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神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」。
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演劇・ダンス
ストリートダンスシーンをリードするプロダンサーによる座談会インタビュー!
2018.02.28

神奈川には素晴らしいダンス環境がある

−パフォーマンスのたびに大きな歓声があがり、とても盛り上がりを見せた決勝大会でした。皆さんの率直な感想をお聞かせください。

 【だーよし】皆、すごい熱を持って踊っているのが伝わってきました。気持ちを込めて練習してきたのが手に取るようにわかって・・・、こちらも気持ちを揺さぶられるというか、審査する側としても、うれしく感じました。“わかる、わかる、やっぱりダンスってこうだよな、って(笑)。

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 【Mikako Kano】あと、私はうらやましいなとも思いました。私たちの時代って、こういう大会が少なかったし、そもそも発表の場も限られていたんですよ。

 【CRAZY SHIZUKA】確かにそうだよね。当時のコンテストといえば・・・、「DANCE DELIGT」ぐらい? だから、自分の練習の成果を不特定多数の人に見せられる場所って貴重だったんです。でも今は、コンテストがたくさんあるので、いいなあ、と。

 【だーよし】そのなかでも、「全国高等学校日本大通り ストリートダンスバトル」って、スゴいよね。だって、神奈川県のサポートで開催している大会で、さらに今日は黒岩知事もいらっしゃった。前例のないコンテストなんじゃないかな。

 【CRAZY SHIZUKA】素晴らしいと思う!

 【Mikako Kano】うん。ダンスって、自分でテクニックを磨いていくものだけど、やっぱり成長するためには環境も大切。神奈川県はそこが充実しているし、魅力を感じました。

−プロの目からみて、学生のダンスに何か感じられたことはありますか?

 【だーよし】皆、上手いよね。部活で日々練習していたり、本気で大会をめざして取り組んできたからなんだろうけど、レベルが高い。

 【DJ HIROKING】だね。しっかりと成果を出せる、ダンサーとして成長していけるような練習をしてきた感じがする。それは、自分本位じゃなくて、ちゃんとアドバイスしてくれる先生がいるっていうこと。スマートな環境ができているんだよね。

僕らの時代は、手探りでパフォーマンスを探求していった

−ダンスを学びたい学生にとって、よりよい環境があるということですね。反対に、皆さんのころと比べて、違うことや気になった点はありますか?

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 【DJ HIROKING】さっきの話と相反するかもしれないけど、強いてあげれば「洗練され過ぎている」っていうのはあるかな。例えば、ヒップホップ、ジャズヒップホップ、ロッキング、ポッピング、ブレイキングなど・・・、ダンスにはたくさんのテーマがありますが、学生さんたちの踊りを見ていると、“はじめから、わかっている”と感じる。どういうことかというと、「○○のダンスって、こういうものだよね」と認識して踊っているということ。つまり、それぞれのダンスの型をすでに知っているんです。

 それはたぶん、先生から教わったり、YouTubeなどでも手軽にダンスに触れられるからだと思いますが、僕からするとそれゆえ「手探り感」が少ないかな、と。僕らの時代って、情報を得えられる環境が充実していなかったから、何をするにしても、まずは手探り。ああしてみようとか、こうしてみようとか、その都度考えながら、テクニックを磨いていた。そして、その繰り返しで、今日があると思っています。でも当時とは時代も違うし、それは良し悪しではないと思いますが・・・、“冒険”もときには必要かなと感じますね。それが結果的に間違いだったとしても成長につながるし、あと、のちに大きな個性になる可能性だってある。“おお、こんなダンス見たことない”(笑)って、それが板についていれば、プロになっても最高の魅力ですよ。

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 【だーよし】それは僕も同意しますね。少し極端かもしれませんが、型をしっかりと身に付けたり、先輩の技術を学ぶのは、プロになってからでも遅くはないと思う。一線に立てば、それはイヤというほど求められることですから。だから、その時代、つまり学生だからこそできるダンスにも、ぜひ取り組んでもらいたいですね。

【CRAZY SHIZUKA】そうだよね。いろいろなことにトライしてみる、“あそび心”って、すごい大切なことだと私も思う。

めざしてもらいたいのは、1カウントで人を惹きつける、「とにかく、かっこいい」ダンス

−本日の特別審査委員長を務られたCanDooさんにお聞きします。どのようなポイントを重視して、今回受賞チームを選んだのですか?

 【CanDoo】先ほど、みんなが話していたことも、もちろん重視しました。どこかで見たことがあるものではなく、自分たちで考え抜いたパフォーマンスであるか否かですね。

 そして、もうひとつ重視したのが「さまになっているかどうか」ということ。やはり、練習の成果を発揮するという気持ちのあまり、肩の力が入り過ぎているチームが目立ちました。でも、それは本気でダンスをしている表れだから、当然といえば当然です。そのなかで、僕は「音楽の音を取ろうとしてダンスする」のではなく、「踊りと音楽が一体になっているように感じた」チームに注目していきました。これは審査じゃなくても、僕が求めるダンスの重点にもなっていますし、これまで影響を受けたダンサーも、やはり音楽との一体感がスゴい。なので、総合力ですね。ダンスのキレやチーム全体の動きのバランスといった要素的なことも大切ですが、「よりナチュラルなパフォーマンス」ができているかを基準に選定しました。

−最後に、次世代のダンスを担う学生たちにメッセージをお願いします。

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 【CRAZY SHIZUKA】 “垣根のない”ダンスをめざしてもらいたいと思います。例えば、コンテストはコンテスト、フリースタイルはフリースタイルとのように、最近は音楽のチョイスやパフォーマンスに区別をつけている若い子が少なくないかな、と。区別しないというのも難しい面もあるかもしれませんが、ニュートラルな意識を持って、純粋にダンスを楽しんでもらいたいと思いますね。

 【Mikako Kano】ぜひ、今にしかできないダンスを踊って欲しい。荒削りだけど、がむしゃらで、若いエネルギーにあふれているダンスがもっと見てみたいなと思います。よりテクニックを磨いていくことも大切ですが、「そのとき踊りたい気持ち」というのはそのときだけのものですから、ぜひ“自分たちのダンスはこうなんだ!”という思いにあふれたパフォーマンスをそれぞれにつくっていってもらいたいです。第4回のストリートバトルをとても楽しみにしています!

 【だーよし】ダンサーである以上、「音楽のチョイス」も大切にしてもらいたいですね。ダンサーは音楽の力を借りて、自らのパフォーマンスを見せる。つまり、音楽はパフォーマンスの生命です。だから、得意だからこの曲を選んだという以前に、どんな曲なのか? 曲が生まれた背景だったり歌詞の内容に納得してテーマにすることが大切。それが、よりダンスに深みを与えることにつながります。

 【DJ HIROKING】心の奥そこからくる感動をいつまでも大切にしてもらいたいと思います。例えば、誰に見せるわけでもないんだけど、好きな曲をかけて無我夢中にダンスしているという。そこから、その人だけにしかない個性って生まれてくるものだと思いますし、逆に人はそこに感動するものだと思います。Dance like no one is watching!

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 【CanDoo】こういうよい環境があるのだから、“立っているだけで、お客さんを湧かせる”ようなダンサーにどんどん出てきて欲しいですね。そして、若い子たちにも、ぜひそこをめざしてもらいたい。ダンスが上手い、と言われるのもスゴいことですが、それとは少し違って、とにかくかっこいい。音楽がはじまって、1カウントでそのダンサーが動くだけで、おおっ、と思わず周囲から歓声があがるような。そこをめざすには、もちろん普段の練習も欠かせないけど、やはり自分のダンスを見つめながら、自分だけにしかできない踊りを探求していくことが大切だと思います。

  • 地域
    横浜市(ベイエリアを除く)