若きスピリットが舞い、熱気が立ち込め、ぶつかりあう! 「第3回全国高等学校日本大通り ストリートダンスバトル 決勝」
関東エリア選抜7チーム、決勝へ
午前中には、一都三県の高校生ダンスチームによる、関東エリア予選大会が行われた。東京都7チーム、神奈川県16チーム、埼玉県3チーム、群馬県4チームの計30チームが競い、以下の7チームが決勝へと歩を進めた。同チームは、関西エリア代表である京都文教高等学校『ソナム』と夙川学院高等学校(他学校混合)『waiwai(ワイワイ)』、九州エリア代表である福岡第一薬科大学附属高等学校(他学校混合)『Empire(エンパイア)』と博多女子高等学校(他学校混合)『BODY-M(ボディー・エム)』とで優勝を争う。
<関東エリア選抜7チーム>
・桐光学園高等学校『TOP GEAR(トップギア)』
・神奈川県立海老名高等学校『kaboom(カブーン)』
・神奈川県立川崎北高等学校『INDIVIDUAL:』(インディヴィジュアル)』
・八王子実践高等学校『HAVOC(ハーボック)』
・学校法人盈進学園 東野高等学校『H・D・T(エイチ・ディー・ティー)』
・川口市立川口高等学校『川口市立川口高等学校ダンス部』
・群馬県立伊勢崎清明高等学校『Nova(ノーヴァ)』
白熱のダンスバトル決勝! それぞれの思いを滾らせたパフォーマンスの結果は・・・?
ひとチームごとに大きな歓声が舞う決勝大会。およそ4分間の曲をテーマにしたダンスには、これまでの練習のすべてが宿る。振り付けのひと振りひと振りに全神経を行き渡らせ踊る様子は、高校生らしさもあるが、ときおり見せる柔軟な表現や表情はまさに将来のプロダンサーを感じさせ、自然と会場は熱気に包まれていった。
45分間の決勝大会は、各チームのパフォーマンスに魅了され、瞬く間に終了。どのチームも表現に富み、甲乙付け難い。しかし、大会で表彰されるのは6位まで。ストリートダンス界の最前線で活躍するプロたちの審査結果は、以下となった。
<全国大会結果>
・優勝:『waiwai』
・準優勝:『ソナム』
・3位:『kaboom』
・4位:『川口市立川口高等学校ダンス部』
・5位:『Empire』
・6位:『TOP GEAR』
優勝を飾った『waiwai』は、アジアンテイストの衣装に身を纏い、“これでもか”というぐらいに迫力に満ちた踊りを見せた。また、ダイナミックなパフォーマンスながら、一方でメンバーたちの動きは見事に調和。静と動のバランスも印象的だった。準優勝の『ソナム』は当大会では異色ともいえるパフォーマンスを披露。テーマにした叙情的なJ-ポップも、決勝チーム中唯一だった。白を基調にした衣装や人の感情を如実に表したかのような振り付けも独特で、演劇を思わせた。3位の『kaboom』は、黒いスカジャンとブラックジーンズ、白いタンクトップというスタイリッシュな衣装で登場。決勝前の控えめなチーム紹介とは裏腹に元気いっぱいのパフォーマンスで観客を魅了した。これが本来の姿なのだろう、踊りには終始勢いがみなぎっていた。
4位〜6位の『川口市立川口高等学校ダンス部』、『Empire』、『TOP GEAR』もみな素晴らしいパフォーマンスを見せた。それぞれに個性があり、懸命さがあり、そして何より、自身の踊りを全力で人前に披露する意気込みを感じる。それは、結果発表後に行われた「フリーダンスタイム」でも見てとれた。
勝ち負けに関係なく、それぞれがそれぞれのパフォーマンスを行うフリーダンスタイム。CanDoo氏をはじめ、審査員やゲストパフォーマーを務めたプロダンサーも踊る。
そのなかで、学生たちは、“先輩たちに物怖じしない”パフォーマンスを余すことなく、かつ堂々と披露。大きな歓声と拍手のなか大会のラストを飾った。
【突撃ヒアリング】神奈川県の高校生ダンスチームの生の声
神奈川県は文化芸術への取組みとして、県をあげ「学校演劇・ダンス」の支援を行っている。また、各地域には「かながわ芸術劇場(KAAT)」をはじめ、さまざまな演劇・ダンスに触れられる(発表できる)施設が用意されている。
今回、神奈川チームの参加は関東エリア予選のなかで16チームと最多であった。ここから見ても、「踊りたい・表現したい」という気持ちと、それを支える「充実した受け皿」があることが伺える。来年の「第4回全国高等学校日本大通り ストリートダンスバトル」然り、次世代を担う若き神奈川ダンサーの登場が楽しみだ。
そこで、学生の声を聞くべく、大会に参加した神奈川県下の高校生ダンスチームである『kaboom』、『TOP GEAR』、『idiota(イディオータ)』、『spila(スピラ)』にヒアリングを敢行。大会レポートの最後は、大会や日ごろのダンス活動などに対する、学生たちの生の声で結ぶこととする。
『kaboom』:神奈川県立海老名高等学校 横山友哉くん
3位になることができ、とてもうれしく思います。チームの練習成果を発揮することもそうですが、応援してくれる部活のメンバーのためにもよい結果を残したいと思い頑張りました。ダンスをはじめたのは小学1年生のころです。姉の影響から習いたいと思い、それからずっと続けています。海老名高校は勉強もダンスも両立できると聞き進学しましたが、その通りの活動ができていると実感しています。
『TOP GEAR』:桐光学園高等学校 佐々木健祐くん
正直に言えば、ストリートダンスバトルの出場が決まったときは不安でいっぱいでした。参加チームのなかでは最少人数の2人ですし、また、だからこそ当初はお互いの息を合わせるのがたいへんでした。でも、5ヶ月間の練習のなかで、「ふたりだからこその強み」を見つけることができ、次第に「TOP GEARにしかできない、パフォーマンスを見せる」という自信を持つことができました。6位という結果もその成果だと思いますし、うれしいです。
『idiota』・『spila』:神奈川県立小田原高等学校 力久望さん、ダンス部顧問・安藤先生
力久さん:最初は皆、初心者だったので練習もはじめてのことだらけでした。また、それぞれ挑戦してみたいダンスがあるので、チームとして一丸になって取り組むというのもたいへんでした。でも、こうして大会に出場して「ひとりのダンスでは感じられない充実感」も覚えています。来年は先輩として、練習や大会で学んだことを伝えながら、より自身のダンスにも磨きをかけ、また出場をめざしたいと思います。
安藤先生:「全国高等学校日本大通り ストリートダンスバトル」は、少人数チームでも出場可で、前回から、予選出場審査が現地ではなく動画に変更となりました。当部活には、50名ほどの部員がいますが、部活動内のみで活動したいという子も少なくありません。そのなかで、大会に出場したいという子を出させてあげられる大会なので、たいへん魅力を感じています。