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音楽

「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」

「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」

日本最古のアマチュア学生オーケストラ「ワグネル」(横浜市港北区)

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(写真左から)次期ファゴットパートトップの西堀健祐さん(法学部政治学科3年、ファゴット担当)、演奏旅行マネージャーの米田真央さん(理工学部化学科3年、フルート担当)、次期コンサートミストレスの請園真理子さん(法学部政治学科3年、バイオリン担当)、学生責任者の小宮竜一さん(法学部政治学科3年、バストロンボーン担当)

ワグネルはどのような団体で、どんな活動をしていますか。

小宮さん:ワグネルは、ほぼ慶應大学の学生によって組織されています。ワグネルの特徴は団員全員が参加して1つの演奏会を作り上げることです。奏者としてだけでなく、演奏会の事務的な仕事も全て学生が中心となって行っています。私たちは学生主体でありながらも、多くの方のご支援によって成り立っていることを忘れずに、人と人とのつながりを大切にすることを心がけています。
 年3回の定期演奏会を中心に、隔年に一度、国内演奏旅行、海外演奏旅行を実施しているので、2年ごとに団員は大きなイベントを経験できます。このほかに、小学校の音楽の授業や地域のイベントなどの依頼を受けて、オーケストラはもちろん室内楽やブラスアンサンブルなどさまざまなかたちでの演奏活動を行っています。

団員数は何名ですか?また、練習はどのように行っていますか。

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(練習の様子)

小宮さん:約180人の団員が所属し、練習は慶應大学の日吉キャンパスで行っています。全体練習は週3日で午後6時から9時までの3時間程度ですが、それだけでは足りないと自己練習を毎日している団員も多いです。

180人の団員が全員、演奏会で演奏できるのですか?

小宮さん:大学によっては、4年間在籍していても出演機会がほとんどないオーケストラもありますが、ワグネルではどんなにレベルの差があっても、毎回1人最低1曲は定期演奏会に出演すると決めています。皆で協力して頑張ろうという意識がとても強いのだと思います。

ワグネルの運営でどんなところにやりがいを感じていますか?

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(団員に指示を出す学生責任者の小宮さん)

小宮さん:団員それぞれが、自分の担当する仕事を持っています。その1つ1つがいい演奏会作りに繋がっていると実感してもらえるところです。演奏会場を抑える、練習日程を考えることももちろん大切ですが、プログラムのデザインや、エントランススタッフとしてご来場いただいたお客様へのおもてなしをすることも重要です。他にも、大学近隣にある馴染みのラーメン屋や居酒屋などに公演のチラシを貼ってもらえるようにお願いしに行くなど、すべてが組み合わさって演奏会が作られていくことを考えると、演奏するときもみんなが最高のパフォーマンスをしようと思うようになります。そうやって全てがプラスに作用しているところにやりがいを感じます。

皆さんは元々楽器を演奏していたのですか?ワグネルに入ったきっかけは何ですか?

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(バストロンボーンを演奏する小宮さん)

小宮さん:ワグネルに入った大きな理由の1つは、演奏会のクオリティの高さです。高校の頃からワグネルのことは知っていて、よく演奏会にも足を運んでいました。年に3回も演奏会を学生オーケストラが開催するのは珍しいですし、毎回その演奏に感動し、自然といつかここで楽器を吹きたいと思うようになりました。中学で大型楽器のチューバを、高校でテナートロンボーンというバストロンボーンよりも一回り小さな楽器を担当していましたが、ワグネルの空きポジションを考慮して、バストロンボーンに変更して入ることを決めました。

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ファゴットを演奏する西堀さん)

西堀さん:中学1年のときにファゴットを始めました。ワグネルに入ったきっかけは慶應の音楽系サークルの中で、一番音楽に打ち込める環境が整っていると感じたからです。また、演奏旅行に行きたいという思いも強くありました。

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(フルートを演奏する米田さん)

米田さん:私は、小学2年生の時にフルートを始めました。中学生のときからオーケストラをやっているので、大学に入っても続けたいなと思ったのがきっかけです。それに、ヨーロッパに演奏旅行で行けるなんてすごいと思って入りました!

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(バイオリンを演奏する請園さん)

請園さん:私は4歳のころからバイオリンを弾いています。ワグネルには、先輩に誘われて入りました。

6月30日の定期演奏会に懸ける思いを教えてください。

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米田さん:1曲目の「グラズノフ 祝典序曲」は、華やかで明るく情熱的な曲です。4月からワグネルは新しくフレッシュなメンバーになったので、良い緊張を感じながらいいスタートが切れるように演奏したいです。

請園さん:2曲目の「プーランク バレエ組曲牝鹿」は、フランスの音楽でワグネルではあまり演奏されることのない曲なので、初めて聞くという方も多いかもしれません。新鮮に感じていただけると思います。

西堀さん:3曲目の「チャイコフスキー 交響曲第5番ホ短調」は、有名でみんなが知っている曲でありながら、やや影があるような曲です。勢い任せにならないよう、うまくバランスを取りながら、しっかり音楽を理解して自分たちの思いを乗せて演奏していきたいです。

ワグネルの今後の活動予定

・第 222 回定期演奏会
2017 年 10 月 28 日 ( 土 ) 夜公演 すみだトリフォニーホール 大ホール 指揮:川瀬 賢太郎
曲目:ラフマニノフ / 交響曲第 2 番ホ短調 他

・第 223 回定期演奏会
2018 年 2 月 11 日 ( 日 ) 夜公演 サントリーホール 大ホール 指揮:大河内 雅彦
曲目:ブラームス / ピアノ四重奏曲第 1 番シェーンベルク管弦楽編曲版 他

・ 2017 年度海外演奏旅行
2018 年 2 月 25 日 ( 日 ) プラハ公演 スメタナホール
2 月 28 日 ( 水 ) ミュンヘン公演 ヘラクレスザール 3 月 4 日 ( 日 ) ウィーン公演 ムジークフェライン 3 月 9 日 ( 金 ) ブダペスト公演 コングレスホール

マグカル編集部より

来年2月から、ヨーロッパ4都市へ180人の団員全員で演奏会に行くと聞いてびっくり。その計画も、会場の手配なども、すべて学生が主体となって行うそうです。レベルが高く伝統あるワグネルとして演奏旅行に行けることに「楽しみでしかない」と目を輝かせていました。仲睦まじく、和やかな練習風景でしたが、先生が指揮を振り始めた途端に息をするのも躊躇してしまうほどの張りつめた空気に包まれました。この切り替えの素早さが、勉学と音楽の両立にも繋がるのかと納得でした。

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