ゲイジュツか? スキャンダルか? ヌードなアート百花繚乱!
行って、みて、感じるアートの世界
File.1 横浜美術館「ヌード展」
絵画にせよ、彫刻にせよ、写真にせよ、アートの世界とヌードは切っても切れない関係にあると思う。なにせ、アートの原点ともいえるギリシャ彫刻は、スッポンポンの美しい男性像が代表作のひとつだもの。一方で、その「露出度」について論争が巻き起こるのは、洋の東西を問わず、いつの時代も変わらない。
だからこそ「ヌード展」という直球勝負なタイトルに好奇心を刺激され、横浜美術館へ足を運んでみた。
展示は、時代とテーマに沿ってヌードの変遷を辿ってゆく。
こちらは唯一撮影可能な作品、ロダンの「接吻」。
360度どこからでも眺められて、どう切り取るかはあなた次第。各々が自分だけのお気に入りアングルを探して、何度もシャッターを切っている。このシーン自体がアートのよう。
*混雑の状況により撮影が中止となる場合があります(編集部・注)
「冷たく硬い大理石から、温かくてやわらかな肉体を切り出した」と誰かが言っていたけれど、まさにその通り。なめらかな肌に思わず触れたくなるけれど、もちろん、展示作品に触れてはいけません!
展示会では、古典文学や神話、聖書を題材とした歴史画としてのみ許されていたヌードが、時代の流れとともにリアルなテーマで描かれるようになってゆくことがよくわかる。
なのだけど、20世紀に入ってキュビスムや抽象表現、さらにシュルレアリスムなどが台頭してくると「これって、セクシー?」という素朴な疑問が頭をかすめる。素人目には、どこが女性の裸なのかすらわからない…。
人間の体が100年や200年でそう変わるわけではないのに、アーティストの視点ってすごい。「わかる」とか「わからない」とか言う前に、画家たちの自由過ぎる表現にノックダウンされてしまった。
会場内を一巡してエントランスホールに戻ってくると、レイトンの『プシュケの水浴』と一緒に記念撮影できるスポットが。傍にはヴェールが用意されているので、モデルと同じポーズをとって撮影→インスタグラムにアップ!
ミュージアムショップには、英国テートのコレクションである「ヌード展」にちなんで、紅茶やお菓子など英国らしい展示会限定グッズが並んでいる。
オススメは「ヌード展」オリジナルのミントキャンディー。「なぜ?」と思った方は、パッケージにロダンの「接吻」が入っていることをヒントに考えてみて。答えは会場にあります。
そして、横浜美術館のお楽しみといえば、1Fのカフェでいただく展示会限定メニュー。英国伝統料理を使った「ローストビーフサンド」にも惹かれたけれど、今回はアフタヌーンティーを気取って「ミルクティー」をオーダー。やさしい甘さのショートブレッドが付いているのが嬉しい♪
ちなみに、ミルクに合う特別ブレンドの紅茶とマグカップは、展示会の特設ショップで購入できる。
ヌード NUDE —英国テート・コレクションより
会期:2018年6月24日(日)まで
会場:横浜美術館
休館日:木曜日
開館時間:10:00〜18:00 *6月8日(金)は20:30まで
(入館は閉館の30分前まで)