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美術・写真アート

ヨコハマトリエンナーレ2020 始動!

ヨコハマトリエンナーレ2020 始動!

(TOP画像)ラクス・メディア・コレクティヴ 撮影:田中雄一郎 写真提供:横浜トリエンナーレ組織委員会

3年に1度開催する現代アートの国際展として、2001年に始まった横浜トリエンナーレ。来年は7回目が開催される年なのですが、実はヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow−光の破片をつかまえる」は、2019年11月にスタートしています!
今回アーティスティック・ディレクターを務めるラクス・メディア・コレクティヴ(以下、ラクス)は、ひとつの「テーマ」から展覧会を着想するのではなく、オープンな複数の「ソース」を出発点とする方法をとります。このため、2020年7月に開幕する展覧会の前から「エピソード」と呼ぶイベントを断続的に行い、対話のきっかけを作っていくそうです。
そして先日、プレイベントとなる「エピソード00 ソースの共有」が実施されました。

会場となったのは「プロット48」。ここは、横浜美術館と合わせて、2020年7月に開幕する展覧会でも会場となります。
*新宅加奈子「I’m still alive」

オープンと同時に訪れると、会場であるミュージアム棟の片隅では、すでに参加アーティストによるパフォーマンスが始まっていました。日常的な風景から、いきなり現代アートの世界にトリップした気分です。
*田村友一郎「畏怖/If」

シアター棟に移動して、西岡愛氏(NHK横浜放送局キャスター)の朗読で『毎日あほうだんす−寿町の日雇い哲学者 西川紀光の世界』(トム・ギル著)を披露。さらにイヴァナ・フランケ氏のレクチャーなどが続きます。

その後、ラクスによる「コンセプトの共有」が行なわれました。
ラクスは、ニューデリー(インド)生まれの3人により結成されたアーティスト集団です。彼らが発想の出発点とする「ソース」とは、時代や文化的背景の異なる実在の人物の生き方や考え方を例示する資料であり、これを開幕前の企画段階から全ての人々に対して共有。この「ソース」を起点に会話や対話を重ねることで、まるで「茂み」のように豊かな思想と思考の世界がヨコハマトリエンナーレ2020において立ち上がることを期待しているそうです。

「エピソード00」では、ヨコハマトリエンナーレ2020の「ソース」となる5つの資料を収録した『ソースブック』が公開されました。

ヨコハマトリエンナーレ2020は、時間と場所が特定された展示に加え、「エピソード」と称するイベントを断続的に行う独自のスタイルで展開します。つまり、これから香港、ニューデリー、ヨハネスブルグを巡り、2020年7月に横浜に戻ったところで本格的に展開されるというわけです。

*イシャム・ベラダ「Préage(予兆)」

ミュージアム棟に戻ると、イシャム・ベラダ氏のパフォーマンスが始まっていました。鉱物が化学反応を起こす過程やその結果生まれる現象を視覚的イメージとして提示するベラダのパフォーマンスに、トラックメーカーとして注目される小松千倫氏の音楽が重なり、近未来とも太古の世界とも思える不思議な感覚を体験しました。

常に社会的意義の高い国際展を目指して開催されてきた横浜トリエンナーレは、まもなく20年の節目を迎えようとしています。今回初めて外国人がアーティスティック・ディレクターに選ばれたことは、神奈川県のみならず、日本のアートシーンに大きな刺激を与えるものです。より広い世界とつながり、新たな価値観と出会えるアート・フェスティバルに期待しましょう。

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