スタジオ訪問記 ― 開発好明さんのスタジオを訪ねてきました！

TEXT:井上明子 PHOTO:西野正将 2015.6.18公開

Bankart studio NKYに、現代美術作家の開発好明さんを訪ねてきました。
現在Bankartでは49組のアーティスト・クリエーターが滞在制作をしています。
6.20（土）〜28（日）の間は、滞在中の作家たちが、3ヶ月間の滞在の成果を披露する「BankART Artist in Residence OPEN STUDIO 2015」の開催も予定されています。

開発さんのスタジオは、BankART3階の階段を上がって右手奥のスペース。
さっそく訪ねてみました。

開発好明さんとは・・・

ご存知の方も多いと思いますが・・・
トラックにアート作品を詰め込み、日本列島を移動しながら行う展覧会「デイリリー・アート・サーカス」や、福島県南相馬市にオープンさせた「政治家の家」など、開発さんの作品は、作品そのものにコミュニケーションが内包されていたり、作品がコミュニケーションを誘発したりと、いつのまにか私たちの行為そのものが、作品の一部になっているということがよくあります。

現在、開発さんが制作中の作品について・・・

さっそく、現在取り組んでいる作品についてお話をうかがってきました。

こちらは、木材やビニールなどを用いてつくられたオブジェや平面作品ですが、なんと、これら全ての作品を、200円〜購入することができるんです。
200円以上であれば、自分の好きな価格に設定できるのですが、お値段はもちろん、作家から直接購入できるというのも嬉しいです。

作品を購入すると、こちらのカードも一緒にもらえます。
そしてこのカードには、ある番号とメールアドレスが書かれているのですが・・・

この番号は、最も多作な美術作家としてギネスブックにも載っている、あのパブロ・ピカソが生涯制作した作品数 “147800” よりも１つ多い数になります。

つまり、現在開発さんが取り組んでいるプロジェクトでは、開発さんが生涯をかけて「ピカソよりも１つ多く作品をつくる」という目標が掲げられているのです。

ちなみに「何をもって作品を完成とするか」は、作家が決めることですが、この作品は、それだけでは未完成のオブジェや平面作品になります。私たちが購入後、それを部屋に飾り、その写真を開発さんに送ることではじめて、作品として成立するという設定になっています。つまり、私たちのアクションが作品完成のための絶対条件なのです。

【作品完成までの流れ】
作品を、直接開発さんから購入
↓
自分の好きな場所に飾る。
↓
飾った写真を撮って、開発さんにメールする。
↓
あとは、開発さんからの返信を待つだけ。
開発さんから、メールで作品番号が送られてきたら、カードの裏にその番号を記入しておきましょう。

この４つのステップで、購入した作品が完成します。

さっそくですが、わたしも部屋に飾ってみました。