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演劇・ダンス

ニュースタイルグループ「MWnoズ(モウィノーズ)」の凱旋公演が決定

ニュースタイルグループ「MWnoズ(モウィノーズ)」の凱旋公演が決定

かながわ短編演劇アワード2022で演劇コンペティション大賞に輝いた団体「MWnoズ(モウィノーズ)」による受賞記念公演が、2023年12月14日~17日に神奈川県立青少年センター スタジオHIKARIで開かれます。今回は、作・演出をしている3人を迎えて見所を伺いました。

2つのダンスカンパニーが集まって

初作『ROBIN』より(画像提供:MWMW)
「MWnoズ」は、MWMW(モウィモウィ)主宰の高橋萌登(たかはしもと)さんとVon・noズ(ぼんのーず)の 久保佳絵(くぼかえ)さん、上村有紀(かみむらゆうき)さんが立ち上げたニュースタイルグループ。別々のダンスカンパニーを率いる3人の振付家が抽象表現に具体性を持たせることを目指しています。

グランプリに輝いた『ROBIN』は、ダンスと演劇の新しい融合の形を模索し創作したMWnoズの初作でした。

不安と葛藤があった『ROBIN』

初作『ROBIN』より(画像提供:MWMW)
―かながわ短編演劇アワード2022では、グランプリ受賞おめでとうございました。まずは選ばれた時の気持ちを聞かせてください。

MWnoズ:大賞を受賞したときは、正直驚きました。
短編演劇で競うコンペにおいて、ダンスが多く盛り込まれた私たちの作品はそもそも演劇として見てもらえるのだろうかという不安と葛藤があったからです

―『ROBIN』は、新しい演劇に挑戦する同アワードにふさわしい作品だったと思います。

上村さん:普段はダンスの畑で活動をしているので、反応をいただけたことが純粋にうれしかったです。本来とは逆の順序かもしれませんが、受賞したことでMWnoズという活動体の特性をより深く大切に考えるようになりました。ダンスは一切しゃべらないというジャンルではないですが、言葉の少ない世界で表現と向き合ってきたからこそ、行き着く世界があると信じています。

―他にも印象的だったことはありますか?

久保さん:同世代の演劇作品をモニター越しでも見ることができたのは刺激的でした。コラボとしては活動歴が浅い分、自分たちのカラーや演劇・ダンス・表現を改めて考えるいいきっかけになりました。

高橋さん:かながわ短編演劇アワードの結果発表が、結果だけ伝えられるのではなく公開審査だったので、自分たちの作品が演劇作品としてどう評価されるのか興味深かったです。結果的にグランプリにつながり、最初はあまり実感が湧かなかったのですが、MWnoズとして新しい表現方法や創作の仕方を見つけることができて挑戦してよかったと思いました。

ダンスを言語に 長編作品『人ぐらむ人』


『人ぐらむ人』リーフレット(画像提供:MWMW)
―12月14日から上演される『人ぐらむ人』は、『ROBIN』に続く長編作品だそうですね。

MWnoズ:『人ぐらむ人』は“多様な表現で何気ない会話を何者かにする”というテーマの作品で、今回が初披露となります。『ROBIN』からのつながりも見どころの一つで、MWMWの3人とVon・noズの2人、5人で初めて挑みます。

上村さん:MWMW×Von・noズ、ダンス×演劇の倍倍パフォーマンスとリーフレットに載せたのですが、文字どおりスケールアップをしておりますので、ほっこりして笑って、ちょっとハッとして楽しんでいだけたら幸いです。両グループの得意なアプローチ、それぞれのアイデア、考えをできる限り尊重し、常に三通りの答えがあることを大切な軸と捉えて創り進めた感覚があります。三者三様の解釈がある作品なので、お客様にもそれぞれの答え合わせが起こったらうれしいです。

―こだわりが多くて興味深いです。他にも見どころはありますか?

MWnoズ:実は正直なところ、自分たちの在り方を把握するきっかけをくれたのが『ROBIN』のグランプリ受賞で。演劇は言葉で、ダンスは体の表現。では、ダンスを言語として捉えてみたらどうなるだろう。「ダンサーが作る演劇ってこういう形になるんだ」と、大賞を受賞したことによって私たちの中の表現スタイルがはっきりとしてきた感覚があります。

高橋さん:作品を作っていく中で+(プラス)ではなく×(かける)として、どちらかに偏るわけではなく、ダンス×演劇作品だなと感じるので、これも一つの表現方法として届けたいです。普段ダンスや演劇になじみのない人でも楽しめる作品だと思うし、ダンスや演劇などをやっている人にも観てほしいです。

YouTubeで『ROBIN』のノーカット版も公開しているので、そちらをチェックしてから会場にお越しいただけたらより楽しめるかもしれません。

―最後に、今回の神奈川・横浜公演への意気込みを聞かせてください。

上村さん:幼い頃は横浜と言えば中華街。横浜ダンスコレクションを知ってからは横浜で数々のアートイベントが開催されていることを知り、その印象は芸術の街へと変わりました。港町という土地柄、交流が盛んな印象もあります。熱く活気があるエリアで作品が上演できるのは光栄ですし、やっぱりワクワクします。

久保さん:横浜はKAAT神奈川芸術劇場や神奈川県立県民ホール、横浜赤レンガ倉庫、小劇場やアートスペースもたくさんあって、芸術に力を入れている街という印象。私たちも横浜で上演できるのは、とても楽しみです。今回は「横浜国際舞台芸術ミーティング2023(YPAM2023)」というアートの祭典時に上演することもあり、屋台に行くような感覚でいろいろな会場をはしごする中でMWnoズの公演にも足を運んでもらえたらうれしいです。

高橋さん:これまでもダンス公演で横浜のあちこちで作品を上演してきましたが、今回は横浜国際舞台芸術ミーティング2023(YPAM2023)に参加しフリンジプログラムの一つとしてその時期に公演が行えます。自分たちの活動をより多くの人に知ってもらえるチャンス。海外からも観客が来るので、横浜から世界へ羽ばたくきっかけになればいいなと思っています。

《MWnoズ》
『人ぐらむ人』特設ページ:こちら
受賞作『ROBIN』フルバージョン(YouTube):こちら

MWnoズ『人ぐらむ人』
日時 2023年12月14日(木)~17日(日)
会場 神奈川県立青少年センター スタジオHIKARI〔神奈川県横浜市西区紅葉ケ丘9-1〕
作・演出・振付:高橋萌登、上村有紀、久保佳絵
出演:高橋萌登、上村有紀、久保佳絵、金森温代、中谷友紀

《MWMW》

写真左から、MWMW:高橋萌登さん、中谷友紀さん、金森温代さん(画像提供:MWMW)
公式ホームページ:こちら
Instagram:こちら
YouTubeチャンネル:こちら

《Von・noズ》

写真左から、Von・noズ:上村有紀さん、久保佳絵さん(画像提供:Von・noズ ©齊藤優作)
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