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EVで行くエコな旅〜アーティストが愛した海と緑の半島を走る!

EVで行くエコな旅〜アーティストが愛した海と緑の半島を走る!

真鶴半島は、神奈川県南西部に“ちょこんっ”と飛び出した小さな半島です。小田原、湯河原という賑やかな街の間にあって、独自に定めた「美の基準」に適うまちづくりを選択した町には、豊かな自然と静かな暮らしが残されています。
画家たちにも愛された半島の風景を、環境に配慮したEVで訪ねてみました。

《今回のぶらり旅ルートはこちら》


スタートはJR真鶴駅前の交差点。国道135号を海側に曲がって県道739号に入れば、あとは基本的に半島を一周する1本道なので、迷う心配はありません。

坂を下って行くと、視界が開けて真鶴港が見えてきました。魚市場の隣にはヨットハーバーもあるので、ちょっぴりリゾート気分が味わえます。

魚市場の2階には、水揚げされたばかりの新鮮な魚介類をいただける和食レストラン魚座(さかなざ)が入っています。お天気の良い日には、オーシャンビューのテラス席が気持ち良さそうです。

朝10時から営業しているので、ちょっと遅めの朝ごはんをいただきました。
定食などのセットメニューもいろいろあって迷ってしまいますが、この日は「地魚三種丼」(1,780円+税)を選択。大満足です!

《魚座》
[営業時間]10:00〜15:00
[定休日]不定休
[住所]真鶴町真鶴1947-2
[TEL]0465-68-6511
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

町の鎮守さま貴船神社は港のすぐ近くなので、ご挨拶を忘れずに。
その歴史は古く、寛平元年(889年)の創建と伝えられ、大国主神、事代主神、少彦名神が祀られています。

貴船神社と言えば、毎年7月27、28日に行われる勇壮華麗な祭礼「貴船まつり」が有名です。山上の社殿より神輿が海上を渡御し、町内にお出ましになるという形式が特徴で、国指定重要無形民俗文化財にも指定されています。

《貴船神社》
[住所]真鶴町真鶴1117
[TEL]0465-68-0066
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

しばらく海岸線を走ると、琴ヶ浜海岸が見えてきます。日本のダイビング発祥の地として知られるだけあって、海の透明度が素晴らしい!
駐車場や遊歩道が整備されているので、休みの日にはお弁当を持った家族連れの姿も多く見られます。

やや急な坂道を登ると、道はお林の中へと続きます。
お林は、江戸時代、明暦の大火で材木が大量に必要になった際に、幕命により小田原藩に割り当てられたマツ苗を植林したことにはじまります。明治維新後に皇室御料林となったことから一般人の立ち入りが制限されてきましたが、戦後に国有林となり、昭和27年には真鶴町に払い下げられました。
現在は、樹高30メートルを超えるクロマツやクスノキをはじめ、数百種類の植物と野鳥が生息する原生林となっており、「魚つき保安林」として大切に保護されています。

お林を抜けると、真鶴半島の先端にあるケープ真鶴に到着。景勝・三ッ石へは、ここからすぐです。ケープ真鶴には、売店のほか喫茶や無料の休憩室もあるので、一休みしてから出かけましょう。

ケープ真鶴
[営業時間]9:00〜16:00(喫茶は10:00〜)
[住所]真鶴町真鶴1175-1
[TEL]0465-68-1112
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。
※ケープ真鶴は、運営者変更に伴い、2020年4月1日より営業内容が変更となります。詳しくはホームページ等でご確認ください。

施設前のロータリーの一角にEV急速充電器を発見! なんと無料!
利用受付は9時〜15時。ケープ真鶴の売店受付で鍵を借りて利用できます。でも、横浜からなら充電しなくても余裕で往復できてしまうので、この日は一般の駐車場に停めました。

ぜひ立ち寄って欲しいのが、ケープ真鶴の2階にある遠藤貝類博物館。真鶴町出身の貝類研究家・遠藤晴雄氏が生涯をかけて収集した、標本4,500種、50,000点などの所蔵品は必見です。また、「海のミュージアム」として、真鶴半島の自然の魅力を体験する様々なイベントを開催しています。

展示室では、真鶴の海で見つかる貝や相模湾に生息する貝だけでなく、日本では見つけることのできない珍しい貝も展示しています。

館内では「きらりと光る貝のクラフトキット」を販売。中にはアワビの貝チップが入っているので、同封のヤスリで磨いてストラップを付ければ、キラキラ輝くキーホルダーの出来上がり。世界に1つだけのオリジナルアクセサリーは、素敵な旅の思い出になりそうです。

真鶴町立遠藤貝類博物館
[開館時間]9:30〜16:30(入館は16:00まで)
[休館日]木曜
[入館料]大人:300円、小学生〜高校生:150円 *真鶴・湯河原町民:無料
[住所]真鶴町真鶴1175
[TEL]0465-68-2111
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

博物館から出たところには、真鶴の名産・小松石でつくられた彫刻作品が設置されています。2019年9月に開催された「真鶴町・石の彫刻祭」のために制作された彫刻家・冨長敦也氏の作品で、タイトルはずばり『ハート型の石(Love Stone)』。そっと触れたら、何か素敵なことがありそうですね。

画像提供:真鶴町観光協会

すぐ隣には、こんな素敵なスポットも誕生!
二人乗りなので、カップルでも、親子でも、仲良く楽しめます。

岬先端の展望台からは、初日の出スポットとして有名な三ッ石が望めます。見回すと、初島や伊豆大島、伊豆半島などが一望できます。
展望台の左手からは、海岸へと続く階段が整備されています。300段近くあるので、下まで降りたら戻ってくるのが辛そうですが…せっかくなので降りてみましょう。

間近で見るとやはり迫力が違います!
この付近の海岸は15万年前に噴出した溶岩によって作られたもので、貝類、エビ・カニ、魚類など多様な生物が棲息しているそうです。干潮時には沖に向かって伸びる200メートルほど岩礁が現れ、三ッ石まで歩いて渡れるそうですが、とても滑りやすいので、足元にはくれぐれもご注意を。

300段の階段を登ったら、ドライブ再開!
お林の中を走る道は大部分が一方通行のため、行きと帰りでは違う景色が楽しめます。エンジン音がない静かさは、EVの良いところ。木々のざわめきや遠くの潮騒を感じながら、のんびり走りましょう。
お林の中には遊歩道も整備されているので、ハイカーの姿もちらほら。巨木が道路にはみ出している場所もあるので、走行には注意が必要です。

一方通行区間を抜けると中川一政美術館が見えてきます。
1893年、東京に生まれた中川氏は、終戦後の1949年に真鶴町にアトリエを構え、この地を拠点として創作活動を行いました。

真鶴を愛した中川氏は、半島西側の付け根にある漁村「福浦」をはじめ、「薔薇」や「向日葵」などを好んで描きました。また、岩絵具を用いた岩彩、書、陶芸などの作品も遺されており、美術館を巡るほどに、その幅広い才能に魅了されます。

美術館の近くには、中川氏のアトリエが再現されています。実際に使用された絵具、キャンバス、家具などがそのまま移された空間は、今でも画伯が創作活動を続けているかのようです。

真鶴町立中川一政美術館
[開館時間]9:30〜16:30(入館は16:00まで)
[休館日]水曜(祝日の場合は開館)、12月28日〜1月3日
[入館料]大人:600円、高校生以下:350円
[住所]真鶴町真鶴1178-1
[TEL]0465-68-1128
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

真鶴を愛し、移り住んだ画家は、中川氏だけではありません。南仏カーニュで画家として40年にわたって活動してきた堀田高氏もその1人。日本に帰国する際“南仏に似た風景”を探す中で出会ったのが、真鶴だったそうです。そして2014年、自身の作品を展示するために堀田高洋画館をオープンしました。

洋画館として公開されているのは、ある実業家が建て、その後医者の別荘として使用されていた建物です。リビングの大きな窓からは箱根連山、伊豆半島、相模湾が一望でき、とっても気持ちいい!

堀田氏は数年前に亡くなられたため、現在は奥様がほぼ一人で切り盛りされています。明るい色彩の作品に囲まれ、南仏で過ごした日々の思い出話を伺っていると、ここが日本であることを忘れてしまいそうです。

堀田高洋画館
[開館時間]11:00〜16:30
[開館日]土・日・月曜
[入館料]無料
[住所]真鶴町真鶴1414
[TEL]0465-68-5032

真鶴港に戻ったところで、可愛いらしいレストランhonohonoを見つけました。白い壁と海に面した大きな窓は、ヨーロッパのリゾート地にありそうなおしゃれな佇まいです。

お店の中は、自然光がたっぷり入る居心地の良い空間。ゆったりした椅子など北欧風のインテリアに囲まれて、落ち着いて食事ができそうです。
ちなみに店名はハワイ語に由来するそうで、「hono」は「入江」、「honohono」で「お散歩」の意味だとか。

ランチはセットメニューで、メインを魚、肉、パスタ2種、カレーから選べます。ここはやはり「魚ランチ(1,580円+税)」をチョイス。せっかくなので、ノンアルコールのワインもプラスしてみました。
この日のメインは、ブリのコンフィに、フレッシュトマトのアーリオオーリオ・ソース、地元産なばなのフリットなどを添えて。見た目はちょっと地味ですが、お味は「これ、なに?」と思うほど感動的なおいしさ! 前菜も、サラダのドレッシングに至るまで1品ずつきちんと手間がかけられていて、1皿に幸せが詰まっています。
魚は目の前の真鶴港で水揚げする漁師さん直送、野菜は半島にある高橋農園さん直送と聞いて、「おいしくないわけないよね」と納得しました。

こちらは「サバ黒七味のパスタ アーリオオーリオ(1,280円+税)」。サバ黒七味とは、真鶴の伝統的な干物技術にアレンジを加えて開発された「アタラシイヒモノ」の1つだそうで、これまた食べたことのないおいしさです。本来はディナーのメニューですが、今回は予約して特別に作っていただきました。
真鶴の宝が詰まったオリジナリティあふれる創作料理の数々…。堪能いたしました!

オマケの1枚。
店内には熱帯魚が泳ぐ水槽があるので、インテリアかな…と思ったら、この熱帯魚も真鶴港で“水揚げ”された魚だとか。海流に乗って相模湾まで来てしまったものの、南の海には戻ることができず、漁師さんに保護された魚たちのようです。

honohono
[営業時間]ランチ11:30〜14:30(LO)/ディナー17:30〜20:30(LO)
[定休日]火・水曜
[住所]真鶴町真鶴1027
[TEL]0465-20-8556
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

honohonoでいただいた「アタラシイヒモノ」を開発した干物屋さんが近くにあると聞いて、訪ねてみました。1877年創業の魚伝です。
店先では真鶴港から届く魚をせっせとさばき、干物づくりの真っ最中。お土産用の干物を物色していたら、店頭の「イカ爆弾」という看板が目に入りました。お店の方に聞いてみると「すぐ揚げるから、5分くらい待っててね」との答え。はい、もちろん待ちます!

こちらが「イカ爆弾」。
簡単に説明すると、ジャガイモとイカと飴色玉ねぎの中にチーズを入れ、イカスミ入りパン粉を衣に揚げたコロッケです。見た目はなかなかなインパクトですが、これまた新しいおいしさを発見! オヤツにぴったりのサイズですが、ワインと一緒にいただいてもバッチリ合いそうなので、まとめ買いしてお土産にしました。

《魚伝》
[住所]真鶴町真鶴671
[TEL]0465-68-0467
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

真鶴で忘れてはならないのが、荒井城址公園です。11世紀に荒井実継の居城があった場所を整備したもので、山の中腹にあるため、園内を1周するだけでもいい運動になります。

ふだんは静かな公園が賑わうのは、3月下旬の桜の季節。園内のしだれ桜がいっせいに開花し、それはそれは見事な光景です。

《荒井城址公園》
[住所]真鶴町真鶴1789

真鶴半島でもう1軒、ぜひ訪れたい食事処があります。半島の西側、福浦漁港の奥にあるみなと食堂です。

ここの特徴は、魚の鮮度、おいしさもさることながら、このボリュームです。4〜6種類の魚が味わえる「刺身定食」をはじめ、あら煮、焼き魚、フライなどなど、どれも迫力満点。メニューは20種類以上あるので、迷ったときは、いろいろ楽しめる「みなと定食(2,100円+税)」がおすすめです。

《みなと食堂》
[営業時間]11:00〜15:00(LO 14:30)
[定休日]水曜
[住所]湯河原町福浦109-2
[TEL]0465-20-7005
*公式サイトはこちらからご覧いただけます。

駅前まで戻ったら、洋菓子店タカヤナイでお土産を買うことをお忘れなく。
狙うは「あじサブレ」!
ケープ真鶴などでも購入できますが、製造元のお店なら1枚から購入できるので、お土産用とオヤツ用、両方ゲットできます。(1枚130円・税込)

アジの形をしているから「あじサブレ」なのではありません。なんと、生地には天日干ししたアジの粉末が練り込まれているのです!
もちろん、アジの粉末が入っているといっても魚臭さは一切ないのでご安心を。干物をデザインしたパッケージとサクッとおいしいサブレのミスマッチがユニークで、誰に贈っても笑顔になってもらえること請け合いです。

《タカヤナイ》
[営業時間]9:30〜19:00
[定休日]火曜(祝日の場合は翌日)
[住所]真鶴町真鶴1812
[TEL]0465-68-0304

撮影協力:日産自動車株式会社
使用車両:日産リーフ e+

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