3月25・26日、「かながわ短編演劇アワード2023」開催
演劇及び戯曲のコンペティション「かながわ短編演劇アワード2023」が、令和5年3月25日(土曜日)及び26日(日曜日)KAAT神奈川芸術劇場大スタジオにて開催され、上演作品の中から大賞を決定します。
「かながわ短編演劇アワード2023」には、今年1月に行われた予選とも言える「22世紀飛翔枠選抜大会」(県内高校生選抜大会)において、上演権を獲得した上位2団体が出場します。
今回は見事上位2団体に選抜された「県立座間総合高等学校演劇部」と「魔法少女JINDAIS☆(神奈川大学附属高等学校演劇部)」のみなさんにアワードへの意気込みを伺ってきました。
【県立座間総合高等学校演劇部】22世紀飛翔枠/3月25日上演予定
部員の内田さん(娘役)、佐藤さん(母役)、演劇部顧問の三人にお話を伺いました。
-大会への応募動機と、上位2団体に選抜されたときの感想を教えてください
11月下旬に顧問から私たち2人に「大会に出てみないか」と声をかけてもらいました。役者としてとてもやりがいを感じ、嬉しかったことを覚えています。
前年の大会はコロナウイルスの影響で棄権となってしまいましたが、今年は状況も少し落ち着いてきて、参加できるのではないかという希望を感じ、挑戦してみることになりました。
上位2団体に選抜されたときは、とても嬉しかったです!運に恵まれたと感じました。
高校演劇では珍しい「審査員や観客を巻き込んだ演出」を評価していただけたのではないかと感じます。
-上演作品(演目)の内容紹介と見どころを教えてください
コメディ作品「お前が邪魔で勉強ができない」を上演します。
登場人物は母と娘の2人。受験勉強の邪魔をされたくない普通で真面目な娘の部屋に、娘にかまって欲しい気持ちが強く、かつ面白くてちょっと個性的な母が突然入ってきて、あの手この手で勉強の邪魔をしていく。そんな母と娘のやり取りを壁の向こうで見ているのが観客、という舞台設定です。
母と娘の正反対な性格の差を、面白く描いているところがポイントだと思います。
そしていちばんの見どころはやはり、高校演劇ではあまり使われない、審査講評でも好評をいただけた「観客を巻きこんだ芝居」です!
芝居をしながら観客のみなさんの特徴をつかんで巻き込んでいくので、一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。
-練習で大変だったことがあれば教えてください
準備期間が約3週間と短いなかで、初挑戦のコメディ作品を仕上げていくのは大変でした。
自由に演じていいと言ってもらえたので、様々な動きに挑戦してみました。
自由度が高いだけに、自分たちで観客の反応を得るためにどう動いたらいいのかなど、ひとつひとつ考えながら演じることはとても難しかったです。
練習の度にセリフを修正、さらに予選会の当日までセリフの修正は続き、新しい演出にチャレンジしていったことは、大変ながらも楽しいものでした。
難しいことを自分たちで考えながら乗り越えていくことで、役者として少しずつ成長できたと思います。
-最後に、本戦への意気込みと、来場者にひとことお願いします
観客のみなさまに全力で楽しんでもらえるよう、私たちも全力で楽しみながら演じたいと思っています!
そして、見てくださった観客のみなさまにお願いがあります。ぜひ、アンケートへのご協力をお願いします。
普段、私たち高校生のお芝居について評価をいただける機会が少ないため、勉強のためにもご意見を寄せていただけると、とても嬉しいです。
入場する時にアンケートが配られますので、気軽にご意見していただけたらと思います。
【魔法少女JINDAIS☆(神奈川大学附属高等学校演劇部)】22世紀飛翔枠/3月26日上演予定
部長の松本さん(誠一役)、部員の和栗さん(マホ役)、窪田さん(黒猫グー役)の三人にお話を伺いました。
-大会への応募動機と、上位2団体に選抜されたときの感想を教えてください
2020年に開催された飛翔枠選抜大会で、私たち演劇部の先輩方が最優秀賞に選ばれましたが、当時はコロナ禍で、KAAT神奈川芸術劇場での上演が叶いませんでした。
最近は世の中の状況も落ち着いてきて、当時叶えられなかったKAATでの上演も可能なのではと考え、先輩方の想いを背負って大会に挑む決意をしました。
本戦前に審査委員の方による指導が受けられる上位1団体に選ばれたときは、今までに感じたことのないほど、驚きの気持ちでいっぱいでした。
練習中、部員みんなが笑顔の絶えない雰囲気で過ごせたことが、一体感のある演技につながって評価していただけたのかなと感じています。
先輩方も上位団体に選抜されたことをとても喜んでくれました。KAATで、この劇を上演できることがとても嬉しく、楽しみです!
上演作品(演目)の内容紹介と見どころを教えてください
「マジカル人付き合い」という作品で、脚本は私たちのOBでもある演劇部のコーチです。
魔法使いのマホが、アパートを舞台として繰り広げるドタバタラブコメディー。
新しく引っ越してきた青年・誠一に魔法使いだということがバレてしまい…そこから個性豊かなキャラクター達が次々とストーリーを展開していきます。
16人のキャラクターを、8人で演じているところにも注目していただきたいです。
作品の見どころは、マホとアパート住民のやりとり。矢継ぎ早にテンポよく進んでいくのですが、キャラクター同士の絡みがどこを取っても面白いと感じていただけると思います。
また、クライマックスでマホの感情が一番わかりやすく表現されています。観客のみなさんにも共感してみてほしいな、と思います。
-練習で大変だったことがあれば教えてください
本番までの練習時間が約1ヶ月と短かったことです。
その中で、魔法使いや猫など、人間ではない役に感情移入することや、動きや仕草を考えることが大変でした。
また、コメディ初挑戦で、特有のスピード感に慣れるまで時間がかかり、まともなシーンとボケ・ツッコミシーンのバランスを取りながら演じることも大変だったなと感じました。
大変でありながらも、部員は先輩後輩の距離が近く楽しく練習できたことや、劇団に所属するコーチからプロ目線の意見をもらうことでグッと成長できたので、私たち演劇部の魅力を再確認できる良い機会となりました。
コロナ禍を乗り越えてたどり着いた晴れ舞台。大勢の観客の前で演劇ができる喜び、役になりきって全力で楽しむ高校生たちの生き生きとした姿をぜひ会場でご覧ください。