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2013.12.05

三谷幸喜×ニール・サイモン「ロスト・イン・ヨンカーズ」

今回は、三谷幸喜さんが敬愛する脚本家ニール・サイモンの作品『ロスト・イン・ヨンカーズ』を初演出したと聞き、

KAAT神奈川芸術劇場にて観劇しました!

 

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写真右 撮影:尾嶝太

 

物語の舞台は、1942年の第二次世界大戦中のニューヨーク州ヨンカーズという街。出演者は、ドイツからの移民で、過去のつらい出来事

により笑わなくなった母ミセス・カーニッツ(草笛光子)。ひとりの女性としての幸せをつかみたいと願う次女ベラ(中谷美紀)。愛する息子

二人を母に預け、借金返済のために出稼ぎ中の長男エディ(小林隆)、地元ギャングから身を隠すために家に舞い戻ったルイ(松岡昌宏)。

喋っているうちに過呼吸になってしまうガート(長野里美)と父エディの帰りを祖母ミセス・カーニッツのもとで待ち続ける二人の少年ジェイ

とアーティ(浅利陽介・入江甚儀)。この物語は、エディの二人息子の視点を通して進んで行きます。

 

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写真 撮影:尾嶝太

 

ジェイとアーティは、いかにも現代っ子(1940年代の?)らしく、父親を気遣い、場の空気を読み過ぎて度々失敗もする。厳格な祖母とハイテンションのベラおばさん(場面ごとに変わるその時代の衣装のワンピースも、ベラのチャーミングな魅力を引き立てていました。)、ギャングに追われていて、ちょっとヤバそうなルイおじさん(テレビで拝見している兄貴分的な印象と重なり、10代の少年達には父親とは違う大人として憧れるオーラを振りまいていました。)、出稼ぎ先から送られてくる父親からの手紙を頼りにしているジェイとアーティと祖母のやりとりはリズムが心地よく軽快でした。二幕になると長女ガートが登場!事情を抱えながら、ベラを気遣います。「女性として愛されたい」と切実な思いを告白し、母親に正面からぶつかるベラ。辛い過去を抱え素直になれない祖母。思いあっているのに、愛情表現がうまくできない家族の距離を少年たちが詰めていく…。三谷さんの演出の素晴らしさもさることながら俳優さん達の存在感が素敵でした。

 
個々の演技の掛け合いと変化がとっても心地よく、三谷さんが愛してやまないニール・サイモンの世界が、まるで三谷さん新作の様に感じ取れる舞台でした。
不器用ながら懸命に生きる姿を描いた「家族の物語」は、誰もが共感出来る世界。お薦めします!

 

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