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音楽

「第12回フレッシュ・コンサート」開催特別インタビュー!  横森由衣&川田直輝が語る〜新進気鋭の若き演奏家による華やかな競演〜

「第12回フレッシュ・コンサート」開催特別インタビュー!  横森由衣&川田直輝が語る〜新進気鋭の若き演奏家による華やかな競演〜

モーツァルトの作品に挑む新進気鋭の若き音楽家たち

−フレッシュ・コンサートで演奏されるモーツァルト作『フィガロの結婚』について、おふたりの思い入れはありますか?

【横森】大学院のオペラ定期公演でスザンナ役を演じました。初めて全幕を通して勉強したオペラなので思い出深く、また演奏できるのがとても嬉しいです。万全の準備で本番に臨みたいと思います。

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 【川田】こうして横森さんとお話しするのははじめてなのですが・・・、実はそのオペラに僕も合唱として参加していたんです。

 【横森】そうですよね。覚えています。だから、はじめてではなく、舞台上では2年ぶりの再会ということも・・・(笑)。

 【川田】いえますね(笑)。僕自身はフィガロの結婚をお客様の前で演奏した経験は合唱だけなんです。だから、新鮮さでいっぱいで、真摯に臨みたいと思っています。

−それぞれの曲の見どころは?

【横森】第4幕のスザンナのアリア「とうとう嬉しい時が」は、恋人フィガロへの愛を歌ったとても優美な曲です。スザンナの心の温かさや、優しさを表現したいと思います。

 【川田】その前の第3幕「訴訟に勝っただと?」ですね。伯爵という高貴な身分の人間が憤怒している場面です。怒っている人間の生(なま)の感情をどれだけ伝えられるか? そこが苦心するところですが、臨場感をぜひ感じていただければ幸いです。

−演奏にあたり、モーツァルトやその作品について再認識されることはありますか?

 【横森】シンプルで豊か、そこがモーツァルト作品のスゴさだと感じますね。それゆえ、演奏には高度な技術が求められます。本当に難しい作品ばかりですが、追求しがいも、達成感もある。すべてにおいて研ぎ澄まされているというのでしょうか。偉大な作曲家です。

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 【川田】あと、とても“ナチュラル”ですよね。元気になりたいときも、リラックスしたいときもモーツァルトの作品は聴く人に寄り添ってくれます。

自ら見つけた感動から、進んだ音楽家への道

−おふたりのこれまでの活動についてお聞きします。まず音楽家をめざしたきっかけは?

 【川田】僕は、とても単純で、純粋に楽しいな、と。ただ、はっきりとそう感じたのは高校時代ですね。母や祖母の影響もあって音楽に小さいころから親しんでいたものの、それまではなんとなくという気持ちでした。きっかけは、「和声」という授業です。音楽の構成を学ぶのですが、そこで得た知識を普段聴いている音楽に当てはめてみると、なるほどと新鮮な驚きと感動がありました。そこから、興味がより深まり、また先生の薦めなどいろいろな要素も加わって、というのがきっかけです。

 【横森】私の場合も、父が声楽科、母がピアノ科の出身ということで、音楽は身近にありましたが、幼い頃からずっと音楽家をめざしていたわけではありませんでした。中学3年生の時にミュージカル「オペラ座の怪人」を観たことが、歌を始めるきっかけになりましたね。子どものころからクラシックバレエを習っていたので、舞台には興味があったのですが、ミュージカルは踊りも歌もあって、なんておもしろいんだろうと大興奮でした。その後、声楽を習い始め音大を目指しました。オペラを専攻しようと決めたのは大学院に入る時ですね。演じながら歌うということは本当に難しいことですが、オペラの舞台に立てる歌い手を目指したいです。

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−現在、プロとしての演奏ほか、地域に根ざした活動も行なっていると聞きました。

 【川田】「海老名市民オペラ」の代表を務めています。いろいろなご縁が重なって立ち上げに至りました。自分がオペラの合唱に参加したことでオペラの見方が変わった経験を、参加してくださるかたに味わっていただければと思って。なにより自分のやっていることで地元に還元したいと思いました。メンバーは人生のベテランのかたが多いのですが、みなさんとてもバイタリティにあふれていて、僕自身がよい刺激をいただいています。

 【横森】「よこすかの音楽家を支援する会(YMSA)」のメンバーとして活動しています。横須賀出身の音楽家が集まり、さまざまな場所で演奏会を開催しています。コンサートホールはもちろんのこと、町内会館や美術館などでも行っていて、ふだんクラシックに馴染みのない方にも、とても楽しんでいただいています。つい最近では、ニューイヤー・コンサートが横須賀文化会館で開催され、横須賀にゆかりのある40人ものメンバーが集まりました。地元で演奏の場を多くいただけるのは、本当に幸せだと感じています。

これからのクラシック界の一端を担う若き音楽家の大きな夢

−公演に練習、そして地域活動。多忙だと思われますが、休日のリフレッシュ方法はありますか?

 【横森】私は、野球観戦ですね。大学の友人に誘われ、右も左もわからないまま東京ドームへ・・・。でも、とてもおもしろくって、いつしか楽しんで応援している自分がいました(笑)。考えてみると、舞台も野球も似ているように思うんです。野球場の開放感もそうですし、また、ホームランで“やった!” という瞬間は、力みなく声が伸びた感覚にも。ジャイアンツの試合があるときはよく観戦に行っています。

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 【川田】反対に、僕は部屋でゆっくりと過ごすことが多いですね。本が好きなので、読書がリフレッシュになっていると思います。あとは・・・、映画でしょうか。映画館に足を運ぶこともありますね。基本的に洋画を観ますが、2016年に上映された『シン・ゴジラ』は非常によかったです。情報密度が魅力的で、上映当時4回も劇場に足を運びました(笑)。

−最後に、おふたりのこれからの活動と将来の夢を教えてください。

 【川田】演奏のお話ではなくて申し訳ないのですが・・・、直近の目標は大学院の修了です。今年の12月までに論文を書きあげ、無事に修了できるように取り組んでいます。そこを経て、新たなスタートですね。将来の夢は、やはりイタリアで声楽を学んでみたいということ。あと、日本人としての舞台のあり方を考えたいですね。後者は、僕たちにとっていずれ通る命題だと思います。歌も楽器もその国々の風土から生まれるものですから、日本人だからこそ、というものを探求していきたいですね。

 

 【横森】現在、東京二期会のオペラ研修所に通いながら勉強しています。今後は、さまざまな演奏会はもちろん、オペラの舞台に出演できるよう、声の技術を磨き、演技力も高めていきたいです。また、ドイツ語の作品が好きなので、J.シュトラウスの《こうもり》など、楽しいオペレッタの作品にも挑戦したいです。お客様に喜んでいただける歌い手になりたいです。

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「第12回フレッシュ・コンサート~新進気鋭の若き演奏家による華やかな競演~」
開演日:2018年 2月10日(土)
開演時間:開場 13:20〜 開演 14:00〜
開催場所:神奈川県立音楽堂 〒 220-0044横浜市西区紅葉ヶ丘9-2

アクセス:JR・市営地下鉄「桜木町駅(南改札西口、北改札西口)」より徒歩10分 、 京浜急行「日ノ出町駅」より徒歩13分、みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩20分

チケット料金:全席指定 S席:3,000円 A席:2,000円 ユース(25歳以下)は各席種半額 *未就学児児童入場不可

お問い合せ:神奈川フィル・チケットサービス  045-226-5107 (平日10時~18時)
主催:公益財団法人神奈川フィルハーモニー管弦楽団

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