に分け入り、霊的な生命力を得るための業の方法として、断食行、水行、滝行、採燈護摩、火渡り等があります。

西暦700年頃に建てられた小田原市にある大乗院では、それらの僧侶や修行僧が昔も今も行っている伝統的な修行法、節分の火渡り荒行、滝行などが行われており、私たちも体験することができます。

火渡り荒行

火生三昧(かしょうざんまい)は、一番厳しい荒行とも言われている修行です。
熱した炭で敷き詰められた道(火の上)を歩くことにより、日ごろ我々が知らず知らずに犯している罪を焼き祓い、心身ともに清めることで、御利益が授かるといわれています。

滝行

滝行とは滝壺に入り、滝に打たれながら経を唱え続ける修行方法の一つで、滝の激しい水の中に身をおく厳しい精神修行として知られています。

実際体験した感想は、まず、滝の下は「凍えるほど寒い」。初めはその寒さの衝撃で、寒いとしか感じられません。次に、肩や頭頂部に水圧を感じ始めます。不思議なことにこの寒さや水圧による「衝撃」は徐々に消えていき、肌を打ちつける水の音と、目を固く閉じた感覚だけが残り、同行した大乗院の僧侶が唱えるお経がかすかに聞こえてきます。

大乗院は、神奈川県小田原市にあります。JR下曽我駅から徒歩10分。

大乗院:https://trip.pref.kanagawa.jp/ja/destination/daijoin-temple/2018

150年以上の伝統 荒井だるま屋

平塚の地で相州だるまを作り続けている荒井だるま店。相州とは昔の相模国の別称で、相州だるまは顔が白く、まぶたに金箔が貼られ、眉やひげの描写が細かいことが特徴。定番の紅白だるま、特別な干支だるま、ディテールが強調された鮮やかな金色のだるまなど、大小さまざまなだるまが店内の壁にずらりと並びます。

150年以上の歴史を誇る荒井だるま屋では、代々受け継がれてきた伝統的な手法で、手作りのだるまを制作しています。店主の荒井さんはまさにアーティスト。筆を手に取った瞬間、気さくで謙虚な人柄から一転、手元のだるまにだけ目を向け、軽快でありながらしっかりとした筆使いでだるまの顔に筆を走らせます。「絵を描いているときは、2時間も3時間もあっという間です。何も考えず、何にも気を取られず、失敗が許されないからです」と、荒井さんは満面の笑みを浮かべながら、その見事な職人技について語ってくれました。

あらゆる願いを叶えてくれる縁起物として人気のだるま。荒井だるま店でお気に入りのひとつを見つけてみてはいかがでしょうか。

荒井だるま屋は、神奈川県平塚市にあります。JR平塚駅からバスで15分。

荒井だるま屋:https://trip.pref.kanagawa.jp/ja/destination/arai-daruma-store-daruma-painting-experience/1030

願修寺の座禅体験

臨済宗に属する願修寺は、1407年に創建された小田原市にある有名な仏教寺院。住職は日本禅寺初のハーフ住職として幅広く活動されており、なかでも地元の人々や観光客向けの座禅体験が人気です。

姿勢を正して座った状態で精神統一を行うことで、自分と向き合うという、禅宗の基本的な修行法です。

座禅には心理的・身体的効果があるといわれています。一つは、腹筋を使ったリズミカルな呼吸がセロトニン神経を活性化させ、ストレスを軽減し、心を落ち着かせる効果があること。もう一つは、体を完全にリラックスさせ、心を研ぎ澄まされたままにすることにより、集中力が高まり、生産性の向上に期待ができるといわれています。

願修寺の畳の部屋で座禅を組み、まぶたを閉じると、呼吸法を伝える僧侶の声が優しく響きます。姿勢を正し、静かな環境で心を鎮め、古くから伝わる瞑想法で、心と体を解きほぐしてみませんか。

願修寺に直接行くのが難しい場合は、オンラインコースがおすすめです。30分の座禅が、1,000円で、世界中どこからでも参加可能です。

願修寺は、神奈川県小田原市にあります。JR・小田急線小田原駅から徒歩5分。

願修寺:https://trip.pref.kanagawa.jp/destination/zazen-experience-flying-monk-gansyuji-temple-daitokuji-school-of-rinzai-zen-buddhism/1996

古民家で工芸体験 たからの庭

北鎌倉にある浄智寺の脇の木に囲まれた小道の先にたからの庭はあります。美しい自然に囲まれた築80年の古民家で、陶芸体験や料理教室、染め物体験、ヨガなどさまざまな講座を予約制で開催しています。

葉っぱのうつわ作りのレッスンは、インストラクターが手のひらに生地を乗せ、冷たく少し湿ったグレーの粘土をドーム型のボウルに入れるところから始まります。粘土をドーム型の皿に均す方法を、親切に教えてくれます。

体験中に聞こえるのは、手のひらで粘土を優しく成形して美しい花柄の皿を作る音、屋外の庭の鳥のさえずり、そして「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり」などとアドバイスをするインストラクターの声だけです。

最初の形成工程の後、屋外の庭園を散策し、最終工程に使う季節の花を選びます。選択したものを美しく配置し、成形した粘土にそっと押し込む。型から草木を外し、白土で軽く磨き完成です。2か月以内に完成品が郵送されます。

たからの庭の陶芸教室体験の作業時間は約1時間ほど。鎌倉観光の途中に、日本の伝統的な手工芸に触れることができます。

たからの庭は、神奈川県鎌倉市にあります。JR北鎌倉駅から徒歩10分。

たからの庭:https://trip.pref.kanagawa.jp/destination/kita-kamakura-takaranoniwa/1557

地元の人々と伝統文化に触れる旅

神奈川には、このように地元で暮らす専門家の指導のもと、日本の伝統文化を学び、体験できる場所が多数あります。観光と一緒に、地域の人と交流し、伝統文化に触れ、冒険心をくすぐる旅をお楽しみください。

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