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演劇・ダンス

「第3回神奈川かもめ短編演劇祭」、ついに開幕! その魅力を舞台女優兼かもさい広報大使・真嶋一歌さんにインタビュー

「第3回神奈川かもめ短編演劇祭」、ついに開幕! その魅力を舞台女優兼かもさい広報大使・真嶋一歌さんにインタビュー

“かもさい”は誰もが楽しめて、好きな演劇が見つかるお祭り

−もうすぐ、「第3回神奈川かもめ短編演劇祭」が開幕します。真嶋さんは今回から広報大使を務めているとか?

 そうなんです。でも、実はかもさいとの出会いは第1回目からなんです。最初は東京代表チームの一員として参加し、「たすいち」という劇団の「透明人間、消える」を発表 しました。2回目で、MCのお話をいただき、現在に至ります。なので、演者・司会両方で参加できて、私自身が喜んでしまっています(笑)。3回も憧れの KAAT の舞台に立てて、なんて贅沢なことか、と。それもあって、前々回、前回に続きより多くの人に楽しんでもらいたい気持ちが大きいですね。

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−開催3回目ということで、かもさいも広く認知されてきています。演劇がはじめてのお客さんでも楽しめる、おすすめの鑑賞の仕方はありますか?

 そうですね・・・、演劇というと、はじめての方にとっては、興味があっても、少し観に行きにくいイメージもあるのかなと思います。演劇作品は、上演時間が1時間半~2時間程度の作品が多く、大作になれば3時間、4時間を超えるものもあるので、もし テーマや内容が自分の想像とは違ったものだったら・・・、楽しさを感じにくい部分もありますよね。でも、かもさいは初鑑賞の方にも十分に楽しんでいただける内容になっています。短編演劇祭というように作品は20分ごとで、また、計8チームの劇団が参加していて、テーマもそれぞれ違う。なので、リラックスして鑑賞できますし、また自分の好きな内容や雰囲気の演劇もきっと見つかると思います。

 おすすめの楽しみ方は、“ぜひ自由に!”ということですね。演劇や芸術ということを深く意識せずに、まずは自分の好きなポイントを探してみてはいかがでしょう。例えば、あの役者さん素敵、かわいい! とか、ストーリーが面白いとか、さらに日常とは違う仕草や言い回しだな。など、もうなんでも。私自身、演劇はとても自由なものだと感じているんです。テレビや映画の場合は監督やディレクターが見せたいものを見せたいように切り取るものだと思いますが、演劇は自由度が高く役者一人ひとりが工夫してつくりあげていくもの。舞台のどこを見るのも自由。だから、見方ってそれほど気にしなくてもよいのかな、と。

街を越え、海を越えて「演劇はどこにでもある」ことを感じてほしい

−全国、海外から集まったよりすぐりの劇団が上演を行うそうですが、劇団や作品の特徴を教えてください。

 まずひとつは、作品がとても多彩なこと。かもさいの大きな特徴で、全国から劇団が集まり上演し、地域性のある作品にも触れられる機会って、まずありません。今回の劇団で言えば、宮城県発の劇団「Gin’s Bar(ギンズバー)」の『前夜』は東日本大震災以後の男女のドラマをテーマにしていますし、島根発の劇団「亀二藤」の『酒とお蕎麦と男と女』は松江からきたお侍さんとお蕎麦屋さんが繰り広げる内容です。このように、地域に根ざした演劇って、私たちに演者にとっても刺激あるものなんです。また、さらにシリアスな演劇もコミカルな演劇もあって、ほんとうにバラエティに豊かなラインアップになっています。あと、ぜひ鑑賞いただきたいのが、韓国発の劇団「劇団同感」とその作品『代案家庭生態報告書』ですね。第1回目から韓国の劇団を招致しているのですが、そのクオリティの高さには毎回驚かされます。韓国はとても演劇が盛んで、大学路(テハンノ)という街には100軒以上の小劇場があり、日々演劇が上演されていると聞いています。

 
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 このように街も国も関係なく、それぞれの演劇に触れられるのがかもさいの素晴らしいところですね。ぜひ、演劇はどこにでもある芸術だということも感じていただきたいです。

  

−かもさいは、これまでにない演劇祭なのですね。では、演者としては、どのような舞台なのでしょう?

 もう、ほんとうに、ほんとうに素晴らしいに尽きる舞台です!(笑)。先ほどのお話とも重なりますが、役者にとっても、自分の住んでいる土地から離れた場所で上演されている作品を観る機会ってそれほどないんです。どうしても拠点ごとにまとまりやすいというか・・・。でも、かもさいでは、各地の劇団の作品に触れられ、その土地土地で活躍する役者さんの息づかいも感じられる。あと、交流できることもとても価値あるものだと感じています。かもさいでも最終的には受賞劇団を選ぶので、はじめはそれぞれに“負けたくない”という気持ちはあります。お互いにライバル同士で、役者として参加したときの私の気持ちもそうでした。でも、受賞式が終われば、全然違う気持ちになるんですよ。自然にお互いがお互いの劇を認め合って、また演劇に打ち込もうという想いが湧いてくる。素晴らしいことですよね。実は、第1回目で交流がはじまった「劇団名作とうもろこし畑」という韓国の劇団があるのですが、ずっと私の芝居を覚えていてくれて、今回の3回目にあたり、「またあなたがかもめ演劇祭に出場することがあれば、韓国チーム全員で応援しに行く」という言葉をもらい、とても感動しました。

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 <第1回神奈川かもめ短編演劇祭上演・たすいち作品「透明人間、消える」>

あと、審査員を務められている憧れの方々から上演作品の講評をいただけるのが、なによりうれしく思います。
過去作品の再演にあたり加筆修正をすることもありますが、一度完成し上演が終わった脚本を、書いた時の記憶が新しい短期間のうちに、しかも演劇界の第一線で活躍している方々に意見をいただきながら再度考え直すという機会はほとんど無いと思います。
また、演技に対してアドバイスをいただだけることもあり、出演者にとっても大変有意義な経験になります。

受賞式は思わぬどんでん返しも!? 役者・審査員・観客でつくる「かもさい」

−広報大使を含め、真嶋さんの今後の活動なども教えてください。

 広報大使としては、役者・司会の経験を生かして、たくさんの人と演劇の結ぶ架け橋になっていきたいと思います。演劇ファンもはじめてのかたも楽しめ、役者も成長できるお祭りなので、その素晴らしさをこれからもどんどん発信していきたいです。

 

 個人としては、自分が所属している「リジッター企画」の活動に全力投球ですね。1月21日まで渋谷にある「CBGKシブゲキ!!」で、「そこのこと」という劇を上演しています。キャストがとても豪華で、演劇の“強者”が集まりました。さらにメンバーには元モーニング娘の新垣里沙さんもいて、クオリティ、エンターテイメント性ともに充実したお芝居になっています。あと、2月から1ヶ月間開催される「下北演劇祭」にも参加します。「このBARを教会だと思ってる」という劇団MUの作品なのですが、どちらもとても楽しめる内容なので、興味のあるかたはぜひご来場ください。

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−最後に、かもさい開幕に向けてメッセージをお願いします。

 

 今の世の中で、なかなか“人の息づかい”に触れることは少ないと思います。でも、感動って、やっぱり人のアクションやつながりから生まれるものだと私は考えています。そして、「そこにいる人と人でつくられる」芸術が演劇です。ぜひ会場で、舞台だからこそ成り立つ「生(なま)の表現」の素晴らしさを体験してください。

 また、かもさいは、“みんなでつくる演劇祭”だということもお伝えしておきたいです。観るだけの演劇祭ではなくて、受賞劇団の選考には「観客賞」もあり、審査員の評価がすべてではありません。お客さんの評価によって審査結果が大きく変わることもあるので、お客さんもとても楽しめるところだと思います。たくさんのみなさんのご来場を心よりお待ちしています。

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「第3回神奈川かもめ短編演劇祭」
開催日:2018年 1月25日(木) 〜 1月28日(日)
開催場所:KAAT神奈川芸術劇場 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町281
アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」より徒歩約5分、「元町・中華街駅」より徒歩約8分
チケット料金:一般 3,000円 U24 2,000円 *公開審査会・表彰式のみ500円

【スケジュール】
1/25(木) 19:00 開会式+Aブロック
1/26(金) 19:00 Bブロック★
1/27(土) 14:00 Aブロック★/19:00 Bブロック★
1/28(日) 12:00 Aブロック/14:30 Bブロック
*A・B ブロックごとに上演作品が異なります。
*★…アフタートークあり(詳細は後日HPにて)
*28(日)上演終了後 公開審査会+表彰式あり

<A ブロック上演作品>
亀二藤『酒とお蕎麦と男と女』、シャカ力『大好きなものを食べる』
戯曲選抜チーム『机上の空論』、チリアクターズ『くよくよ、迂回』

<B ブロック上演作品>
架空畳『彗星たちのスケルツォ』、劇団同感『代案家庭生態報告書』
Gin’s Bar『前夜』、theater 045 syndicate『ヨコハマ箪笥事情』

【お問い合わせ】神奈川かもめ短編演劇祭実行委員会 070-5089-9397
主催 マグカル・フェスティバル実行委員会(事務局:神奈川県文化課)

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