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文化・歴史

江ノ電の歴史とこれから

江ノ電の歴史とこれから

江ノ島電鉄は日本で6番目に開業した電気鉄道で、2022年9月1日には開業120周年を迎えたとても歴史のある鉄道です。当時の日本は日清戦争に勝利し、産業が発達したことによる空前の好景気であり、全国各地に鉄道敷設の計画(第一次鉄道ブーム)があったといわれています。
そういった中、1900年に江之島電氣鐵道株式会社が設立されましたが、当初は人力車組合や近隣住民の反対などがあり、敷設はなかなか進まなかったそうです。それでも粘り強い説得と有志による土地の提供もあり、1902年(明治35年
9月1日)に藤沢-片瀬間の3.42Kmの営業区間で開業しました。

大山詣り精進落としの場となっていた江ノ島とすでに神戸まで延伸していた東海道本線の藤沢とをつなぐ路線は、開業当時から生活路線であるとともに観光路線であったともいえるでしょう。そこから、幾度かの延伸を得て、1910年に小町(現鎌倉駅付近)の全線(約10キロ)開業に至り、全線開業当初は、10.27Kmの路線に現在の2倍以上の39もの駅があったそうです。

また、その後も観光客や海水浴客のニーズなどに合わせ、駅の位置の変更や統廃合、改名などが行われ、(現江ノ島駅も昭和初期に片瀬から改名されました。)現在は全線10.0Kmに15駅となっています。

江ノ電の始発はどこだと思いますか?
江ノ電というと、鎌倉始発というイメージをもつ方が多いかもしれません。開業の歴史を知ると藤沢が起点となることがうかがえますね。(そのため、藤沢→鎌倉:下り、鎌倉→藤沢:上りと表現されています。)
藤沢-鎌倉間を走る江ノ電は、終点である鎌倉はもちろん江ノ島、七里ヶ浜、極楽寺や長谷など、その10.0Km区間内に日本でも有数の観光スポットがあり、年間多くの観光客が江ノ電を利用しています。

また、沿線には住居、学校なども多くあり、近隣住民の皆さんの生活路線としても利用されています。(民家と民家の間をぬうように電車が走り抜ける姿はすでに江ノ電の特徴ですよね)。

国内外で人気の江ノ電、コロナ前には約2,000万人という年間利用者がいたそうです。
コロナ下での厳しい運営を経て、アフターコロナにどのように地域社会の発展に貢献していくのか江ノ島電鉄株式会社 総務部総務課 有吉洋一さんにお話を伺いました。

Q コロナ前には年間約2000万人という多くのお客様が利用される路線でした。コロナ下で利用客数は5割以上減少したと伺っていますが、訪日外国人の規制緩和や国内旅行客の移動緩和により、どの程度まで利用客数は回復してきていますか。

ー2020年度と2021年度との比較では2割増です。
 コロナ感染最盛期との比較では3割減になります。
 1年前の同時期(1月)同時期では、増加しています。

Q. お客様が安心して利用されるために、江ノ電ではどういった感染予防対策を行っていますか。

主な実施内容は次のことになります。
・全駅係員、全乗務員の健康管理の徹底、勤務中のマスク着用、出社前の検温の実施
・全駅の券売機画面や手すり等の消毒、電車バス車内の消毒
・混雑した車内の換気を呼びかけるアナウンス、係員における窓開け換気
・当社ホームページ、駅構内、電車バス車内アナウンス等によるお客様への告知案内

Q. 江ノ電は観光路線と生活路線という2つの異なる性質を持つ路線ですが、アフターコロナで観光客が多くなってくることが予想されます。今後、観光客と近隣住民の双方の利便性を維持するためにどのような施策が必要と考えていますか。

引き続き、安全対策、新型コロナウイルス感染拡大防止対策に万全を期して多くのお客様をお迎えしたいと考えております。

Q. 江ノ島・鎌倉地域の今後ますます発展していくために江ノ電はどのような役割を担うべきと考えていますか。

公共交通機関としての役割、時代の流れとともに地域のあるべき姿を、皆様と考え築き上げたいと思います。

Q. 2024年に向けて一言お願いします!

全線10.0kmの江ノ電には、歴史を刻むたくさんの魅力があります。
湘南地域へのお越しを社員一同お待ちしております。

神奈川ならではのレトロな雰囲気の江ノ電に会いに行ってみませんか。

まめ知識:江ノ電に聞いてみた!

Q. 開業当時の39駅を教えてください!
A. 39駅は下記になります。
1.藤沢 2・石上 3・川袋 4・藤ヶ谷 5・鵠沼 6・新屋敷 7・西方
8・浜須賀 9・山本橋 10・片瀬 11・龍ノ口 12・中原 13・土橋
14・神戸橋 15・谷戸 16・万福寺下 17・腰越 18・袂ヶ浦
19・日坂 20・矢沢 21・七里ヶ浜 22・峰の原 23・田辺 24・行合
25・追場 26・姥ヶ谷 27・無音橋 28・稲村ケ崎 29・砂子坂
30・極楽寺 31・権五郎社前 32・長谷 33・由比ヶ浜 34・海岸通
35・原の台 36・学校裏 37・大町 38・蔵屋敷 39・小町

120年の歴史の中で変化が見られないのは、「鵠沼」「稲村ヶ崎」「極楽寺」「長谷」の4駅だけなんですね。

Q. 江ノ電の歴史について教えてください!
A. 開業時から今日までの駅の変化は下記になります。
 全線開業時 39駅
 大正初期  40駅
 昭和初期  39駅
 昭和23年  13駅
 昭和25年~ 15駅

駅数が減った理由は、駅間(停留場)が短く数が多いため、定時運行に支障をきたしてしまったこと、係員の人員不足に伴う合理化策などだそう。

A. 全線開業までの歴史
 明治35年9月1日 藤沢―片瀬間 開業
 明治36年6月20日 片瀬―行合間 開業
 明治36年7月17日 行合―追場間 開業
 明治37年4月1日  追場―極楽寺間 開業
 明治40年2月 隧道の開通(唯一のトンネル)全長209m
 明治40年8月16日 極楽寺―大町間 開業
 明治43年11月4日 大町―小町間開業 (全線開業)
  ※藤沢起点10.27Kmに及ぶ全線開業

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