「スマートイルミネーション横浜2014」レポート
イベントごとが近づくと、街はきらびやかにイルミネーションを施され、友達、恋人、家族、あるいは1人でじっくりと出かけたくなるような非日常を味わえる場所になっていきます。象の鼻テラスの夜景開発プロジェクトとしてスタートしたこのスマートイルミネーションには、視覚的・非日常的な楽しさを味わうだけでは終わらない、アーティストや企業、学生…さまざまな表現者の情熱や哲学を知ることができるアートイベントとなっています。
本当に見落としてしまいそうなほど多くの展示物があるので、その中から3つほど紹介しようと思います。
まず、象の鼻テラス周辺で、ひときわ目を引く高橋匡太さん+柴幸男さんの「moving projection theater たてもののおしばい」をご紹介します。
これはムービングプロジェクターを使って建物に顔を投影することによって、本来人格性を感じることのない無機質な建物が個性を与えられ、対話をはじめる…という作品です。
投影される顔が少し立体的に見えるので、ユニークな表情がよりリアルに感じられ、物語を盛り上げていました。
また、このムービングプロジェクターの電源は電気自動車のバッテリーを使用しており、アートイベントだけではない環境技術の見本市としての側面もあることが伺えました。
次に、小山田徹さんの「ちび火」をご紹介します。
これは人にとって最も原始的な行為、「火」を焚き、そのまわりを囲む…という参加型インスタレーションになっています。
グループで座るのはもちろん、相席もあるのでもしかしたら世代や性別を越えた出会いがあるかもしれません…!
どこか懐かしいちび火の暖かさを感じながら、同じスペースにある箱根が本拠地の移動型カフェ、「CAFE Ryusenkei」さんのチャイやスープを飲みつつ語り合うひとときはとても良い思い出になりました。
周りを見渡すとじっくり語り合っている人、薪をくべるのを楽しんでいる人、炎のスケッチをしている人…皆さん様々な楽しみ方をしていました。
他にパシフィコ横浜にも作品があるのですが、そこまでは少し距離があるのでぷかり桟橋〜ピア象の鼻を運航するシャトルシップ(ジン・シヨンさんの作品「シャトルシップ FLOW」)に乗り、みなとみらいの夜景を見ながらゆったりと移動するのがおすすめです。
船の窓にはLEDチューブが張り巡らされており、こんな写真を撮ることも出来ました。
いつもと違うヨコハマに出会える5日間、カメラを持って記録をしながらじっくりと周るのもアリだと思いました。
「見て終わる」だけではない、参加型インスタレーション、ワークショップ、イベント、美味しい移動型カフェ…などなど、ここでは紹介しきれない有形・無形の「何か」が得られるアートイベントになっているので、帰るときにはもしかしたら今までとは違う「何か」を得た自分を感じられるかもしれません。
スマートイルミネーション横浜2014 - PRIMARY LIGHT 語り合う光 –
10月30日(木) ~ 11月3日(月・祝) 17:00~22:00
象の鼻テラス・みなとみらい21地区 他
■ ライタープロフィール
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杉山 千鶴
女子美術大学 デザイン・工芸学科2年
笑顔とおいしいごはんが好きです。
広告やCM、パッケージなどのデザインの勉強のほか、
ストップモーション(パペットアニメ)を作るお手伝いなどもしています。
イベント用のTwitterです。ぜひご覧ください。: @tooth_MAP0103
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